2017年7月11日更新

猫はなぜ、ゴロゴロと喉を鳴らすの?ゴロゴロ音に隠された猫の気持ちとは?

NEKOCLIP



ペットシッター、愛玩動物飼養管理士2級

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。

 

猫の体や頭をなでると聞こえてくる幸せなゴロゴロ音。飼い主さんも癒されますよね。
ですが、実はこのゴロゴロ音、ゴキゲンなときだけ鳴らすわけではありません。猫の人生いえ、にゃん生にとって、ゴロゴロ喉を鳴らすことは幸せを表す以外にも大事な意味があるのです。

 

ゴロゴロ音のしくみ

わが家の猫は、撫でられ続けるとゴロゴロ音が盛り上がり、ガーコン、ガーコンとけっこな音量になるほど喉を鳴らします。どうやって猫はこんな音を喉から出すのでしょうか。
有力な説は、神経振動子という周期的なリズムを発生する神経のシグナルによって、喉頭部(喉の奥)と横隔膜(横隔膜は使用していないとの説もあり)の筋肉を一定したパターンとリズムで振動させ、息を吸ったり吐いたりするのと同時に喉が鳴るというものです。このゴロゴロ音は低周波の音で、25~150Hzの音なのだそうです。

ゴロゴロ音の意味

ときに母猫は子猫を産む際、ゴロゴロ音を出します。子猫たちは、母猫のゴロゴロ音でこの世に迎えられる、というわけです。そして猫は、この世を去るときにもゴロゴロ音を出すことがあります。ちょっとロマンチックかもしれませんが、猫にとってゴロゴロ音は、にゃん生の始まりと終わりの音ともいえるのです。
ゴロゴロ音にはさまざまな意味がありますが、その中で代表的なものをご紹介しましょう。

母猫とのコミュニケーション

生まれて間もない子猫はまだ目が見えず、耳も聞こえません。その時、母猫のゴロゴロ音の振動は、母猫がどこにいるか教えてくれる唯一の手段となります。また、子猫は二日齢で喉を鳴らすことができるようになり、「ここにいるよ!」など母猫との大事なコミュニケーションツールとなっています。

安心・幸せのサイン

母猫との暖かなコミュニケーションのために喉を鳴らす行為は、成猫になっても引き続き、安心や幸せな気分の時、例えば飼い主さんに撫でられて気持ちいいなあ、という時に使われます。猫を飼っているとこのゴロゴロ音を一番よく聞きますよね。

要求のサイン

「ごはん下さい」など飼い主さんに何かをしてもらいたい時にも猫は喉を鳴らすことがあるとの研究が少し前に発表されました(Karen McComb他、2009)。このゴロゴロ音は他の時と違い、高周波の音が紛れているそうです。この高周波音には、母猫や人に急いでなにかしてあげないと、という気分にさせる効果があると言われています。

具合が悪い、痛みがあるというサイン

幸せな気分の時だけでなく、猫は具合が悪い時、痛みがある時にも喉をならすことがあります。ゴロゴロ音をつくっている低周波音は、骨の治癒を促進したり、筋肉の痛みを和らげる効果があると言われています。実際人間の医療用に低周波治療器使われていますよね。また、喉を鳴らしている時に痛みを和らげるエンドルフィンという神経伝達物質も放出され、痛みを軽減するのだそうです。

わが家の猫は、気分が変わったり、こちらが撫でるのをやめるとほどなく喉を鳴らすことを止めますが、調子が悪いと2時間でも3時間でもずっと喉を鳴らしていることがあります。最初は気づきませんでしたが、病院に行くような事態の時に限ってずっと喉を鳴らしているのです。普段とゴロゴロ音の時間や調子がちがうな、という時は気をつけて体調をチェックしてあげてくださいね。

 

ゴロゴロ音の違いを聞き分けるのは難しい

ゴロゴロ音は、普通の鳴き声と違って高低差のバリエーションをつけることがほとんどできません。要求のサインは高周波が混じるために気がつくことがあるかもしれませんが、ゴロゴロ音自体、個体差が大きいため、聞き分けることはけっこう難しいといわれます。基本的には、愛猫のボディランゲージとあわせて、喉を鳴らす愛猫の気持ちを解釈することが大切です。

まとめ

猫飼いさんなら聞き慣れたゴロゴロ音ですが、いろいろな意味があったのです。猫は具合が悪い時にも喉を鳴らすことを知っていれば、体調不良が分かりにくい猫の病気やけがに飼い主さんが気づく良いきっかけになると思います。愛猫のゴロゴロ音が普段どんな音かあらためて聞いてみるのもよいでしょう。

参考文献:Karen McComb,他(2009)The cry embedded within the purrVol. 19, Issue 13, pR507–R508, 14 July 2009