2017年9月17日更新

【インコの飼い方】基本的な飼い方や注意点を獣医師が解説

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インコは人気があり比較的飼いやすい鳥です。きれいな羽色の鳥たちが多く、言葉を覚えて話しかけてくる姿に魅了されます。
しかし、もともと鳥たちは弱みを見せないように体調の悪さを隠す傾向があり、気づいたときにはかなり重症になっていることもしばしばです。
環境や餌の選び方、気を付けたいことなど鳥を飼う上で大切なことをお伝えしていきます。

 

インコとはどんな生き物か?

インコの生態

インコには多くの種類があり、種類によって原産国が異なります。セキセイインコやオカメインコはオーストラリア、コザクラインコはアフリカのナミビア共和国周辺など様々です。このようなインコのほとんどはもともと野鳥で、捕獲された鳥がペットとして広まったといわれています。ペットとしての歴史は約200年ほどです。その後品種改良がおこなわれ様々な羽色のインコが誕生しました。日本に輸入されたのは江戸時代~明治時代ごろからとされています。
特にセキセイインコの羽色や模様の種類は非常に多くそのバリエーションは5000種類以上もあります。

インコとオウムの見分け方

インコとオウムは似たように見えますが実は全く異なる種類です。どこで見分ければよいのでしょうか?

  • 冠羽:冠羽とは頭の上についた飾りのような羽のことです。インコ科の鳥には冠羽がありませんが、オウム科の鳥には冠羽があります。オカメインコやモモイロインコは冠羽があるのでインコではなくオウムです。紛らわしいので注意してください。
  • おしゃべり:インコもオウムもよくおしゃべりをしますがインコのほうがオウムより言葉をよく覚え、明瞭に発音する傾向があります。
  • 種類:オウムは約20種類、インコは約300種類います。インコのほうがはるかに種類が多いのも特徴です。

体臭

鳥にも体臭があります。普段と変わらなければ問題ありませんが、この臭いが変わったり、強くなったりすると病気にかかっている可能性があります。
糞から臭う場合と、そ嚢のトラブルで口がにおう場合など様々な原因があります。鳥の体調はすぐ変わりますので早急に病院に行く必要があります。

適正温度

鳥の理想的な環境温度は25~30度以上です(最低20度以上)。しかし、病鳥では、体重や栄養状態にもよりますが、29.4~32.2度の環境温度が必要になります。
真夏は熱中症や熱射病が起こるため、エアコンを付けるなどしたほうがよいでしょう。健康な鳥ならば、32度を超えると両方の翼を広げ、浅い呼吸をすることで体温を下げようとする動作が見られるようになります。

食べ物

もともとインコは野生動物で自然界にある食べることができるもの、自分たちの食性にあっているものを見つけて食べてきました。
食べるものは鳥の種類によって異なりますが、主に木の実や種などを食べています。それ以外にも虫なども食べています。
鳥は、飛ぶためにできるだけ体重を軽くしておく必要があり、食いだめはしません。1回の採食量は一般的に体重の約10%と言われています。

知能

言葉はよく覚え、一般的にオスのほうがよくおしゃべりをしたり歌を歌ったりします。
飼い主の認識や周囲の環境の変化などの認識は可能です。人の言葉は同じ場面の繰り返しから理解できるようになる可能性はあります。
鳥の知能は一般的に2歳児レベルと言われていますので長すぎる文章、複雑な言葉は難しいかもしれません。

鳴き声

鳥によって鳴き方は異なり、小さな鳥ほど声が高く鳴き声がきれいな傾向があります。鳥が大型になると声帯も大きく太くなるために低い声になります。
鳴き声もいつも同じではなく、「ピピピピ」「ピーピー」「グジュグジュ」「ギャギャギャギャ」など様々な鳴き方で、警戒や威嚇などを表現しています。
オス鳥はメスを呼ぶために鳴いたり、縄張りの主張のために鳴きます。そのために、人と暮らすようになっても覚えた言葉や歌を口に出す可能性が高いと思われます。
インコの中でも大きな鳥になればなるほど一般的に知能が高いといわれ、言葉の内容をシチュエーションにあわせているのではないかと思われる場面が増えます。

