2017年9月8日更新

猫がネズミを狩るのはなぜ?食べることもある?

ペット生活

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編集部

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「トムとジェリー」という漫画では猫のトムはいつもネズミのジェリーを追いかけていて、2匹は永遠の敵対関係にあるようです。漫画ではトムはいつもジェリーを捕まえ損ねますが、現実の猫はもっと優秀なハンターです。飼い主さんの中には飼っている猫がネズミの頭をおみやげに持ってきたとか、捕まえたネズミをいたぶっているのを見かけたなどという経験がある人もいるかもしれませんね。ごはんはちゃんとあげているはずなのに、猫はなぜ、ネズミを捕るのでしょうか。今回は、猫がネズミを捕る習性について考えていきましょう。

 

なぜ、猫は捕ったネズミを飼い主さんのところに持ってくるの?

猫が捕ったネズミを誇らしげにおみやげとして持ってくることがあります。血だらけのネズミや死んだネズミを持ってこられたら誰でもびっくりしますが、なぜ、猫はネズミをおみやげにするのでしょうか。

すごいでしょ!褒めて!

飼い主さんは猫にとって家族のようなもの。猫が捕ったネズミを持ってくるのは、近い存在である飼い主さんに捕った獲物を見せて自慢したい気持ちがあると言われています。飼い主さんの目の前にわざわざネズミを持って来たり、寝ている枕元に置いていったりする場合は、特にこのケースの可能性が高いでしょう。「ほら、僕の捕ったネズミ、スゴイでしょ!見て見て!」というわけです。

獲物を安全なところに置いておきたい

捕った獲物は猫にとって戦利品です。だから、安全なところに置いておきたいというのが猫の気持ち。捕ったネズミを食べる猫なら、なおさら取られない場所に隠したいでしょう。「飼い主さんのところなら取られないはず」と信じての獲物を預けていくケースもあるようです。

捕った獲物を分けてあげよう

捕った獲物を飼い主さんにも分けてあげようと持ってくる場合もあるようです。もともと猫は飼い主さんをご主人というより同等の仲間だと思っている節があります。そんな仲間に獲物を分けてあげようという気持ちがあるのです。

お腹いっぱいなのになぜ、狩りをするの?

飼い猫は飼い主さんから毎日ごはんを貰っているはずですので、お腹が空いているわけではありません。それなのになぜ、わざわざネズミを捕るのでしょうか?

猫としての本能がハンティングさせる

猫の祖先は砂漠地方で小動物を餌に生きてきました。ネズミに限らず、鳥や虫、とかげなど、小さな動物なら何でも捕って食べていたのです。その習性は飼い猫になっても失われるわけではありません。動くモノを目にしたり、カサカサという音を耳にするだけで、猫は耳を立て、目を輝かせて獲物を探します。

お腹が空いていなくても、狩りする本能は別。猫が猫らしく生きるためには狩りの機会が必要なのです。

活動する時間帯が一緒

猫は動く小動物なら何でもハンティングしますが、特にネズミが対象になるのは、活発に活動するタイミングがほぼ同時間帯なのが理由だと言われています。猫は夜明け前後や夕暮れ前後の薄暗い時間帯にもっとも活動的になると言われていますが、ネズミも同様です。同じ獲物でも鳥が活動するのは明るくなってからですね。「さぁ、今日もやるか!」と狩りに前向きになった時にそばで動いているのがネズミ・・・というわけなのです。

 

ネズミを捕る能力が人間と共生するようになったきっかけ

もとはといえば、猫が人間に飼われるようになったのはネズミを捕る能力がきっかけでした。農業で穀物などを収穫し、蓄えるようになって以来、人間は納屋などに貯蔵した食料を勝手に食い漁るネズミに手を焼いてきました。

また、ネズミはペストなどの病原菌を媒介し、人々を死に至らしめたことも少なくありませんでした。猫はそんなネズミを捕る益獣として注目されるようになり、4000年以上も前から人間と共存するようになったのです。

今でもイギリスの首相官邸にはネズミの捕獲を任務とする猫が公務員として勤務していますし、アメリカではネズミ捕りのために図書館で猫を飼っているケースもあります。ペットとしてだけでなく、ネズミを捕ることで人間に貢献している猫は今でも世界中にいるのです。

最近ではネズミを怖がる猫も

猫がネズミを捕るのは本能ですが、最近ではネズミを怖がる猫もいます。猫がネズミを始めとする小動物を捕るのは本能ですが、具体的な捕り方は母猫に教わります。ところが狩りを覚える前に母猫から離された猫は、ネズミを捕獲する対象と認識せず、むしろ自分を襲う敵とみなして怖がることもあります。

ネズミは時に人間にも噛みつくほどの凶暴性があり、猫にも危害を加える可能性があります。特に子猫の時期には注意するようにしましょう。

猫はネズミを食べても大丈夫なの?

