2017年9月19日更新

【ハムスターの飼い方】基本的な飼い方や注意点を獣医師が解説

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ハムスターはキヌゲネズミの様々な種類のことをさしています。1797年にアレクサンダー・ラッセルが記した本に、ハムスターの記録が初めて登場しました。ペットのハムスターの起源は1930年代にシリアのアレッポという都市の地下の巣穴で、ヘブライ大学のアハロニ氏が捕獲した親子だといわれています。野生のハムスターはその後ほぼ見つかっておらず絶滅が危惧されています。ペットとしてのハムスターが広がってからは、様々な毛色のハムスターが出回り子供たちの人気者になりました。

 

ハムスターとはどんな生き物か?

食べ物

ハムスターは穀類や草木の種、昆虫などを食べます。食べ物はその場で食べることもありますが、基本的に口の内側のほほにある頬袋の中に溜め込み巣に運び、巣の中で吐き出し保存します。普段は草木の種や実を食べますが、繁殖期前や子育て中はたんぱく質不足が共食いなどの原因になりますので、ミルワームやいりこなどのたんぱく質を与える必要があります。 歯は切歯が上下に2本ずつ、奥に臼歯が上下に6本ずつ、全部で16本あります。切歯は濃いオレンジ色で一生延び続けます。この歯は硬いものをかじることで磨り減りますが、ペレットなどはハムスターにとってやわらかいので切歯が長くなりがちになります。

体臭

ハムスターの体臭はそれほど強くなく、においの原因は尿臭であることがほとんどです。
ハムスターは臭腺があり、ゴールデンハムスターは両脇、ドワーフハムスターはお腹の中心辺りに持ちます。少々においますが、強いにおいの原因にはあまりなりません。

適正温度

ハムスターの理想的な環境温度は20~26度、湿度は40~60%で5度前後の低音環境では冬眠してしまうことが多いので、暑さにも寒さにも湿度にも気をつける必要があります。冬眠に陥ると、体力を消耗したり、そのまま死亡する事もあるので冬眠させてはいけません。

特徴

脊椎は頚椎が7個、胸椎が13個、腰椎が7個、尾椎が15個あります。
指は前足に4本、後足に5本あります。
歯は切歯が上下に2本ずつ、奥に臼歯が上下に6本ずつ、全部で16本あります。切歯は濃いオレンジ色で一生延び続けます。
胃は前胃と後胃の2つあり、原則的に嘔吐はしません。
大きく発達した盲腸があります。
口の中の頬の部分に薄い膜の頬袋があり、えさを溜め込み運びます。
食糞をしてビタミンBとたんぱく質を補給しています。
冬気温が下がり5度前後になると冬眠に入ってしまいます。そのまま亡くなってしまうこともありますので、冬眠はさせないように保温に注意しましょう。

知能

飼主さんの認識はできていますが、言葉は理解できていないようすです。

鳴き声

ハムスターは普段鳴きませんが、警戒しているときや威嚇するときには「キュッキュッ」「ジジジ」のような声を出します。
このような声を出しているときに無理に触ろうとするとかまれることもありますので気をつけましょう。

発情

ハムスターは生後50日ぐらいで性成熟、つまり子供を産めるようになります。メスの発情4~5日間隔で繰り返され、1年中繁殖可能です。
発情期に排卵を行うと陰部から黄色い膿のようなものが分泌されます。これは膿ではありませんので間違えないようにしましょう。
繁殖を行う場合は、オスのケージにメスを入れるようにしましょう。交尾が終わったらすぐにメスをケージから出し、膣栓の有無を確認し雄雌は必ず分けます。
妊娠期間は、20日前後です。
オスとメスが一緒にいるといつの間にかどんどん増えていってしまいます。飼うときには必ずオスとメスが一緒にならないように注意してください。

ハムスターの飼い方

必要なグッズ

  • ハムスターケージ
  • 給水器
  • 餌箱
  • トイレ
  • 隠れ家
  • 保温用マット
  • 専用フード
  • 床材

ハムスターケージは金網タイプ、水槽タイプなどがありますがそれぞれメリットデメリットがあります。
金網製は丈夫ですが、隙間に足を挟んで骨折や脱臼をすることがあります。また、金網をかじり歯並びが悪くなる原因にもなります。高さのあるケージの場合天井にぶら下がり落下してしまい、骨折することもありますので注意しましょう。水槽の場合は保温効果が高く、事故などの問題は少ないのですが、湿度が高くなり排泄物の臭いが強くなったり、温度や湿度の調節が難しくなります。

床材は、木製チップ、コーンチップ、乾燥牧草、紙製チップなど様々なものがあります。木製の場合はアレルギーを起こしやすい素材もあるのでアレルギーを起こしにくい素材を選ぶようにしてあげてください。

