2017年8月22日更新

十猫十色。猫の性格はどんなことで決まってくるの?

NEKOCLIP



ペットシッター、愛玩動物飼養管理士2級

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。

 

わが家には4匹の猫がいますがその性格は実にさまざまです。甘えん坊、怒りん坊、大らか、繊細、まさに十人十色。どうしてそれほど性格にバリエーションがあるのでしょう。性格って何で決まるのでしょうか。

 

猫の性格のバリエーション

猫に限ったことではありませんが、基本的に家畜動物は、人間の保護下にあるために野生動物よりもいろいろな面で個体差が大きくなります。自然界の淘汰圧がかからないためです。性格も個体差の1つ。野生であれば極端な性格は淘汰されますが、家畜だったら生き残れます(人と共存できないほど攻撃的な性格は別として)。それが猫の性格が幅広い理由の1つでしょう。
猫の性格については以前から研究がなされていて、最近では猫には「神経質skittishness」、「社交的outgoingness」、「支配的dominance」「自発的spontaneity」、「友好的friendliness」という5つの性格傾向があるという報告があります。ただしこれらはあくまで傾向です。人もそうですが、同じ猫でもいろいろな面があるわけで、性格の評価はなかなか科学的に検証しにくいものでもあります。

性格はどうやって形成される?「先天的」要素と「後天的」要素

性格は、先天的な要素に後天的な要素が加わって形成されます。先天的な要素とは、遺伝、体質、気質です。遺伝はDNAによって決まってくる先天的な(両親から受け継いだ)遺伝情報、体質は、遺伝情報によって規定される生まれつきの体の性質や機能のことです。気質は、体質をもとに現れる行動や感情パターンと考えられます。
一方後天的な要素とは、生まれ育ちのこと。周囲の環境や飼い主さん、他の猫あるいは他の動物との関係性の中でなされた学習が性格に影響します。

 

品種は性格に関わるか?

人が人工的に交配してつくられる猫の品種には当然遺伝が強く関係しており、性格の先天的な要素の1つとしてよいでしょう。例えば短毛種は活発でやんちゃ、長毛種はおっとり大らかという傾向がありますし、ベンガルやアビシニアンは野生種の性質が色濃く活動的で好奇心旺盛、ペルシャやラグドールは穏やかで従順という特徴があります。一方で猫の品種改良の目的は犬とは異なり、基本的に愛玩目的だけなので(犬は狩猟や探知、介護など目的が多様)、犬ほどは品種による性格の違いは大きくないと考えられます。

毛色は性格に関わるか?

毛色で性格がわかるというのは昔からよくいわれていて研究もされていますが、実は具体的に遺伝子の何が性格を決めているのかまだよくわかっていませんし、毛色が何色ならこんな性格、というのも研究者によってまちまちです。
よくいわれているのは「白い部分が大きいほど繊細」というもの。また、キジトラは原種猫の毛色と同じであるため野生味があって用心深く、ほとんどメスしかいない三毛は、わがままで女王様気質との説もあります。最近では毛色と攻撃性の有無に相関関係があり、三毛猫、サビ猫、黒白猫は攻撃性が強く、白猫や黒猫はあまり攻撃性が見られないとの研究が報告されています。しかしどの研究も手法や評価方法に異論がでていて、定説には至っていません。
毛色と性格はもしかしたら関連性があるかもしれないけれど、まだまだ科学的な証明はできていないというのが現状です。

性格を決めるのは後天的な要素が強い

先天的な要素が性格の素地であるとしても、総合的に見て性格には社会化期の後天的な影響が大きいと考えられます。この時期に他の猫や人に会う経験が多ければ、大人になっても人や猫と友好的な関係を築けます。また、社会化期に十分に母猫と過ごしたかどうかも重要となります。母親が側にいることで安定するからでしょう、子猫は未知のものに対してもあまり恐怖心を感じなくなるそうです。つまり母猫と早く別れさせてしまうと、怖がり屋さんになる可能性が高い、ということです。子猫は社会化期まで親兄弟と離さず育てたほうが、また人と関わる機会を増やしたほうが社交的で大らかな性格になるようです。

まとめ

人と同じく、猫の性格形成には育て方が大きく関わります。神経質な子に対して人も神経質になったり、騒がしい環境におけば猫はより神経質になります。反対に人が穏やかに接し、静かな環境を整えてあげれば、少しずつでも穏やかになるでしょう。飼い猫は自分で育ちを決められません。猫が楽しいにゃん生を送れるよう、人もできるだけサポートしてあげたいものです。

 
 

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