発情

  • 通常より太る
  • 床に胸を付けてお尻を高くする
  • 他の鳥の背中に乗ろうとする
  • 攻撃的になる
  • 飼い主やお気に入りのおもちゃなどにすり寄る
  • 吐き戻しする
  • 水をたくさん飲む
  • 水分過多便
  • 無精卵を産む

インコの飼い方

必要なグッズ

  • 鳥かご
  • 餌入れ
  • 水入れ
  • 菜入れ
  • 止まり木
  • ひよこ電球
  • 水浴び用の容器

など

住環境

  • 餌入れ
  • 水入れ
  • 菜入れ
  • 止まり木

鳥かごの置き場所は、次のような場所は不向きです。

  • 窓際
  • 落ち着かない場所
  • 床や低い場所
  • 薄暗い場所
  • 気温の変動が多い場所
  • 湿気の多い場所
  • 外敵に狙われやすい場所
  • ほかの動物が同居している場合は同じ部屋

鳥は温度管理が非常に大切です。適温は25~30度位です。

食生活

餌は殻付きやペレットをお勧めします。特に殻付きの場合は剥いた殻が餌箱の中に入ったままになると減っていないように見えます。
毎日確認して殻は息を吹きかけて飛ばすなどして、まだあると勘違いしないようにしましょう。
毎日水は取り替えて不潔にならないようにしてください。
ペレットの場合は水をあげれば鳥に必要な栄養素は満たされますが、殻付きの場合は栄養不足になることもあります。
ボレー粉やカトルボーン、塩土、新鮮な青菜などは切らさないようにしましょう。青菜はなんでもよいわけではなく「小松菜」「チンゲン菜」など緑の濃いものが向きます。
白菜など緑の薄い野菜は水分は多いのですが、栄養豊富ではないので不向きです。

接し方

鳥の「発情過多」「産卵過多」で体調を崩してしまうことがあります。じつは、過剰に接することや知らない間に発情刺激を送ってしまっていることがあるのです。
時間を決めて遊んだり放鳥すること、背中をなでたり、とんとんしたりしないことも大切です。構いすぎや背中への刺激が発情を起こしてしまうことがあります。
また、発情は明るい時間が長すぎることも原因になります。蛍光灯の光も影響しますので、時間を決めて「お休みカーテン」などで蛍光灯の明かりが入らないようにし早めに寝かせてあげましょう。
言葉は同じ言葉を繰り返し聞かせることでだんだん覚えます。長い文章や、早口は覚えにくくなりますので短い文章で、ゆっくり話しかけましょう。
手乗りはヒナの時から手に慣れさせることが大切です。自然に手に乗ってくるように仕向け、強制的につかむなどはやめましょう。

ストレス解消方法

おもちゃの選択と、発情過多には関連性があります。
鳥の形をまねたものや鏡は求愛行動の対象になるので避けたほうがよいです。
木製のおもちゃやロープでできたおもちゃ、大型のインコには知育玩具のようなものも発売されています。
小型の鳥でおもちゃを壊してしまうことはあまりありませんが、大型の鳥のくちばしの力は相当強いので丈夫なおもちゃを選んでください。
飲み込んでしまうことはめったにありませんが、素材にペンキなどの塗料が使われているものは中毒の原因になります。
また、鈴など金属製のおもちゃの中には中毒の原因になるものが使われている場合がありますので与えないほうがよいでしょう。
鳥のストレ解消法は自由に飛び回ることです。時間を決めてお部屋の中を飛ばしてあげましょう。危険なものはあらかじめ片付けておいてください。

