2017年8月13日更新

犬の耳掃除。自宅できる?動物病院に連れて行くべき犬の耳の症状は?【獣医師が解説】

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家で耳掃除をしたいけれどどこまで掃除をしたらいいのかわからない。急に動かれると怖い。嫌がって耳掃除ができない。こんな声をよく聞きます。確かに家での耳掃除は難しい面がありますが、
耳道の形とどこまで掃除をすればよいのかを知れば、家で耳掃除ができるようになるかもしれません。

 

犬の耳のタイプ

垂れ耳

ミニチュアダックスフント、ビーグル、レトリバー などが代表的な犬種です。
耳が垂れているので耳が汚れやすく外耳炎になりやすい耳の形です。

折れ耳

シェルティ、ジャックラッセル・テリア、ミニチュア・シュナウザー などが代表的な犬種です。
耳が半分垂れているので耳が汚れやすく外耳炎になりやすい耳の形です。

立ち耳

柴犬、フレンチブルドッグ、ボストンテリア などが代表的な犬種です。
耳が立っているため湿度がこもりにくく比較的外耳炎が少ない犬種です。

耳掃除の仕方は、綿棒やコットン、ティッシュペーパーなどを用いて耳垢を除いていきます。耳の皮膚はデリケートなので、あまりこすりすぎると皮膚を傷め出血します。
イヤークリーナーも耳垢を浮かせて取り除きやすくなりますので利用してもよいと思います。
犬の耳の穴はまっすぐではなく、L字型になっています。耳道が途中からほぼ90度曲がり、一番奥が鼓膜になっています。綿棒を縦にして真直ぐ垂直方向に耳掃除をしていても鼓膜に当たることはありませんが、綿棒を横向きにして水平方向に耳掃除すると最悪の場合鼓膜に当たります。

外耳炎になっていない耳ならば頻繁に耳掃除を行わなくてもよく、2~3日に1回程度チェックしてください。

耳道に毛が生える犬種(プードル、シー・ズー、ミニチュア・シュナウザー など)は、耳の毛を抜く必要があります。毛が密に生えるので、耳の奥で細菌繁殖しやすくなり外耳炎になりやすいことと、
毛があることで耳掃除がしにくいので不潔になりやすくなります。

犬の耳掃除とは

何を掃除する?

外耳炎がない場合でも少し油のような汚れは出るものです。黒色、茶色、黄色、べたべたした耳垢、膿のような耳だれ、かさぶたのような耳垢などは異常な耳垢です。

散歩などの外でついた汚れの場合はその時だけの汚れですので、一度落とせばなくなります。体の中から排泄された耳垢の場合は2~3日経つとまた同じようなものが出ます。

 

自宅できる耳掃除

自宅でどんな耳掃除をするのが良いか?

耳垢は耳の奥でできたものが外へと送り出されるように出てきます。そのような耳の機能がしっかり働いていると、奥の方の汚れを無理に取ろうとしなくても手の届く手前の方の汚れを取り除くことで十分耳掃除はできます。

きれいにしようと綿棒で強くこすりすぎるとかえって耳の皮膚に傷が入り炎症が起こります。
2~3日に1回程度、優しく拭くようにしてください。

こんな症状があったら獣医師へ

こんな症状があった場合はすぐ、獣医師に診断をしてもらいましょう。

  • 頭を振っている
  • 頭を傾けている
  • 足でしきりに頭を掻く
  • 耳が臭う
  • 耳だれが出る
  • 血が出た
  • 耳垢が固まって取れない
  • 耳を痛がる

など

耳掃除の危険性

耳掃除のやり方が危険

耳掃除でしないほうがいい危険な方法です。注意しましょう。

  • 硬い綿棒
  • 刺激の強い洗浄液の使い過ぎ
  • こすりすぎ
  • 保定が不安定で犬が急に動く
  • 綿棒を奥まで入れすぎる

耳掃除の期間が不適切な場合

毎日耳掃除を行うと、デリケートな耳の皮膚を傷つけます。
また、強くやりすぎるのもよくありません。耳の皮膚には少量の油の膜があり耳を保護しています。
毎日耳掃除をやりすぎるとこのような保護膜も取れてしまいかえってコンディションが悪くなります。

獣医師でするべき耳掃除

動物病院では鼓膜付近まで耳鏡という検査機器でしっかり確認します。この検査を行うことで見えない部分の耳垢の付着状態、ポリープの有無、発赤の程度などを観察します。
イヤークリーナーで耳垢を浮かしながら耳掃除をおこないます。炎症がひどい場合は鼓膜が破れている可能性もありますので、耳に液体を入れるのは危険ですからよく観察してから行います。
耳の中をモニターカメラで映し出しながら耳道の耳垢を除去していく場合もありますが、鎮静が必要になります。

耳の病気

中耳炎

中耳は鼓膜の奥のことで、鼓膜・耳小骨・時間・耳腔が中耳にあたります。この部分に細菌が感染し炎症や痛みが起こることを中耳炎と言います。
急性と慢性があり、急性のほうが痛みが激しく熱が出たりします。治るのに時間がかかり、数か月かかることもあります。

外耳炎

外耳は鼓膜より出口側で、耳道・耳介がこれに当たります。このような外耳の部分に細菌やマラセチアが感染し痒み、痛み、熱感を伴います。
初期は痛みよリ痒みがあり、違和感から頭を振ったり、しきりに痒がり掻きます。症状がひどくなると痛みが出るため触ろうとすると怒るようになります。

外耳炎は動物病院に通う理由の中でもトップ3に入ります。犬の耳はデリケートで一度トラブルを起こすと再発する確率が非常に高いといわれています。
耳のチェックは定期的に行い、お掃除は力を入れずこすらず軽くやりましょう。
頭を振る、頭を手足でこする、耳の後ろに毛玉ができている、耳の後ろの毛が薄くなっているのは耳が痒い証拠です。早めに受診しましょう。

 
 

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