2017年9月26日更新

家庭でできる対処法も!猫がストレスを感じている時に見せるしぐさ・行動とは?

古川諭香



キャットケアスペシャリスト

キャットケアスペシャリストの資格を活かし、さまざまな猫メディアにて猫情報を分かりやすく配信中。自身も猫サイトを立ち上げ、愛猫と楽しく暮らしていくための秘訣や猫に関する知識などを分かりやすく解説。猫と一緒に暮らせる猫仕様の家も建設し、人と猫が快適に生活していくための方法も伝授している。

 

人間と同じで、猫も不満な気持ちを感じるとストレスを抱えてしまいます。
しかし、猫は犬のように感情表現が豊かではありません。
そのため、飼い主さんが飼い猫のストレスサインを見逃してしまうことも多いのです。

そこで今回は、猫がストレスを感じたときに見せる仕草や行動を具体的にご説明しつつ、対策法もご紹介していきたいと思います。
ぜひこれを機に、飼い猫の気持ちを敏感に感じ取れるように、努力していきましょう。

 

そもそも猫はどんなときにストレスを感じるの?

1.飼い主さんに構ってもらえないとき

猫は、マイペースに行動する動物だと考えられがちです。
そのため、飼い主さんに構ってもらえなくても、犬のようにストレスを感じることはないと思われることも多いかと思います。

しかし、完全室内飼いの猫が増えてきた最近では、飼い主さんのスキンシップ不足によって飼い猫がストレスを抱えてしまうケースも少なくありません。
特に、小さい頃から人の手で育てられてきた猫は、飼い主さんのことを母親のように思っています。

飼い猫は野良猫と違って母親離れをする必要がないため、いつまでも子猫気分のまま過ごす子も多いものです。
そうなると、猫は母親代わりである飼い主さんの愛情を得たいと思うようになります。
そのため、飼い主さんが構ってくれなかったり、無関心な態度を取りすぎたりするとストレスを感じてしまうのです。

2.自分の要求を叶えてもらえないとき

猫は鳴き声や行動を通して、飼い主さんに自分の要求を伝えようとしてきます。
そもそも、猫は猫同士の間ではにおいでスキンシップやコミュニケーションを取る動物です。
そのため、猫が鳴き声を出すときは、人間相手になにか訴えたいことがある証拠だといえるでしょう。

こうした猫の要求は、毎回叶えることが難しいものです。
しかし、あまりにも要求が叶えてもらえていないと感じると、猫だってストレスを溜めこんでしまいます。

また、飼い主さんの気分によって飼い猫の要求を叶えたり、叶えなかったりするのもNGです。
同じ行動をしたのにも関わらず、叶えてもらえるときと怒られるときがあると、猫は混乱し、ストレスを溜めこみやすくなってしまいます。

3.寂しさを感じたとき

ミステリアスな印象を持っているため、猫は寂しさを感じにくい動物だと思われがちです。
けれど、猫にだって人間と同じように心があります。

もちろん個体差はありますが、子猫の頃から人に構われながら育てられた子は、飼い主さんの不在時に強い寂しさを感じてしまうことも多いのです。
その証拠に、完全室内飼いの猫が増えてきた最近では、犬によく見られる「分離不安症」という心の病気にかかってしまう猫も増えてきています。

分離不安症は、飼い主さんと離れることに対して極度の不安を感じてしまう病気のことです。
こうした病気に猫がかかるということからも、寂しさは猫にとってストレスの原因になるといえるでしょう。

4.環境が変化したとき

昔から、猫は人よりも家に慣れる生き物だといわれていますよね。
それは、猫がなわばりを大切にする動物であるからです。
猫の頬や額から、フェロモンを出します。
フェロモンを壁や柱につけることで、「ここは自分のなわばりだ」ということを示すのです。

そのため、引っ越しなどにより生活環境が変わってしまうと、猫は強いストレスを感じます。
環境の変化によって自分のにおいが感じられなくなるということは、猫に大きな不安感を与えるのです。
また、引っ越しだけでなく、動物病院へ連れて行ったときや、来客がいておうちの雰囲気がいつもと違ったりするときにストレスを感じる猫も多いので注意しましょう。

ストレスを感じた時に見せる仕草・行動とは?

