2017年9月25日更新

猫が噛む原因は?獣医師が正しい対処方法を解説!

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可愛く、見た目にも愛くるしい猫は、今、大人気で、猫カフェなどでも大活躍していますね。

しかし、一方で、同居している猫に攻撃を仕向けたり、突然に人を噛んで怪我をさせてしまったり、噛んでは危険な物を噛んでしまったり、など、お困りの方も多いのではないでしょうか。

なぜ、猫は噛んでしまうのか、その原因を探ると同時に、解決方法についても紹介致します。

また、猫に噛まれることでうつる可能性のある感染症についても触れたいと思います。

 

猫はなぜ人を噛むの?


猫はなぜ人を噛んでしまうか、その原因について代表的なものをご紹介します。

考えられる原因

猫の性格

不安傾向にある猫、気が小さい猫では、恐怖心の克服や、自分を守るために攻撃をすることがあります。

人工保育

猫から社会的なもの規範を学ぶ機会がないと、猫同士の関係がうまくいかないことがあります。

2週齢から9週齢の時期に人と触れ合う機会が無かった

この時期に人と触れ合わないと、人に対する攻撃性が発現すると言われています。

子宮内での著しい低栄養

脳の発達に影響が出ると考えられます。

遊びがエスカレートして

手にじゃれて遊んでいても、興奮するとエスカレートして人の手を噛んでしまうことがあります。

構い過ぎ

猫と一緒に過ごしたいと思っても、猫にも感情があります。あまりに長い時間構い過ぎると嫌気がさして噛む場合があります。

おもちゃを与えない

猫は動くものを追いかける習性があります。おもちゃを使って十分に遊ばないと、足など動くものを目がけて飛びかかり、噛むことがあります。

乳歯から永久歯への生え変わり時期

猫は生後5ヶ月頃、乳歯から永久歯へ生え変わります。永久歯の萌出の際、違和感や痒みが生じ、噛むことで紛らわせることがあります。場合によってはそのまま噛み癖になることもあります。

発情期

オスの場合

交尾時、オス猫は、メス猫の首を噛むことで動きを制御します。

メスの場合

発情期には、情緒不安定になりがちで、時として噛んでしまうことがあります。

以上のように、猫が噛んでしまうというのは、生理的なものであったり、習性にも原因があることがわかりますね。

猫が噛む原因を考えるコツ


猫がなぜ噛んでしまうのかを考える時に切り分けるコツです。切り分けると原因を見つけやすくなります。

どんな時に噛む?

  • 嫌なことをされた時: 爪切りやブラッシングをしていて。投薬時や点眼時。
  • 怒られた時: いけないことをして叱ったとき
  • 遊んでいて興奮した時: 特に手にじゃれつかせていて遊んでいるとき
  • 撫でている時: 長時間撫でていると突然
  • 一人でいる時: 監視する人がおらず、また、暇を持て余して
  • 飼い主の目が届かない時: 監視する人がいないので

何を噛む?

  • 人の体の一部(手や足など)
  • 同居猫
  • ケージ
  • 家具やカーテン
  • ビニール袋
  • 電気コード

時期的にいつ噛む?

  • 生後5ヶ月頃 : 乳歯から永久歯への生え替わりの時期にあたります
  • 2歳から4歳頃 : 社会的成熟期にあたり、この頃攻撃行動が発現することが多いと言われています
  • 発情期
 

猫の噛み癖対策

噛むものを隠せるか?

噛む物にもよりますが、猫が噛むと分かっているのであれば、片付けて猫の目に触れないようにすることが大切です。

電気コードなど隠すのが難しい場合、コードが露出している部屋には入れない、コードを何かでガードする、などの対策が必要です。

人の手や足のような隠せないものの場合

遊んでる時に噛んでしまう

もし、手にじゃれさせているのであれば、それはやめます。猫用のおもちゃを準備して遊ばせるようにしてください。

歩いてると足を噛む

前項で述べたように、猫は動くものを追いかけます。歩いている時の人の足は格好の獲物です。本能行動ですので、やめさせることは難しいかもしれません。しかし、歩かないわけにはいきませんので、素足での行動は避ける、長ズボンを履くなどの対策を取るなど工夫して過ごすようにします。また、おもちゃを使って十分に遊んであげることも大切です。

