猫を飼ってると、舌を出しっぱなしにしているのをよく見ます。なんとも愛嬌があって可愛らしいですが、乾かないのかな?と心配になってしまいますよね。単なるしまい忘れなのでしょうか?それとも病気?猫の舌のしまい忘れについて考えてみましょう。
あくびをした後に出しっぱなし
一番ありがちなのが、あくびをしたあと舌を出したまま口を閉じ、忘れてそのままでいること。わが家の猫もよくこのパターンで舌を出します。気持ち悪いとは思わないのか、別に気にすることなく、しばらくそのままいます。次のあくびでやっと引っ込めたりするんですよね。リラックスしていて、顎の筋肉も舌の筋肉もゆるんでいるためだと考えられます。
毛づくろいで出しっぱなし
猫は舌をつかって全身を毛づくろいしますよね。念入りにブラッシングしていると当然舌も疲れてしまいます。それで出しっぱなしにしてそのまま寝てしまう、ということがよくあるようです。また、毛づくろい中に何かに気を取られると舌をしまい忘れてることもあります。舌の出しっぱなしを見たい方は、わざと毛づくろい中に名前を呼んでみれば、高い確率で「テヘペロ」に出会えるかもしれません。
猫は舌が出やすい
もともと猫はマズルが短く、あごが小さい動物です。それに対して舌は長く、そのうえ前歯が極端に小さいために、舌がでやすい口の構造となっています。さらに、ペルシャ、ヒマラヤンなど鼻ぺちゃの猫は、ふつうの猫よりももっとあごが小さいため、より舌が出やすいようです。ほかに、病気や老化で前歯を失った猫も、出しっぱなしになってしまうことがよくあります。
以上のような場合は病気ではありませんし、無理に舌をしまわせる必要もありません。
しかし、舌を出すことが病気やケガのサインであることもあります。といっても舌を出すこと自体が病気というわけではなく、症状の1つとして舌が出るということです。
疑われる病気やケガ
舌が出てしまう病気には次のようなものが考えられます。
口内炎・歯周病
口内炎や歯周病になると痛くて口を閉じられなくなります。そのため、まずは粘度の高いよだれが口の端から常に垂れ、時には舌も出ることもあります。この状態になるとかなり重症で、痛みで食欲も落ちているはずです。すぐに病院へ連れていきましょう。また、口腔内に腫瘍や肉芽腫ができていても痛くて口が閉じず、舌が出ることがあります。
あごの骨折や脱臼
交通事故や高い所からの落下、ドアに挟まれるなどしてあごの骨が折れたり脱臼すると、口が閉じなくなって舌をしまいにくくなることがあります。脱臼の場合、痛がらないこともあるので気づきにくいのですが、口がいつも少しだけ開いていたり、かみ合わせが悪かったり、ごはんを食べづらそうにしていたら病院を受診してください。
熱中症や呼吸器系などの病気
猫がハアハア口で呼吸をすると、舌も一緒に出すことも。猫の口呼吸はそれだけで病気を疑う根拠となります。猫はふだん鼻で呼吸し、多少の運動程度では口呼吸にはなりません。熱中症や呼吸器系、循環器系の病気が広く疑われます。また、異物が器官や鼻につまっていても苦しくて口呼吸になります。口でハアハアして呼吸しているときは呼吸困難がおきていて、すでに症状が重くなっているのかもしれません。ただちに病院に連れて行きましょう。
健康な舌出しと、病的なものとの区別のポイントは、猫がぐったりしている、食欲が落ちている、よだれが垂れっぱなしなど他の症状があるかないかです。早めに気づいてあげて、すぐに病院を受診するようにしてください。
まとめ
舌を出したまま振り向く愛猫の姿は、ちょっぴりまぬけですが、可愛さもひとしお。猫自身が意識しているわけではないでしょうが、猫は飼い主の心をとりこにする術にたけている動物だな、とつくづく思わされる姿です。