しっぽを大きく振る

しっぽは、猫の気持ちが一番よく表れるパーツです。
中でも、しっぽを大きくブンブンと振っているときは、猫がストレスを感じているサインだといえるでしょう。

しっぽを大きく左右に振る猫は、イライラを抱えています。
こうしたときに必要以上に構ってしまうと、余計に大きなストレスを与えてしまう可能性があるので気を付けましょう。

また、猫の中にはストレスを感じると自分のしっぽを噛んでしまう子もいます。
子猫が自分のしっぽを噛むのは遊びの一環なので、心配する必要はありません。
しかし、成猫が自分のしっぽを噛んでいるときは、大きなストレスを感じているサインです。

こうした行動は、飼い主さんが構ってくれなかったり、遊んでくれなかったりするときに見られることが多いとされています。

自分の体を舐め続ける

猫は自分の体を清潔に保ったり、においを消したりするためにグルーミングを行います。
グルーミングは、猫にとって大切な本能的行動です。
けれど、必要以上に自分の体を舐め続ける場合は、大きなストレスを感じているサインだといえるでしょう。

こうした子の中には、グルーミングのしすぎでハゲをつくってしまう子も少なくありません。
自分の体を必要以上に舐め続ける行為は「過剰グルーミング」と呼ばれており、分離不安症を抱えている子が行うことも多いとされています。

過剰グルーミングによる脱毛は、普通の皮膚炎とは違って湿疹などが見られないのが特徴です。
また、お腹や腰の周りといったような、自分自身で舐めやすい場所に見られるため、飼い主さんがなかなか気づけないことも多いでしょう。

粗相トラブルが増える

ストレスは、粗相トラブルに繋がることも少なくありません。
飼い猫がいきなり粗相をしはじめるようになったときは、真っ先に泌尿器系の病気を疑うことも多いでしょう。

しかし、泌尿器系の病気と同じくらい考えてほしいのが、飼い猫がストレスを溜めこんでいないかどうかということです。
特に、新入り猫を迎えたときは、ストレスから血尿を出してしまうほど大きなストレスを抱えてしまう先住猫もいるので注意しましょう。

また、先住猫と新入り猫のトイレを初めから一緒にしてしまうと、粗相トラブルが起きてしまう可能性もあります。
自分のにおいがするトイレは、猫にとって大切な場所です。
だからこそ、飼い猫が粗相をし始めたときはトイレ環境を見直したり、ストレス原因を考えてみたりしましょう。

鳴きわめくことが増える

飼い猫の鳴きわめく頻度が増えた時も、ストレスを抱えている可能性が高いといえます。
特に、家族の中の誰かがいなくなった途端に鳴きわめく頻度が増えたのであれば、寂しさからストレスを感じている証拠です。

こうした鳴き声を聞くと、飼い猫が無駄鳴きをしているように感じる方もいるかもしれません。
しかし、猫が鳴きわめくときは叶えてほしい要求があったり、自分の気持ちを伝えたかったりするときが多いものなのです。

そのため、無駄鳴きをしつけで治そうと考えるよりも、「どうして飼い猫は鳴きわめくのだろう」ということを考えてみる必要があります。
ただし、鳴きわめく頻度が増えたときは、ストレスから性格が凶暴的になることもあるので気を付けましょうね。

 

ストレスからうつ病を引き起こしてしまうことも…


人間と同じで、あまりにも強いストレスを長い間感じ続けると、猫もうつ病になることがあります。
うつ病になった猫はグルーミングをしなくなったり、飼い主さんともスキンシップを取ろうとしなくなったりするのです。

また、うつ病が原因で粗相をしてしまったり、性格が凶暴化してしまったりする場合もあります。
ただし、動物のうつ病は、他の病気との判断が難しいものです。
そのため、飼い猫のメンタルが不安定だと思った時は、一度獣医さんに相談をしてみましょう。

中でも、最近増えてきている猫専門の動物病院であれば、体だけでなく飼い猫のメンタルも看てもらいやすいはずです。
また、猫のうつ病も人間と同じで、完治させるためには家族が根気よくサポートしていくことが大切になります。

動物病院の中には、ペット用の抗うつ薬を処方してくれるところもありますが、お薬だけに頼るのではなく、スキンシップを増やしながらメンタルを気遣ってあげましょう。

飼い猫のストレスを減らせる対策法とは?

