2017年9月1日更新

災害時の猫との避難。いざというとき役立つ備えとは?

NEKOCLIP



ペットシッター、愛玩動物飼養管理士2級

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。

 

地震にしろ大雨にしろ、日本に住む限り災害は他人事ではありません。実際に被災した時、大切な愛猫を守るために私たちはどう行動すべきなのでしょう。どのようなものが必要となるのでしょう。具体的にご紹介します。

 

避難の現状

東日本大震災の教訓によって、動物愛護管理法の第6条「動物愛護管理推進計画」に「災害時における動物の適正な飼育及び保管を図るための施策に関する事項」という項目が新設されました。さらに環境省より交付された「災害時における救護対策ガイドライン」でペットとの同行避難対策を進めることが提唱され、避難所での受け入れ対応は以前より良くなってきています。しかし一方で対策は自治体に任されているため、都道府県によってかなり差があるといえます。自分の属する自治体がペットの同行避難についてどのような対策を講じているか一度確認しておきましょう。被災してすぐの避難所は混乱していますし、人命が最優先。そのためになかなかペットのことを言い出しにくいのも事実です。愛猫の安全については自分でできるだけ対策を練る、という気構えも必要でしょう。

避難生活

福島の原発事故の時のように、すぐに帰れると思ったら封鎖されて帰れなくなり、たくさんの家畜やペットが取り残されて大変な事態となりました。まずいったんはペットと同行避難することが大事です。しかしその後は必ずしも避難所で一緒に生活する必要はありません。猫にとって別の場所に連れていかれることはかなりのストレス。しかも避難先では十分に環境が整っていない場合もあります。自宅が危険でなければ人と一緒に家に戻るか、人は避難所で寝起きして昼間は家で一緒にいる、といったことも視野に入れ、状況に合わせて選択してください。

避難所に一緒に連れていく場合は、ほとんどの場合ケージごと別のスペースに預けることになります。愛猫とずっと一緒にすごせる避難所はほとんどないと考えておいたほうがよいでしょう。また、避難所では動物が嫌いな人もいますので、あまり無理を通さず、お互い譲歩する気持ちも大切です。

 

災害対策で一番大事なことは、日ごろの安全対策

災害は思いもかけずやってくるもの。日ごろどれだけ安全対策を行っているかが重要となります。

室内の安全対策

家具の転倒防止、物の飛散防止などが大事なのは当然のこととして、猫のいる家庭で重要なことは「まずはいかに同行避難ができるか」です。災害時、猫は恐怖で部屋の隅やベッドの下に隠れてしまうでしょう。避難どころか捕まえることも困難となります。そこで次のような対策が必要です。

  • 家の中で猫が入り込めそうなところを確認しておく。
  • 手が届かないところはふさいでおく。
  • 人からも手が届き、猫が安心して逃げ込める安全な場所を何か所か用意、それがキャリーケースであればなお良い。
  • 暴れる猫を捕まえられるようバスタオル、皮手袋(作業用軍手)、洗濯ネットを普段から用意しておく。

予防接種、寄生虫対策、去勢・避妊

ワクチンの予防接種を受けていないと避難所で受け入れてくれない場合もありまし、互いの感染を防ぐためにも日ごろから予防接種と寄生虫予防はしておきましょう。また、外に逃げ出した猫が繁殖したり、避難所で発情して迷惑をかけないためにも、去勢・避妊は行いましょう。

迷子札、マイクロチップ

逃げ出した猫を探すのはとても大変です。迷子札か、できればマイクロチップを装着し、身元がすぐにわかるようにしましょう。

水、フードを多めに備蓄

猫の場合、捕まらなくてどうしても同行避難ができない可能性もあります。最悪の場合、水とフードがあれば数日間は生き延びてくれるはずです。逃げる際、できるだけたくさん置いていけるようにふだんから備蓄しておきましょう。また、被災してすぐは避難所でもペットフードは手に入りません。その意味でも備蓄があれば安心です。

携帯に愛猫の写真画像を保存

万一愛猫が脱走しても、写真がなくて探すことが難しくなるかもしれません。携帯に愛猫の最新の写真を保存しておくとよいでしょう。また、あらかじめ迷子猫チラシをつくって避難グッズに入れておいてもよいでしょう。

家族会議で決めておくこと

避難所の確認はもちろん、誰がどう猫を連れだすのか、誰が猫用品を持っていくのかあらかじめ決めておけば、いざというとき慌てなくてすみます。

あると役立つ防災グッズ

キャリーケース、キャリーカート

多頭飼いの場合、猫の同行避難は大変です。キャリーを頭数分用意し、さらにキャリーカートがあると便利です。フードや水、その他の猫用品も一緒に運べます。

簡易ケージ

ふつうのケージもよいですが、重くてなかなか持ち出しにくいものです。コンパクトにたためるテントのような簡易ケージが便利です。

簡易トイレ

簡易トイレはかなり小さく折りたためるビニール製のトイレで、複数個あってもかさばりません。

まとめ

災害対策は念入りであればあるほど、猫を安全に避難させてあげることができます。愛猫の命を守るためにもできるだけのことはしてあげたいものですね。