2017年9月7日更新

猫のフケって大丈夫?フケの原因や対策を知っておこう【獣医師が解説】

後藤大介



獣医師

 

ふと気づくと、愛猫の体に白いフケが……なんて経験はありませんか?猫はもともときれい好きで、自分の体をグルーミングでキレイにします。そのため、それほどフケが多く出る動物ではありませんが、時にフケが増えて来ることがあります。

猫にフケが出ている場合は、皮膚のコンディションが悪い証拠であり、何らかの病気のサインであることもあります。

今回は、猫のフケについて一緒に勉強していきましょう。

 

フケが増えたかもと思ったら

フケが出る理由

フケは古くなった皮膚の細胞がはがれ落ちたものです。

皮膚は常に新しい細胞と古い細胞の入れ替わりを行っている組織であり、これを皮膚のターンオーバーと呼びます。

このターンオーバーという仕組みによって、古い細胞は皮膚の表面からはがれ落ちてフケになるのです。

健康な皮膚でも常にターンオーバーが行われており、フケも毎日作られています。

ただし、正常に出るフケはそれほど量が多くなく、皮膚の表面に存在する常在菌が分解してしまうため目立ちません。

このターンオーバーのサイクルが早くなる「異常角化」の状態になると、はがれ落ちる皮膚が増えてきて、常在菌の分解が間に合わなくなるため、フケが目立つようになります。

異常角化の原因は、皮膚の刺激への反応であると言われています。

つまり、感染や炎症、乾燥や物理的なダメージなどの刺激が皮膚に加わると、皮膚を守るためにターンオーバーを加速させて異常角化が起こり、その結果フケが増えると考えられています。

白猫でもフケが分かる方法

フケの色は白いため、全身白い白猫ではフケが出ているのかどうかわかりずらいことがあります。

その場合には、暗めの色の床や机の上でブラッシングしてみましょう。

フケが多い場合には、黒い床に白いフケが落ちてわかりやすくなります。

少量のフケが落ちるくらいなら正常ですが、パラパラ落ちるフケが止まらないようなことがあれば、フケが増えていると考えた方がいいでしょう。

こんな症状の時は獣医さんへ行こう

フケが増える病気で緊急性のあるものはほとんどありません。

ただし、フケは何らかの皮膚病のサインである可能性があり、場合によっては全身に皮膚病が広がったり、他の猫やヒトに感染してしまうこともあります。特に以下のような状態の場合は、獣医さんで診てもらった方がいいでしょう。

  • 脱毛あるいは痒みを伴うフケ
  • 子猫のフケ
  • 複数の猫でフケが多い
  • 急激に増えたフケ

これらのことがある場合は、感染症などの病気に伴うフケである可能性が高く、早めに動物病院で診察してもらう必要があります。

獣医師に診断が必要なフケもある

早めの相談するメリット

フケが出た場合に早めに動物病院で相談することには、以下のようなメリットがあります。

治療の負担が少なくなる

フケがあるということは皮膚のコンディションが悪いということです。

早めに治療を開始することで、そのコンディションが大きく悪化してしまう前に治療ができます。

早めの治療によって治りが早くなるだけでなく、スキンケアなどの負担が少ない治療だけで治る可能性も高くなりますよ。

他の猫やヒトに感染するリスクを避けられる

寄生虫や真菌症など、フケが出る感染症は少なくありません。

感染症は他の猫やヒトにも感染することがあります。

感染症によるフケなのかどうかをチェックしてもらうことで、その感染のリスクを減らすことができます。

スキンケアの方法を相談できる

フケの原因によってはスキンケアのみで治すことが可能です。早めに相談することで家での対処法を相談することができ、今後も同じようになった時にどうしたらいいのかがわかります。

獣医師に相談せずにひどくしてしまうケース

猫のフケで特に注意が必要なのは皮膚糸状菌です。

皮膚糸状菌は感染力が比較的強く、薬などによる治療への反応が鈍いケースが多いです。

多頭飼いの家で一度皮膚糸状菌症が流行ってしまうと、治療がかなり困難になり、長期にわたり猫の間でうつし合ってしまう可能性があります。

また、アレルギーやアトピーなどでもフケが出て来ることがありますが、放置しておくと痒みのストレスにより、膀胱炎や糖尿病などのストレスによって起こりやすい病気を発症してしまうこともあります。