高さのある居場所を与えてあげよう

飼い猫のストレスを減らすためには、まず猫が居心地良く感じられる空間を作っていきましょう。
猫は平面の広さよりも、縦方向や垂直方向の広さを重視します。

高い場所は猫にとって自分の存在を誇示できる場所にもなりますし、周りを見渡せる安全な場所にも映るのです。
ですから、キャットタワーやキャットウォークをお部屋に設置して、安心感を与えてあげましょう。
アパートなどの集合住宅でなかなか置き場所を取れないという方は、ドア掛けタイプのキャッタワーや、窓に取り付けられるベッドテラスを検討してみましょう。

おもちゃで遊んであげよう

飼い猫のストレスを軽減してあげるために一番効果的なのは、飼い主さんが遊び相手になってあげることです。
完全室内飼いの猫は、安全な場所で生活できているからこそ、刺激の少ない生活を送っています。

猫は本来、とてもハンター精神の強い動物です。
そのため、刺激の少ない生活は退屈に思えてしまいます。
さらに、刺激のない生活を送っている猫は認知症にかかる確率も増えるともいわれているので、ほどよい刺激は猫の健康にとっても大切なものだといえるでしょう。

おもちゃは、種類によって食いつきのよさが違ってきます。
ストレスを軽減するためには、飼い猫がどんなおもちゃに強い興味を示すのかということもチェックしていきましょうね。

気持ちを考えながらスキンシップを取ろう

猫を飼っている方の中には、スキンシップをこまめにとることで、愛情を表現しながらストレスを解消したくなる方もいるのではないでしょうか。
しかし、スキンシップの取り方次第では、余計に飼い猫へストレスを与えてしまうこともあるのです。

例えば、嫌がっているのに無理やり抱っこしようとしたり、声をかけずにいきなり触ったりするのはやめるようにしましょう。
ストレスを解消したいのであれば、人間の都合で猫に構うのは、やめるようにしましょう。
あくまでも飼い猫の目線に立ちながらスキンシップを取っていくことが、ストレス解消への近道になります。

多頭飼いの場合は2人で過ごす時間を設けよう

多頭飼い生活でストレスを抱えてしまっている子には、2人で過ごす時間を作ってあげましょう。
新入り猫が来た途端、飼い猫が甘えてくれなくなるというケースは多いと思います。

そんなときは、猫なりに我慢をしている証拠なので、放っておくとストレスを溜めこみすぎてしまうこともあるのです。
猫は意外に嫉妬深い動物だからこそ、先住猫に対してしっかりと愛情を示してあげましょう。

新入り猫をかわいがっていても、飼い主さんと2人きりになれる時間があれば先住猫も嫉妬を抱えずに済みます。
また、先住猫をしっかりとかわいがるということは、先住猫のプライドを守ることにも繋がるでしょう。

先住猫の立ち位置をはっきりと示してあげれば、猫同士の喧嘩のような多頭飼いならではのトラブルも減っていくはずです。

どうしようもないときは獣医さんに相談!

どんな対策法をとっても飼い猫のストレスを減らせなかったときは一度、獣医さんに相談してみるのもおすすめです。
ストレスが原因で猫自身が生きにくくなってしまっているときは、病院で精神安定剤を出してもらうのも、ひとつ対策法だといえます。

ただし、精神安定剤は飲み続けさせなければならないため、副作用や費用に注意しましょう。
メンタル系のお薬を使うことで飼い主さんの不安も大きくなると思うので、セカンドオピニオンを聞きながら、慎重に使用を検討していきましょう。
 

生活環境や接し方を見つめ直して幸せにゃんこに!


飼い猫がストレスサインを見せるようになったときは、生活環境や今までの接し方を見つめ直すよい機会です。
動物も人間と同じで心があるという当たり前のことを、もう一度思い出してみましょう。

ストレスの原因を突き止めるのはなかなか難しいことかもしれません
しかし、飼い猫の気持ちを一番理解できるのは、いつもそばにいる飼い主さんだけです。
ぜひ飼い猫の仕草や行動を見返してみて、ストレスを早期発見し、解決していきましょうね。