住環境

ケージの中に必要なもの

  • 床材
  • 巣穴(トンネル)
  • トイレ
  • 回し車

こんな場所には置かないようにしましょう

  • 落ち着かない場所
  • エアコンの風が当たる場所
  • 直射日光が当たる場所
  • ほかの動物に狙われやすい場所 など

理想的な温度・湿度

  • 環境温度:20~26度
  • 湿度:40~60%

食生活

基本的にハムスター用ペレットを中心に種子類や野菜などを給餌しましょう。ペレットや種子類は常に容器に入れるようにし、野菜類はしおれてしまうために時間を決めて与えるようにします。朝~昼は寝ていることが多いので、活動が始まる夕方から入れるほうがよいでしょう。
ハムスターは好物のものを頬袋に溜め込み巣に運ぶので、正確にどの程度食べているのかは確認が難しくなります。
ペレット中心の食事の場合は栄養不足はおきにくいが、タンパク量が不足してしまうと皮膚病や脱毛が起こる可能性があるので種子やおやつが中心になっている場合は注意が必要です。

しつけ

ハムスターのしつけや噛み癖の矯正は困難です。急に触る、眠い時間に触るなどで驚いて噛んでしまう場合もありますので、噛むことが多い場合は障り方や時間も気をつけてみましょう。

接し方

上から急に触る、眠い時間に触るなどは驚かせてしまいます。声を掛けてすくい上げるようにしましょう。
寝ている時間帯にどうしても触る必要があるときにはケージを軽くたたく、声を掛けるなどして起こしてから触りましょう。

ストレス解消方法

ハムスターは想像以上に活動量が多く、野生下では1日に7~13時間歩行し、移動距離は11.5~21.1kmにも及びます。あまり運動しないとストレスがたまりますので、回し車などを入れてしっかり運動させてあげましょう。夜間、回し車が回る音が気になる方もいらっしゃると思いますが、音があまりしないタイプもありますのでしっかり選んであげましょう。

お手入れ方法

ケージ内の掃除はこまめにしましょう。できればケージは2つ用意し掃除をしたら日光消毒をすることを心がけましょう。
ハムスターは体が小さいので濡れてしまうと体温が下がってしまいますので、シャンプーは必要ありません。どうしても汚れている部分が気になるならば、部分的に拭いてください。
爪は長くなるのでチェックして長ければきりましょう。
切る時に気をつけてほしいのが指を切らないようにすることです。赤ちゃん用のはさみタイプの爪きりがやりやすいと思います。爪をいきなり切るのではなく、爪をはさみでいったん挟み固定してから切りましょう。

 

ハムスター飼育の注意点

ハムスターがいつもより臭う時

ハムスターの臭いの原因になるのは「尿の臭い」か「食べ残しの腐敗」です。
ハムスター自体の体臭はそれほどありません。
排尿場所はケージの隅で大体場所を決めますので、トイレを設置しましょう。トイレの掃除をこまめにすることで尿臭はかなり抑えることができます。
ケージやトイレの掃除は熱湯を使い日光に当てることで軽減します。
小屋の中に食べ残しがありカビが生えたり、食べ残しが腐敗するとにおいますので小屋の中も確認し掃除しましょう。

脱走

ハムスターは隙間があったり、ケージのふたのしまりが悪いと押し上げて脱走してしまいます。
脱走すると家具の隙間に入り出てこれなくなったり、ケージを住処にせず家を住処にしてしまいます。
探すことも困難になります。
家具と家具の隙間はふさぎ裏に入らせないようにすることが大切です。

暑さ寒さに注意

ハムスターは暑さも苦手、寒くなって冬眠してしまうことも良くありません。
夏場の暑さはエアコンで調節しましょう。理想環境温度は20~26度、湿度は40~60%です。凍らせたペットボトルを利用する方法もありますが、その際は絶対にケージの上に置かないでください。
雫がたれてケージ内が水浸しになります。
寒さはペットヒーターを利用してください。ペットヒータはケージ内にいれずにケージの下から暖めるようにしましょう。ペットヒーターやコードをかじると危険なので気をつけましょう。

診察する獣医が少ない

エキゾチックの診察をしない動物病院もあります。ハムスターをお迎えする前に近くに診察をする病院があるかどうかの確認をしておきましょう。
遠距離の移動はストレスになりますし、体調の悪いときに長時間移動するとさらに体調悪化させるかもしれません。

ハムスターの種類とは

何で区別されるのか

ハムスターはネズミ目キヌゲネズミ科に属し、ゴールデンハムスターはゴールデンハムスター属、ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターはヒメキヌゲネズミ属に属します。

ハムスターの人気の種類

ゴールデンハムスター

性格

ハムスターの中では性格が温和で人に慣れます。

特徴

  • 胴長:16.0~18.5cm
  • 体重:130~210g
  • 尾長:2.1~2.85cm
  • 足の裏に毛が生えていません。

 

