2017年8月12日更新

猫の睡眠について。猫の睡眠時間は人の2倍。猫の睡眠時間と睡眠の特徴。【獣医師が解説】

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「猫はいつも寝てるけど、どこか具合が悪いのかな?あれが普通なのかな?」このような疑問を持ったことはありませんか?
人に比べて猫の睡眠時間は長く、浅いと言われます。猫の睡眠時間と睡眠の特徴について紹介します。

 

猫の睡眠

猫の睡眠時間

猫の睡眠時間は人に比べて非常に長く、成猫で約14時間、子猫で約18~20時間と言われています。1日のほとんどを寝ることに費やしているといっても過言ではありません。
猫はもともと肉食動物で陰に潜んで獲物を待ちとらえるという生活をしてきました。現在ではほとんど猫が飼い猫で毎日の餌と水は何もしなくてももらえます。
このように生活習慣が変わっても本来の習性はほぼ変わりません。寝てばかりに見える猫ですが、猫にとっては正常な睡眠時間なのです。

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。レム睡眠では脳は活動し覚醒状態にありますが、体は休息しているので筋肉は弛緩しています。一般的にレム睡眠は浅い睡眠と呼ばれ、少しの刺激や物音で目を覚まします。また、ノンレム睡眠中は脳が休んでいる状態ですが、身体は活動しています。こちらは深い睡眠と呼ばれ、少し位の刺激では起きません。
レム睡眠とノンレム睡眠はある程度のサイクルがありますが、猫の場合はレム睡眠が30~90分程度、ノンレム睡眠が6~7分程度で、圧倒的にノンレム睡眠が短くなります。
もともと屋外で生活していた猫なので、ぐっすり寝てしまうと襲われる可能性がありますのでノンレム睡眠の時間が極端に短いのが特徴です。

人間の眠り方の違い

人間の睡眠サイクルはレム睡眠が2割、ノンレム睡眠が8割なので猫のサイクルは異なると言ってよいでしょう。人間の場合、睡眠開始から60分くらいで深い睡眠に入ります。そこから90~100分位のサイクルでレム睡眠・ノンレム睡眠を繰り返します。しかし人間も幼少期は睡眠時間が長く、新生児期の睡眠時間は約16時間、レム睡眠5割、ノンレム睡眠が5割です。大人になるにつれ睡眠時間は短くなり、約8時間で、レム睡眠が2割、ノンレム睡眠が8割になります。
人はもともと朝日が上がり明るくなると起き、日が沈むと寝るという生活でした。今は、電気があるために生活のサイクルはずいぶん変わりましたが一般的な活動時間は昼です。猫は夜行性と言われていますが、実は夜中は寝ています。
猫は薄明性と呼ばれ活動時間は夜明けごろや夕暮れ時です。これは、猫が狩猟対象としている生き物の活動時間帯に合わせていると考えられます。以前、農園で猫は1日何をしているのかのデータをとった結果、睡眠40%・休息22%・グルーミング15%・狩り14%・移動3%・食事2%・その他4%という割合になりました。寝ている時間と休息(うたた寝)で半分以上の時間を使っていますが、もともと猫は深い睡眠をとりませんので、その分浅い睡眠を長時間しなければ体力の回復が難しいのかもしれません。

睡眠時間の変化

冬は寝てる時間が長い?

猫は冬になるとよく寝るといわれていますが、冬は猫が対象とする獲物の活動も減ります。このことが猫の活動に大きな影響を与えていると考えられます。
睡眠時間は変わらないが、活動する時間が減ると考えたほうがよいでしょう。

年令によっての変化

高齢になるにつれ「内臓疾患」「内分泌性疾患」「加齢性疾患」などが増えていきます。また、代謝が落ちてきたり、免疫力も落ちるために体力を維持することにエネルギーを使います。消費した体力を回復させるためにも睡眠時間は長くなっていきます。

飼い主さんの生活リズムによって変化

飼い主さまの生活時間の変化は猫の生活に多少なりとも影響を与えます。猫は薄明薄暮性とも呼ばれ、明け方と夕暮れ時に活動し、昼と夜中は寝ていたり休息しています。猫の生活リズムは人の生活リズムとは異なるのです。
お昼の休息睡眠時に起こされてしまったり、夜の睡眠時間に煌々と電気がついていたり、遅くまでテレビの音などがすると猫の生活リズムがくるってしまいます。
猫が休んでいるときにはできるだけそっとしておいてあげましょう。

 

猫の健康維持と睡眠

寝れない猫は病気があるのかもしれません

猫はストレスを感じやすく、ストレスが体調不良の原因になることがあります。
特発性膀胱炎、舐性皮膚炎などはストレスから起こることが多いとされています。他にも、ストレスがかかり抵抗力が落ちることから自分の体を守れなくなり感染が起こりやすくなったり、様々な病気の原因の一つになることがあるといわれています。
寝ていると起こされたり、環境中の音などで安眠妨害されるなどで睡眠時間を十分にとれなかったり、睡眠の質が悪いと徐々に体調不良が起こり健康被害が起こる可能性が高くなります。
また、猫の寝ている姿勢で体調の良し悪しがわかることもあります。
横になり手足をだらんと投げ出すように寝ているときには、体調が良いことが多いです。
箱座りといって、足を折り曲げ箱のように見える体勢で寝ているときには、体調があまり良くないことが多いです。
このように寝ている姿勢もよく見てあげましょう。

猫の睡眠の妨げとなることとは

  • 騒音
  • 寝ている最中にわざと起こされる
  • 同居動物がちょっかいをかける
  • 暑すぎる、寒すぎるなど温度が不適切

など

猫の睡眠時間を確保するために飼い主さんができること

まず、猫の睡眠時間は人よりも長いことや猫の活動時間帯は早朝や夕暮れ時で活動時間は想像以上に短いことなどを飼い主様が理解する必要があります。
猫の毎日を見ていると「寝てばかり」と思ってしまいますが、眠りが浅いために体力を回復させるためには長時間寝る必要があるのです。
また、猫には落ち着いて眠ることができる場所が必要です。

  • 快適な温度
  • 高いところ
  • 薄暗いところ
  • 少し狭いところ
  • 安心できる場所

このような場所を好みます。温度は大体21~23度が適温のようです。数匹の猫が集まって寝ていたり、飼い主様のそばや膝の上で寝ていることも多いですが、
守られるという意味合いで安心できる場所なのだと思われます。

猫の睡眠は人の睡眠とは異なり、浅い眠りのレム睡眠が長く深い眠りのノンレム睡眠が短いという特徴があります。また、浅い眠りが長いため睡眠時間を長くとり体力の回復を行います。

外敵から身を守るために少しの刺激で目が覚めるレム睡眠のほうが長くなったと考えられます。
十分な睡眠をとらなければストレスがかかり体調に問題が出てしまうこともしばしばあります。質の良い睡眠がとれるように寝ている猫はそっとしておいてあげましょう。

 
 

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