2017年9月18日更新

幸せな寝姿に思わず微笑む、猫のへそ天。猫の睡眠と寝相について

NEKOCLIP



ペットシッター、愛玩動物飼養管理士2級

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。

 

へそ天とは、仰向けでお腹を丸出しにし、時には足もひろげてまるで猫の開きのようになる寝相のこと。仕事や学校で忙しくしているなか、ふと見ると猫がへそ天で寝ている。ちょっと恨めしくもありますが、思わずほっこりしてしまう寝姿です。猫がへそ天するのはどんな時なのでしょう。猫の睡眠と寝相について考えたいと思います。

 

猫の習性と睡眠の関係

猫は一日16時間も寝る動物です。これは、猫の仲間が待ち伏せ型の狩りをするためです。待ち伏せ型とは、木陰や藪の中にじっと潜んで、獲物が通りかかった瞬間に飛びかかって襲う、という狩りの方法。猫の種類にもよりますが、このタイプの狩りの成功率はあまり高くなく、毎日お腹いっぱい食べられるわけではありません。そこで狩り以外の時間は、なるべく体力を温存するために寝てばかりいる生活スタイルとなりました(熟睡する時間は一度に数分、一日に合計3時間程度とそれほど長くありません)。

また、猫の筋肉の大部分は、瞬間的に獲物に襲い掛かれるよう、瞬発力を生み出すタイプの筋肉でできています。この筋肉には弱点があり、素早く収縮して瞬発力を得る代わりに、あっという間にエネルギーを使い果たして疲れてしまう、という特徴があるのです。猫は獲物をフルスピードで追いかけた後は、しばらくしないと回復しません。猫が寝てばかりいる理由には、筋肉の疲労回復・疲労防止という意味も含まれているのです。

猫の寝相あれこれ

猫が長時間眠ってくれるおかげで、私たち飼い主はいろいろな猫の寝姿を見ることができますが、猫の寝相はその時の猫の気持ちと気温が関係しています。

しゃがんで目をつぶっている


しゃがんだような格好で目をつぶっているときは、熟睡していません。手足はいつでも動かせるようにスタンバイして、何かあったらすぐに逃げられるようにしています。つまり、警戒しているときの寝かたです。
気温が低くて寒いときもよくこの格好をします。

香箱座り


香箱座りとは、前足をたたんで体の下にしまい込んで座る姿をいいます。体の下に足があるためにすぐには立ないため、この姿勢はしゃがんだ格好よりは警戒を解いていますが、かといってすごくリラックスいるわけでもありません。
肌寒い気温の時によく見られます。

アンモニャイト


一番イメージする猫の寝相がこれでしょう。丸くなって眠る様子がまるでアンモナイトのようなので、このように呼ばれることがあります(ニャンモナイトとも)。この寝相は、まあまあくつろいでいる状態。気温が低めで、体から熱を逃がしたくないときによくします。猫がこの格好で寝始めたら「そろそろホットカーペットでも出すかな」と思います。

足を投げ出して寝る


手足を投げ出し、横になって寝るのは、かなりリラックスしている状態です。絶対にすぐには立てませんから。安全な場所と認識しなければ、このような格好で寝ません。
気温が暖かい時期~暑い時期、体温を放熱するためにこの寝相になることも。こたつの中では丸くならず、この格好で寝ていることが多いです。

へそ天で寝る


へそ天は、心からリラックスして安心しきっている時に出る寝相です。お腹は固い肋骨がなく無防備なため、猫にとって急所といえます。警戒していれば決してお腹を出すことはありません。そのため神経質で警戒心の強い性格の猫はあまりへそ天をしません。
気温が暑くなるとこの寝姿が頻繁にみられるようになります。内臓のあるお腹を出すことで、効率的に体の熱を逃がそうとしているのです。

ちなみに野生のネコ類は、自分を危険にさらす寝かたであるへそ天はしないとされています。が、ライオンは別格。彼らは生態系の頂点にいて、何もなければ襲われることがほとんどないからです。しかもネコ類には珍しく数十頭の群れで生活しています。そのため群れの中では安心感があるのか、へそ天で寝ることがあります。

 

まとめ

わが家の猫がへそ天をすると、ああ夏が来たなあと思い、反対に丸くなって寝始めると、冬が来たなあと思います。猫の寝相は家の安心度のバロメーターでもあり、季節の変わり目を教えてくれるものでもあるのです。

 
 

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