撫でていたら突然

猫も生き物で、感情もあります。また、猫の集中力が続くのは20分程だとも言われていますので、あまり長時間触られるのが嫌になることもあります。

撫でていて、尻尾を左右に振りだしたら、機嫌が悪くなってきたサインです。噛む前に触るのをやめましょう。

爪切りの時に噛む

指先は神経が過敏で、触られるのを嫌がることが多いです。なぜなら、爪を切る時には、指先を触り、さらに爪を出すために押さえるからです。また、武器である爪を切られるのは、猫にとっても嫌なものです。
爪を切る時は、寝起きや機嫌の良い時を見計らって少しずつ切るとよいですね。あまりにも嫌がる時には、動物病院で切ってもらうようにしてください。

人が見ていない時に隠せないものを噛む

外出中や、就寝中、また、少し目を離した隙に何かを噛んでしまうこともあります。叱ってやめさせることは難しいものです。この場合には、噛まれては困るもの、危ないものは猫の目につかないようにします。それができなければ、猫を近づかせない工夫が必要です。例えば、噛まれては困るもののある部屋には入れない、猫をケージに入れるなどしてください。

噛むのは危険

猫が人を噛む

猫の歯は細く小さいので、猫が本気で噛んでも、咬み傷は小さな穴が開くだけです。

しかし、傷口が小さいからといって侮ることはしないでください。小さな傷口でも、適切に対処しなければ、傷口だけでなくその周囲まで炎症を起こして腫れ、時にはリンパ節まで炎症が波及して熱が出ることもあります。

表面的な傷ではない場合には、外科の受診が必要になります。

布を噛むウールサッキング

布を噛むこと自体は危険ではありませんが間違えて飲み込んでしまう、また、噛んでいる時に怒られてびっくりして飲み込んでしまうこともあり、その場合には危険です。

消化管に詰まってしまうと、内視鏡や手術で取り出さなくてはなりません。

特に、紐状のものは、腸に引っかかって壊死してしまうこともあります。手術で悪いところを切除しても命を落とすことがあり、非常に危険です。

虫を噛む

よく動く虫は猫の獲物になります。虫の中には毒を持つもの、また、寄生虫を媒介するものもいるかもしれません。

よく虫を狩る猫を飼われている場合には、猫の様子を日頃からよく観察し、変わった様子が見られたら動物病院へ行くようにしましょう。

猫同士や小動物の場合噛むだけでも命が危険

ケンカをして猫同士で噛み合い、ということもあります。猫の歯は細く、噛まれても犬のように派手な傷にはなりませんが、そこに危険が潜みます。

表面の傷はすくにふさがりますが、傷口の奥に細菌が閉じ込められた状態になり、化膿してしまうのです。

猫には被毛がありますので、化膿して膿が溜まっても、場所によってはなかなか気付かず、膿の袋が破裂するまで分からないことがあります。

皮膚の下に膿が溜まった場合には、麻酔をかけて切開し洗浄するなど、外科的に介入する必要があり、完治まではかなりの日数がかかることもあります。

また、猫が本能的に狩りをして、ネズミやウサギといった小動物、鳥などを捕獲した場合には、それらの動物から感染症が感染してしまう可能性もあります。

できる限り室内飼育を行い、そのような危険から猫を守るようにすることも大切です。

電気のコードを噛む

電気コードを噛むと感電する恐れがあり、とても危険です。命に関わることですので、電気コードを噛む癖のある猫は対策を取ってください。

まとめ

可愛い猫も、その習性を知らずに飼うと思いがけないことが起こるかもしれません。

噛み癖も猫の習性のひとつであると理解し、噛み癖を治す、というよりは噛まれないように対策を講じることも大切です。

また、私たち人が猫に噛まれると傷の大きさの割に重症になることがあるということを頭に入れておくことも大切です。傷口が小さいからといって消毒を怠ると痛い目を見る、どころではなくなることもあります。

猫に噛まれて腫れた場合には、必ず外科に行ってください。

 
 

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