また、痒みにより自分で舐めたりかいたりすることで皮膚の傷をつけたり全身的に毛が抜けてしまうこともあります。

 

フケの出やすい猫種


短毛種の猫は皮膚が乾燥しやすく、また、毛が短いためにフケが目立つ傾向にあります。

そのため、ロシアンブルーやアビシニアンなどの猫種では、フケが増える猫が多い傾向にあります。

一方で長毛種の場合は、毛球ができるとその下にフケが溜まりやすくなりますので、できるだけこまめにブラッシングなどをして、毛球を作らないようにすることが、フケの予防につながります。

フケが多い場合に考えられる病気

フケは体質だけでなく、病気からも増えることがあります。

フケが増える病気はいくつかありますが、よく見れれるのは以下の3つの病気です。

また、腎不全や糖尿病などの重病があっても、体がだるくてグルーミングの頻度が下がるため、フケが増えることがあります。

ハジラミ

特に子猫で問題になることが多いのが、ネコハジラミと言われる外部寄生虫です。

猫の毛を好んで生息し、毛やふけを食べて生活する寄生虫で、シラミ自体もフケのような白色をしていますし、実際にフケも増えます。

シラミは人に感染することはありませんのでそれほど怖がることはありませんが、猫に強い痒みを起こすことがあるので、しっかり治療をする必要があります。

背中に垂らすノミダニ予防のスポットオン製剤の中にはハジラミに効果があるものがあり、1回つけるだけで完治することも多いです。

皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌は真菌、いわゆるカビの一種で、猫の毛を栄養として生活します。

土に住むいわゆる土壌菌の一種ですので、土から感染したり、他の感染猫から感染することがあります。

皮膚糸状菌は非常に感染力が強く、多頭飼いではその中で増えてしまうとなかなか治療が難しくなってしまいます。

また、ヒトの皮膚にも感染し、かゆみを伴う赤い皮膚炎を起こすことがありますので、注意が必要です。

治療は飲み薬やシャンプーになりますが、長毛種では難治性になることがあり、その場合は毛を丸刈りにしなければならないこともあります。

アトピー

猫にもアトピー性皮膚炎が存在しますが、アトピーの一症状として、フケが増えることもあります。アトピーによる痒みからの自傷により、脱毛や皮膚の赤みが出てきてしまうこともあります。

普段からできるフケの予防

自宅でできる予防

フケは皮膚コンディションの悪化が原因で起こります。フケの原因によっても対処法は違いますが、しっかりしたスキンケアが大切です。

長毛の猫ではブラッシングをこまめにしてあげる必要がありますし、乾燥肌の猫では加湿器や保湿スプレーなどを使うのも有効です。

また、アトピーの猫では室内のこまめな掃除や換気、空気清浄機の使用なども症状の改善に効果的であることがあります。

猫のフケ対策に使えるオススメのグッズ

保湿シャンプー・保湿スプレー

特に白いカサカサのフケが出やすい短毛猫には保湿のシャンプーやスプレーがおすすめです。

猫はシャンプーを嫌う子も多いので、シャンプーができない場合はスプレーで保湿しましょう。

シャンプー後にフケが増える猫には、保湿シャンプーや低刺激シャンプーが効果的です。

空気清浄機

アトピーの可能性がある猫には空気清浄機がおすすめです。

ダニやカビなどの殺菌作用や保湿効果のあるプラズマクラスター機能などの付いた空気清浄機を使用すると、フケが減る可能性があります。

 

加湿器

部屋が乾燥している場合は加湿器を置いておくのもいいでしょう。

サプリメント

皮膚のコンディションを改善するにはサプリメントも有効です。

DHAやEPAなどのω3脂肪酸のサプリメントは、皮膚や被毛のコンディションを改善し、フケを減らす効果が期待できます。

まとめ


猫のフケは何らかの病気のサインの可能性もあり、放置しておくと病気が進行したり、他の猫やヒトに感染してしまうこともあります。

フケくらい大丈夫と思ってそのままにしておくと、どんどん状況が悪化してしまうリスクもあるんです。

この記事を参考に、フケの対策をしっかり取り、病気の可能性がありそうであれば、早めに動物病院で診てもらうようにしてくださいね。

 
 

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