2017年10月23日更新

【本気噛み対策も万全に】噛まない猫に育てる甘噛み教育法とは?

古川諭香



キャットケアスペシャリスト

キャットケアスペシャリストの資格を活かし、さまざまな猫メディアにて猫情報を分かりやすく配信中。自身も猫サイトを立ち上げ、愛猫と楽しく暮らしていくための秘訣や猫に関する知識などを分かりやすく解説。猫と一緒に暮らせる猫仕様の家も建設し、人と猫が快適に生活していくための方法も伝授している。

 

生後間もない子猫は、どんなイタズラをしてもかわいく見えてしまうものですよね。

しかし、子猫の時期に飼い主さんが行わなければならないしつけは、たくさんあります。

中でも、甘噛みのしつけはとても重要だといえるでしょう。

小さな頃、子猫に甘噛みを教えていないと、成猫になっても人を噛むような子になってしまいます。

では、一体どうやって子猫に甘噛みを教えていけばよいのかを、これから詳しく解説していきますので、ぜひ飼育時に役立ててみてくださいね。

 

そもそも猫が噛む理由とは?

1.発情期を迎えている

発情期を迎えている猫は、性格が攻撃的になることも少なくありません。

そして、交尾できないストレスから飼い主さんに対して甘噛みを行ってしまうこともあるのです。

特に、オス猫の場合は、交尾中にメス猫の首筋を甘噛みすることで動きを制限する「ネックグリップ」という行動も行います。

2.遊びが不足している

甘噛みをするときは、猫がストレスを抱えているサインであることも多いものです。

猫を飼っている方の中には仕事や家事、育児で忙しく、なかなか飼い猫と遊ぶ時間を持てていないという方もいるのではないでしょうか。

飼い主さんとの遊びに満足できていないと、猫はストレスを甘噛みで発散することもあります。

この場合は、飼い主さんの手や足に、いきなり甘噛みをしながらじゃれてくるのが特徴です。

完全室内飼いで育てられている猫は、外で飼われている猫に比べて、自由が制限されてしまうので、飼い主さんが飼い猫の運動量を増やしてあげるようにしましょうね。

3.生え変わりで歯がムズ痒い

生後3ヶ月前後の子猫を育てていると、甘噛みをされることが多いものです。

子猫の歯は、生後1ヶ月で乳歯が生えそろい、生後2ヶ月を過ぎたあたりから、永久歯へと生え変わります。

すると、人間と同じように歯が生え変わるムズ痒さを感じ、飼い主さんを甘噛みするようになるのです。

また、この時期の子猫は飼い主さん以外に、身近にあるぬいぐるみやおもちゃなども甘噛みするようになります。

そのため、電気コードを甘噛みし、思わぬ事故に繋がってしまう場合も多いので、誤飲や悲しい事故を防げるような環境をつくっていくことも大切です。

4.構ってほしいサイン

猫は飼い主さんを甘噛みすることで、構ってほしい気持ちを表現することもあります。

例えば、飼い主さんが本やテレビなどを見ているときに甘噛みをしてくる場合は、「私を見てよ!」という気持ちの表れだといえるでしょう。

こうした場合の甘噛みは、一種の愛情表現でもあります。
猫は意外に嫉妬深い動物なので、自分の存在が飼い主さんの目に映っていないとスリスリや甘噛みをすることで、構ってもらおうとするのです。

5.親猫と離れるのが早かったことも原因に!

生後間もない頃に親猫と離れてしまった子は、猫界でのルールを学ぶ機会を奪われます。

猫の世界では、生後2ヶ月頃が社会性の時期といわれており、親猫や兄弟猫との関わりを通して、じゃれ方や猫相手への接し方を学んでいくのです。

しかし、早くに親猫や兄弟猫と引き離されてしまった場合は社会性を学べないため、猫や人間相手を噛む子になりやすいといわれています。

また、こうした猫は噛む力加減も教わっていないので、飼い主さんや同居猫を強く噛んでしまうのも特徴です。

甘噛みのしつけは生後2ヶ月頃がチャンス!