お手入れ方法

掃除は毎日行いましょう。
かごを2個用意し掃除をしたときに日光消毒できれば理想的です。爪は伸びすぎるとうまく止まり木に止まれなくなるので定期的に切ってあげましょう。
爪が白い場合は爪の根元の薄いピンク色のところは血管と神経がきていますので切ると血が出るだけでなく痛みを伴います。
爪が黒い場合は血管が見えないので少しづつ様子を見ながら切ってください。
万が一血が出た場合は、クイックストップで止血します。(線香で焼く方もいらっしゃいますがお勧めしません。)
羽も切る場合がありますが、風切羽を切ります。切りすぎると、飛んだ時に墜落しますので適度に切ってください。
爪切りや羽切りは動物病院でやってもらえますので、問い合わせてみてください。

 

インコ飼育の注意点

  • 温度管理が最重要です。適温は25~30度です。体調不良時は30~32度で管理してください。それ以上になると熱中症を起こすこともあります。
  • 良質の種子またはペレットを餌として与えてください。
  • 種子が餌の場合はボレー粉、塩土、カトルボーンなどをしっかり与えてください。
  • 落ち着かない場所、低い場所はかごの設置場所に向きません。

インコがいつもよりも臭いが強いと思ったら

下痢、ため糞、そ嚢炎の時にいつもよりも強いにおいがします。
ため糞の時には酸っぱい発酵臭、そ嚢炎の時には「クッキーのような臭い」など独特の臭いがしますので、
いつもと違うにおいがすると思った時には早めに受診してください。

脱走

まず、家から出てしまわないようにお掃除をするときやかごを開けるときには窓を閉めることと、ドアを閉めることをお願いします。
かごの扉は全開にしないで、隙間から手を出し入れするようにしましょう。
器用な鳥たちはかごの扉をくわえて、開けてしまいます。普段から扉を開けたりする場合にはこまめにクリップなどで止めるようにしてください。

暑さ寒さに注意

鳥たちは暑すぎや寒さに弱く、温度管理が重要になります。最適温度は人よりも高く30度くらいです。夏場のエアコンの設定温度には気を付けるようにしましょう。
人にあわせてしまうと鳥には寒すぎて体調を崩してしまいます。
また、極端に寒い時にはひよこ電球をつけたりかごにカバーをかけるなどして夏場より気を使う必要があります。
膨らんでいるようであれば体温を維持することが困難になっているサインですので、早急に保温しましょう。

診察する獣医が少ない

エキゾチックの診察をする獣医師は意外と少ないのが現状です。特に体調を崩してしまった鳥たちは長時間移動させることでさらに体調が悪化してしまい亡くなることもあります。
鳥をお迎えする前に必ず近隣に鳥の診察を行う動物病院があるかを確認するようにしてください。

かかりやすい病気

下痢

大腸菌、サルモネラなどの感染により腸炎が起こります。食欲不振や下痢が見られ、ストレスや寄生虫や真菌感染などが併発すると悪化します。

寄生虫

寄生虫には内部寄生虫と外部寄生虫があります。内部寄生虫の代表は回虫や蟯虫、条虫、コクシジウム、ジアルジアなどで、下痢の原因になったり多数寄生では腸閉塞の原因になることもあります。
外部寄生虫はワクモやトリサシダニ、ハジラミなどがみられ痒みから羽を抜いてしまったり、皮膚を噛んだりします。

マクロラブダス(メガバクテリア)

真菌であるマクロラブダスの感染症で、セキセイインコに多発します。感染部位は腺胃と筋胃の中間周囲です。鳥の年齢や免疫力によっても発症の程度が異なります。全く無症状の鳥もいますが、発症すると食欲不振、嘔吐、未消化の便、軟便や下痢、メレナ(真っ黒のべたべたした便)などの消化器症状を起こします。体重が減り、削痩する鳥もいます。

そ嚢炎

そ嚢炎の原因は細菌や真菌感染、トリコモナスなどの寄生虫感染です。ヒナでは挿しえの過剰、そ嚢内に停滞した餌の腐敗などが原因になります。嘔吐が特徴的な症状です。鳥の嘔吐は頭を振るので周りにそ嚢内容物が飛び散るので鳥の頭部や顔周辺の羽が汚れたり、かごの中に吐物が付着していることで発見されることもあります。

