2017年9月29日更新

猫がシャーと威嚇する本当の理由は?獣医師が正しい原因と対策を解説!

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可愛い飼い猫に突然「シャー」、など言われたことはありませんか?信頼関係が築けていると思っていたのに、突然、威嚇されてしまうと、怖い、ショックなどの気持ちを抱いてしまうこともあると思います。

しかし、猫もむやみやたらにケンカをしかけているのではありません。

猫にとって威嚇をすることは、自分や縄張りを守るためであったり、恐怖を感じている気持ちの表れであったりと、何かしら意味があるものです。今回は猫が威嚇する原因と対策についてです。

できるだけ猫の気持ちに寄り添っていこうと思います。

 

猫の威嚇とは?

猫の威嚇の意味

猫が威嚇するのは、自分が恐怖を感じているなど、威嚇する相手に不快感を感じているためであることが多いです。

この時、不快感を感じる原因は、相手にあることもありますし、自分自身にあることもあります。威嚇をすることで、相手に距離を置いてもらおうとしているのです。

猫だってできれば争いは避けたいもの。実際に攻撃する前に、自分が恐怖や不快感がある、ということを知らせているのですね。

威嚇のポーズ

耳の形

耳を寝かせて後ろに倒し、頭にぺたんとくっついているようになります。

尻尾

毛を逆立てて太くなり、左右にブンブン激しく振ります。

目を見開き、瞬きは少なくなります。瞳孔が開いて黒目の部分が大きくなり、じっと睨むように見つめます。

体勢

頭を低く下げて背中を丸め、防衛しつつも、いつでも飛びかかれるような体勢をとっています。

全身の毛を逆立てます。これは、毛を逆立てることで、相手に自分の体を大きく見せるためです。

威嚇の声

ウー

唸り声です。低い声と、少し高い声があります。

シャー

有名な話なので、ご存知の方も多いかもしれませんが、シャーという声は猫がヘビを真似たものであると言われています。

猫が威嚇することが多いタイミング

威嚇は、猫が恐怖や不快感を感じている時にみられる行動です。では、猫が恐怖や不快感を感じているのはどのような時、どのような相手なのかを見ていきましょう。

相手に対する不快感

  • テリトリーに浸入される
  • 爪切り、ブラッシングなど、嫌なことをされる

苦手な人である

猫が苦手な人の特徴をいくつか挙げます。子供や、成人でも男性が当てはまるようです。

  • 声が大きい/声が高い
  • 体が大きい
  • 動作が速い、大きい
  • 大きな物音を立てる
  • しつこく構う

猫自身の体調

病気やケガをしている

病気やケガをしているというのは自分に弱いところがあるということ。弱味を相手に悟られないよう、近づかれないようにするため威嚇します。

妊娠中、育児中

私たち人間でも、妊娠中や育児中はナーバスになるものです。特に育児中、授乳期は子供を守ろうとして気が立っており、たとえ飼い主でも、近づくものに対して威嚇します。

猫が恐怖を感じて逃げる限界の距離を逃走距離といいますが、妊娠中や育児中の猫では距離が延びると言われています。

環境

環境の変化で猫にストレスがかかっている時に構おうとすると威嚇されることがあります。

大きな音がする

雷や工事など

  • 模様替えなどで落ち着かない
  • 引越しをする/した

動物病院に関わることでの威嚇

動物病院ではどんな時に威嚇するのでしょうか。

  • キャリーケースから出す時
  • 処置や検査のために保定する時
  • 処置や検査のためにエリザベスカラーを装着する時
  • 検査のために飼い主から預かる時
  • 入院ケージから出そうとする時
 

本気と遊びの見分け方

遊んでる時も威嚇することがある

おもちゃで遊んでじゃれていたのに、急に「ウー」と唸り声をあげられる、などというのは経験がある方もみえると思います。猫にとっておもちゃは獲物です。

獲物を取られる危険があれば威嚇をするのも当然なことなのです。

また、手など、体の一部で遊ばせていて急に唸ったり、尻尾を激しく振ったりすることがあります。これは、遊んでいたはずの手が敵に見えてしまい、遊びから本気モードになることや、長い時間遊び、もう遊びたくなくなった、ということが原因です。

猫が威嚇した時本気で怒ってるか見分け方

猫が不快感を感じると、目が鋭くなるなど表情が変わる、尻尾を激しく振る、唸り声をあげる、などの様子が見られます。

そのような場合には、遊びを切り上げ、一度猫を落ち着かせましょう。威嚇をした時点で猫はもう怒っているので、サインを逃してしつこく遊んでいると本気で攻撃を仕掛けてきます。注意しましょう。

猫が本気で威嚇した時はどうする?