色や柄

  • ノーマル
  • ノーマル茶白
  • キンクマ
  • グレー
  • ブラック
  • ホワイト
  • アルビノ
  • イエロー
  • バンデット
  • ダルメシアン
  • サテン
  • レックス

性格

人になれやすく初心者でも飼いやすい種類です。噛み癖がある固体もありますので注意してください。

特徴

  • 胴長:7.0~12.0cm
  • 体重:30~45g
  • 尾長:0.7~1.0cm
  • 足の裏に毛が生えています

色や柄

  • ノーマル
  • サファイア
  • パール
  • プディング
  • パール
  • パイド

キンクマハムスター

性格

ハムスターの中では性格が温和で人に慣れます。

特徴

  • 胴長:16.0~18.5cm
  • 体重:130~210g
  • 尾長:2.1~2.85cm
  • 足の裏に毛が生えていません。

ゴールデンハムスターの中で、毛色が肌色~アプリコット色のものをキンクマハムスターといいます

ロボロフスキーハムスター

性格

臆病で神経質な性格で、人に慣れにくいです。

特徴

頭部が大きく2頭身で、敏捷性に優れ、動きがすばやいです。

  • 胴長:9.0~12.0cm
  • 体重:30~40g
  • 尾長:2.8~3.1cm

色・柄

  • ノーマル
  • シルバー
  • ホワイト
  • ホワイトフェイス

飼育の注意点

暑い環境、寒い環境が苦手です。最適温度、最適湿度をできるだけ整えることが健康で長生きにつながります。
脱走してしまうと見つかりにくく、最悪の場合狭い場所に入り込み出られなくなり命を落とすこともあります。脱走されないようにケージの蓋はしっかり閉めるようにしましょう。
また、家具の隙間はないように、隙間にもぐりこめないように気を付けてください。
脱走したときに、カーテンに登り降りられない、高さの感覚がなくて落下してしまうことがあります。骨折の原因になることが多々ありますので十分気を付けてください。
動きの素早いロボロフスキーは捕まえられなくなることがありますので、部屋に出すときには囲いを作りその範囲内にしたり、掃除の時には先にプラ水槽などに移してから行いましょう。

かかりやすい病気

ウエットテイル

ハムスターの腸炎症状はウエットテイルと呼ばれ、肛門、陰部、しっぽの被毛が下痢で濡れる状態を言います。下痢は連鎖的に食欲不振、体重減少を引き起こし、脱水症状を起こしてしまいます。数日以内に亡くなることもあるのでハムスターの下痢は絶対に様子を見てはいけません。

寄生虫

寄生虫には外部寄生虫と内部寄生虫がいます。
外部寄生虫で要注意なのが、アカラスです。目の周囲などがだんだん脱毛してくる場合には検査をしたほうがよいでしょう。内部寄生虫でよくあるのが、小型条虫、蟯虫、原虫(トリコモナス、コクシジウム、ジアルジア、アメーバなど)です。下痢の原因になるだけでなく、食欲不振や削痩を引き起こしますので原因を特定して駆虫しましょう。

腫瘍

ハムスターは体表の腫瘍が多発します。肥満細胞腫、扁平上皮癌、アポクリン腺癌、皮脂腺腫などが多く発生します。

不正咬合

ケージをかじったりすることで、歯の生える方向が変わってしまったり、歯のかみ合わせが悪くなり、歯が削れなくなり伸びすぎてしまった状態になります。このような状態になると食べることができずにやせ細り健康状態が悪化してしまいます。

頬袋脱

頬袋の炎症や感染、腫瘍、頬袋をけん引している筋肉の損傷などが原因になり、頬袋が反転し口の外に出てしまうことがあります。口の外に出てしまうと浮腫や水腫、嚢腫のように変化し餌を食べることができなくなります。

骨折、脱臼

ケージの隙間に足を挟んでしまったり、高いところから落下することで起こる症状です。
手術をする場合もあります。自分で足をかじってしまうこともありますので足を気にしているようであれば注意してください。

マイボーム腺腫

まつ毛の毛根部に細菌感染が起こるとマイボーム腺が炎症を起こし、分泌物が蓄積してしまうことがあります。眼瞼や結膜部に白色を帯びた脂肪の塊のような腫瘤ができ、結膜炎や涙目になることがあります。

寿命

平均2~3歳が寿命です

 

まとめ

ハムスターは愛らしいしぐさで人気があります。室温や湿度をしっかり管理し、栄養が偏ってしまう種子中心の食事ではなくペレット中心の食事にすることでさらに長生きすることができるでしょう。
また、金網タイプのケージは通気性が良い反面、落下事故や隙間に足を挟むことで骨折することがあります。ケージ選びの際にはメリット・デメリットがありますので十分検討したうえで購入しましょう。
室温、食事、住居などの環境をできるだけハムスターに適した状態に整えてあげることで元気に長生きを目指しましょう。