卵塞

過剰産卵や産卵異常から卵を自力で産めなくなり総排泄腔や卵管に詰めてしまう病気です。

精巣腫瘍

セキセイインコに好発します。片側の精巣の発生が多く、腫瘍化した精巣により腹部膨満、呼吸促拍、軟便や下痢などを起こします。精巣腫瘍は神経を圧迫し、びっこを引いたり、片足をあげる、止まり木に留まりにくいなどの症状が現れます。

痛風

脱水、高タンパク質の餌により高尿酸血症になると関節や内臓に尿酸が沈着し、関節痛風や内臓痛風が発症します。関節痛風では脚に黄色~白色の結節ができ、重篤になると脚が腫れ熱を持ち、痛みが出ます。内臓痛風では、嗜眠、食欲不振、体重減少、多飲多尿が起こります。

副鼻腔炎

細菌やウイルスが原因になりますがビタミンA不足も粘膜の免疫低下を引き起こし原因になります。くしゃみや鼻水が主な症状ですが、副鼻腔は目の下につながるので炎症が重度になると目の周囲が腫れてきます。

毛引き

皮膚炎や外傷、外部寄生虫、ストレスなどが原因になり自分の羽を抜いてしまうことがあります。セキセイインコ、オカメインコ、ボタンインコ、コザクラインコなどで見かけます。
あまりにもひどく毛引きをする場合には内服薬やネッカーなどをつけることもありますが、解決が難しいことが多いです。

以上鳥の病気のほんの一部ですが、よくあるものを集めました。
何かおかしいと思った時の参考にしてください。

インコの人気の種類

セキセイインコ

性格

非常に人になれる性格で人気があります。
言葉や歌もよく覚え、飼い主さんの真似をする鳥たちがたくさんいます。特にオスはよく覚えます。

特徴

  • 体長:18㎝
  • 体重:30~40g
  • 寿命:8~10年

羽色・柄

  • ノーマル
  • オパーリン
  • ハルクイン
  • ルチノー
  • ホワイト
  • レインボー
  • 梵天
  • 羽衣
  • 腹巻

原産国

オーストラリア

 

コザクラインコ

性格

声は大きく甲高いが人の言葉をまねすることは苦手です。性格は陽気で、意思表示がはっきりしています。
神経質で性格がきつく、噛んでくる個体が多いです。
番以外の複数の鳥との同居は避けたほうがよいです。
手乗りとして育てないと人の手に慣れることは期待できません。

特徴

  • 体長:17~18㎝
  • 体重:42~55g
  • 寿命:10~12年

羽色・柄

  • ノーマル
  • タイガーチェリー
  • シーグリーン
  • オパーリン
  • オレンジフェイス
  • ブルーチェリー
  • モーブ
  • ホワイト

 

原産国

アフリカ南西部ナミビア共和国の西部~アンゴラ共和国の南西部

オカメインコ

性格

性格は温和ですが神経質な面もあります。人に慣れ、飼い主には絶対的な信頼を寄せることが多いです。
人の言葉を話したり、歌ったりすることが得意な鳥もいます。

特徴

  • 体長:33~40㎝
  • 体重:80~90g
  • 寿命:10~15年

 

羽色・柄

  • ノーマル
  • ルチノー
  • パール
  • シナモン
  • シナモンパール
  • ホワイトフェイス
  • アルビノ
  • パイド
  • ファロー
  • シルバー
  • オリーブ
  • エメラルド

 

原産国

オーストラリア内陸地域

まとめ

鳥はきれいな羽色と、美しい歌声で私たちを癒してくれます。一方、我慢をし病気を隠してしまい、少々の体調の悪さは私たちに見せないようにします。鳥たちが目の前で羽を膨らませだるそうにしているならばよほどの事態です。鳥たちのことをしっかり知り、健康で長生きできるように手助けしていきたいものです。