猫が本気で怒って威嚇をしている場合は、基本的にはそーっとしておくこと、無視することが1番です。目を合わせないようにしてその場を静かに離れましょう。間違っても怒ったり叩いたりしてはいけません。

威嚇した時の注意

威嚇しても、威嚇が相手に伝わらない場合にはどうなるでしょうか

  • 実際に攻撃を仕掛けてくる
  • 逃げる
  • 失禁や便失禁
  • 臭嚢腺分泌物を飛ばす

威嚇した時はどうすればいい?(飼い主さんに威嚇した場合)

愛猫に威嚇をされた時には、威嚇される原因となっていること(遊び、ブラッシング、撫でる、など)を中止します。

そして、目を合わせないように注意して、そっとその場から離れるようにしましょう。猫が落ち着くまでは、無視し、そっとしておいてあげてください。

威嚇した時はどうすればいい?(同居猫に威嚇した場合)

猫同士の場合、下手に手出しすると、攻撃される可能性があり、危険です。特に双方で威嚇し合っている場合には、一触即発の状態です。解決は猫に任せ、そっと見守ってください。

猫同士の場合、原因はテリトリーの侵害が多いので、去勢手術を行うことで改善が期待できます。どうしても治まらない場合には、居室を分けるなどの工夫が必要になります。

威嚇した時はどうすればいい?(子供や赤ちゃんに威嚇した場合)

赤ちゃんであれば、赤ちゃんをそっと猫から遠ざけます。

子供の場合、叩いたり、耳や尻尾を引っ張ったりすることが原因となっていることが多いので、猫が威嚇する原因となっていることをやめさせ、猫から離します。

子供は、高く大きな声を出し、また動きが読めないので、猫が嫌うことが多いものてす。そのため、猫から子供に近づくことは少ないと思います。子供が猫に近づかないように注意をすることも必要です。

威嚇の収め方

私たちが威嚇を収めさせるのは難しいので、怒って威嚇をしている猫は無視してそっとしておくことが1番です。気持ちが収まるまで放っておいてあげてください。

猫が威嚇しないようにするためにできること

猫が嫌がることをしないようにすることです。

飼い主さんに威嚇しないようになるには

猫とスキンシップを取っている時には常に猫の状態を観察し、尻尾を振り出すなど、不快感を示す様子が見られたら、早めにスキンシップをやめましょう。
爪切りやブラッシングは日を改めるなどしてください。

同居猫に威嚇しないようになるには

新しく猫を迎える場合には、必ず先住猫を優先してください。しばらく様子をみても仲良くなれない場合には、居住空間を分けてあげる必要があります。

子供や赤ちゃんに威嚇しないようになるには

猫が子供や赤ちゃんに威嚇しないようになるのは難しいものです。なぜなら、赤ちゃんは泣いていろいろなことを伝えるからです。

また、子供が大きな声で泣いたり騒いだりすることは悪気があってのことではありません。猫を触る力加減も分かりませんので、尻尾や耳を握ったり引っ張ったりしてしまい、猫は嫌がります。

加減が分からないのは仕方のないことです。猫から子供や赤ちゃんに近づくことはないと思いますので、大人の監督の下で子供に猫を触らせるなどの対策が必要です。

まとめ

猫の威嚇も、ちゃんと意味があっての警告です。猫もできれば喧嘩はしたくないし、威嚇をせずに穏やかに暮らしたいと思っているはずです。

猫が威嚇をするのは何らかのストレスを感じているということです。愛猫に威嚇されたら、ショックを受けたり怖い思いがあるとは思いますが、猫が威嚇をする原因を見つけてあげることが大切です。

猫に威嚇をされたら、間違っても怒ったり叩いたりするのはやめましょう。本気で攻撃をされるなど、怪我につながります。

また、せっかく築いてきた愛猫との信頼関係が揺らいでしまうかもしれません。ちょっとした威嚇の対処を間違い、攻撃行動につながる場合もあります。

その場合には、専門家による治療が必要になることもあります。あまりに激しい威嚇や攻撃行動がみられる場合には、行動学の専門家に相談するようにしてください。