2017年6月30日更新

【獣医師が解説】犬が血尿に…。考えられる原因・病気と対策・治療

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犬のおしっこの色がピンク色や茶色など、いつもと違うかも?と気付いたらまずは飼い主さん自身で確認してみましょう。
その方法をいくつか紹介します。

 

血尿の見分け方

・排尿直後に「白色の」ティッシュで股に残っている尿を拭く
・外でしかおしっこをしない場合:魚やお肉が売られている「白色の」トレーを排尿時にそっと差し出す(よく洗ったものを使って下さい)
・室内で吸水性のおしっこシーツを使用している場合:シーツを裏返しておく

これらの方法は、おしっこの色の確認だけでなく、獣医さんに検査に必要なおしっこを持っていく時にも使えます。
また、おしっこの色に異常がある時は、尿のニオイがきつくなる、排尿回数が増減する、排尿が終わるまでの時間が長い(出ていないのにかがみ続ける)…など排尿時の行動にも異常がみられることがあります。

血尿になった時は?

もし血尿に気付いた時は、犬が元気でも早めに受診してください。

・ぐったりしている
・舌の色が白い
・嘔吐
・下痢

など他の症状がある時は急を要します。血尿は自然に良くなりませんし、放っておく程に悪化する可能性があります。

 

血尿の時に考えられる病気(原因)~細菌などの感染もしくは中毒症状かも~

血尿の時に、考えられる病気として主に2つに分けられます。泌尿器、生殖器の炎症や出血とそれ以外の病気です。前者ではそのほとんどが細菌や真菌などの感染が原因で、おしっこの出口から上って感染が拡がり、血尿になります。

また、神経質な性格のワンちゃんや、老齢のワンちゃんでは免疫力が低下しやすく感染しやすい傾向にあります。

泌尿器の病気

腎臓(おしっこを作る)・膀胱(おしっこを溜める)・尿道(おしっこが通る)が炎症、出血
・腎臓病:中毒による急性腎不全や老化に伴う慢性腎不全によって腎臓機能が低下する。
・膀胱炎:おしっこの出口からから膀胱まで(尿道)の長さが短い雌によくみられる。
・結石:腎臓や膀胱、尿道に結石ができます。犬ではストラバイト結石が主で、細菌感染によって尿がアルカリ性に傾くことで石ができやすいといわれています。

生殖器の病気

避妊・去勢をしていない成犬~老犬に多くみられます。
・子宮蓄膿症(雌):子宮内に膿が溜まり、膣から膿が出る。多飲多尿(水をよく飲み尿量が増える)が特徴。
・前立腺炎・前立腺肥大(雄):排尿量などの調節をする前立腺が機能不全となり、尿の量が減る。急性の場合は痛みや発熱を伴う。 
【他の病気】
・中毒によるもの:タマネギやチョコレートなどを食べたことによる中毒
・感染症:フィラリア感染症、バベシア感染症、
・腫瘍:直腸や子宮の腫瘍、ガンなど

血尿の治療~基本は細菌などへの感染の治療~

血尿を引き起こす病気のほとんどは、細菌感染が原因です。感染が悪化した部位が炎症や化膿、出血し、血尿となります。よって、血尿の治療は抗生剤や抗菌薬を用いた細菌や真菌の感染に対する治療をベースに行います。
それに加えて、それぞれの病気の原因を治療します。
・結石:結石の除去並びに再発防止のための食事療法
・子宮蓄膿症、前立腺炎など生殖器の病気:臓器の摘出術つまり、避妊去勢術を実施する
・タマネギやチョコレートなどの誤食による中毒:胃洗浄
・フィラリア感染症やバベシア感染症:駆虫や感染症そのものの治療、予防 など

血尿の治療中に気をつけたい生活~中断せず、最後まで治療することが大切~

獣医さんに処方させた薬を飲んで、血尿がおさまると安心して病気が治ったと思いがちです。しかし、感染症の治療は長引くケースもあります。投薬を勝手に中断してしまうことで再発することも。投薬と受診を怠らず、治療を続けることが大切です。また、細菌感染が起きた背景に、ストレスによる免疫力の低下も考えられます。ワンちゃんがより快適に生活できる環境にしてあげることも大切です。

血尿の予防~飼い主さんにできること~

・ストレスを和らげてあげる
・免疫力が高まる食事を心掛ける
・寄生虫の駆虫と予防を実施する
・可能であれば避妊去勢術を行う
・ワンちゃんが食べてはいけないもの(チョコレートとタマネギはその代表です)を勝手に食べられないようにする
それぞれの病気の原因を取り除くことで、飼い主さん自身の手で血尿を防ぐことが出来ます。