ネズミを捕るのが本能だということは分かりましたが、野生のネズミには病原菌などもいて、お世辞にも清潔とはいえません。そんなネズミを食べても猫の健康に害はないのでしょうか?

感染症に罹る可能性がある

病原菌に感染したネズミを食べると猫も同じ感染症に罹る可能性があります。また、ネズミが寄生虫に感染していたら同然、猫にもうつる可能性があるでしょう。ネズミから猫にうつる可能性がある病気は・・・

  • ペスト
  • トキソプラズマ
  • エキノコックス
  • レプトスピラ症
  • パスツレラ症

最近では一緒に寝る、口移しで食べ物を与えるなど、猫と密接に接する飼い主さんが増えています。これらの病原菌の多くは人間にも感染し、場合によっては重篤な症状となる場合もあります。ネズミを食べさせることには危険も伴うことを理解しておいた方が良いでしょう。

ネズミからノミやダニを媒介してうつる病気も

野生のネズミにはノミやダニが必ずと言っていいほどついています。猫がこういうネズミを捕獲、捕食するとそのノミやダニが猫にうつる可能性は大です。猫に取りついたノミやダニは室内で繁殖して人間にも病気をもたらします。ノミやダニが猫だけでなく、人間に影響を及ぼす病気としては・・・

  • ノミアレルギー性皮膚炎
  • 瓜実条虫症
  • Q熱
  • 日本紅斑熱
  • ライム病
  • SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)については、最近、野良猫に噛まれた女性が発症し、死亡したニュースが広く報道され、猫の飼い主さんの間で話題になりました。ネズミを捕食した猫から人間に媒介される病気の中には危険な病気もありますので、楽観しない方が良いでしょう。

うちの猫がネズミを食べていた!どうしたらいいの?

猫がネズミを食べてしまったら、やはり一度、病院で診察してもらった方が良いでしょう。ただし、感染していたとしても感染直後は判定できないこともあります。場合によっては数か月後に2度目の検査をする必要もありますので、獣医さんとよく相談してください。

ネズミ狩りをやめさせるには?

猫がネズミを捕るのは本能的な行動ですので、しつけで直すことはできません。ネズミ狩りを阻止する唯一の方法はネズミのいない環境で猫を飼うことです。

完全室内飼いにする

猫を屋外に放し飼いしているなら、できるだけ外に出さないようにしましょう。室内飼いなら、ネズミに遭遇する確率はぐっと下がります。

ネズミを駆除する

もし、家の中にネズミがいるようなら、ネズミを本格的に駆除することを考えましょう。ネズミは人間にとっても危険な動物です。

強力な殺鼠剤も売られていますが、猫が殺鼠剤を食べてしまったり、殺鼠剤を食べたネズミを猫が食べてしまうと、猫の命が危なくなる危険があります。室内では殺鼠剤より、ネズミホイホイのような粘着剤を使った捕獲器を使用しましょう。ネズミが行きそうな場所に数か所設置し、たとえ、すぐに捕獲できなくてもしばらく同じ場所に置いておきましょう。

ネズミの侵入口を塞ぐ

ネズミが外部から侵入する場所はネズミの汚れで黒くなっていたり、齧り跡がついていたりします。ネズミは戸袋や通気口、家の隙間などから侵入してきますので、パテや金網で穴を塞ぐようにしましょう。

ネズミがいつかない環境を作る

ネズミは人間の食べ残りなどを狙って家に侵入してきます。こうしたものが、ネズミの目に触れないよう片づけておくことも大切です。生ごみなどはなるべく室内に置くのをやめ、食材も冷蔵庫や保管箱にしまうようにしましょう。また、ネズミは布や段ボールなどで巣を作りますので、こうした素材も整理整頓。無駄なものは片づけるようにしましょう。

ネズミ捕りは止めさせるのがベター。その代り遊んであげよう

ネズミを捕獲、捕食することにはいろいろな危険が伴います。なるべくならネズミと遭遇しない環境で猫を飼うようにした方が良いでしょう。ただし、猫が狩りを発揮する機会まで奪ってしまうと、ストレスを溜める可能性があります。ネズミの代わりに飼い主さんが遊んであげたり、猫が狩りを想定して遊べるおもちゃを用意してあげるなど、ハンターとしての楽しみを発揮できるような環境を作ってあげることが大切です。

 
 

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