飼い猫の甘噛みに悩んでいる方の中には、しつけをしたくても、いつ教えたらいいのか分からないと思っている人も多いのではないでしょうか。

甘噛みのしつけは、生後2ヶ月頃をめどに始めるのがおすすめです。

生後2ヶ月頃は、先ほどもご説明したように、猫にとって社会性を学ぶ時期にあたります。

この時期に他の猫や飼い主さん以外の人と積極的に関わらせることで、猫は噛む力加減やじゃれ方を学んでいくのです。

また、子猫は成猫に比べて、柔軟な考えを持っているため、しつけも成功しやすくなります。

 

【本気噛み対策】甘噛みを教えるためのしつけ法

1.大声で「痛い」と叫ぶ

飼い猫とじゃれていると、強い力で飼い主さんのことを噛んでくることもありますよね。

そうしたときは、大声で「痛い」と叫んで、飼い猫の本気噛みを防いでいきましょう。

猫は警戒心が強いため、大きな声が苦手です。

だからこそ、強い力で噛まれたときは大きな声を出して、飼い猫をびっくりさせましょう。

飼い主さんがこうした意思表示を行っていくことで、飼い猫はどのくらいの力加減で噛んだらいいかということを学んでいきます。

さらに、大声でびっくりさせることにより、「強く噛むとイヤなことが起きる」ということを覚えさせることもできるのです。

猫は自分が経験した嫌な出来事を忘れないという特徴があるため、自然と飼い主さんを本気噛みすることも減っていくでしょう。

2.部屋の外へ出て、気持ちをクールダウン

大声で「痛い」と言っても噛むのをやめてくれなかったり、さらにじゃれあいがエスカレートしてしまったりするような場合は、飼い猫の気持ちをクールダウンさせる時間を設けてみましょう。

ポイントは、飼い猫に強く噛まれたらあえて相手にせず、そっと部屋の外へ出ていくことです。

こうすることで、猫は「噛んだら飼い主さんから相手にしてもらえない」ということを学んでいきます。

このとき、外へ出ていく時間は20分程度を目安にしましょう。
クールダウンタイムは短すぎると効果がありませんし、長すぎると猫が他のことに気を取られてしまう可能性があるので注意しましょうね。

3.叱るときは毎回同じ言葉で怒ろう

しつけをするときは、飼い主さんの言葉の使い方も重要になってきます。

例えば、飼い猫に怒るとき、「コラ」や「ダメ」などといって叱る言葉を変えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、毎回違う言葉で怒ってしまうと、猫は叱られていることを理解できません。

また、名前を呼びながら叱ると、猫だって自分の名前を嫌いになり、呼んでも来ない子になってしまいます。

ですから、甘噛みのしつけをするときは名前を呼ばずに、毎回同じ言葉で叱るように意識してみてくださいね。

4.霧吹きで水をかけよう

猫は、嫌な出来事を避けようとする動物です。
そうした特徴を生かして、「噛むと嫌な出来事が起こる」ということを猫に教えることで噛み癖をしつけていきましょう。

このときに使うのが、水を入れた霧吹きです。
飼い猫に噛まれて痛いときなどは、霧吹きで後ろから水を少しかけてみましょう。

このとき大切なのは猫に見つからないよう、こっそりと水をかけることです。

飼い主さんが水をかけたということを知ってしまうと、猫もショックを受けます。

さらに、飼い主さんのことを「嫌なことをする人」だと思ってしまうため、信頼関係にヒビが入ってしまうケースもあるでしょう。

霧吹きを使った噛み癖対策は、あくまでも自然に罰が当たったと思わせられるように行っていきましょう。

5.噛まれたときに指を口の奥に入れよう

飼い猫が噛んできたときは、思わず手をひっこめてしまう方も多いかと思います。

しかし、逆に手を口の奥に入れれば、少々苦しい思いをするため、猫の方から自然に噛むことをやめてくれます。

さらに、猫には動くものを見る動体視力が優れているという特徴があります。

そのため、手をひっこめてしまうと、逆に狩猟本能を掻き立ててしまうことも多いのです。

飼い猫の好奇心を必要以上に刺激しないためにも、噛まれたときは慌てずに、猫の方から自然に口を離してくれる解決法を取っていきましょう。

6.子猫のときから多頭飼いをして社会性を学ばせる

甘噛み対策をするには、噛む力加減を学ばせてあげるのも効果的です。

そのためには、猫に社会性をきちんと学ばせる機会を与えてあげるのもよいでしょう。

猫や人間相手への接し方を学ばせるには、子猫のうちから多頭飼いをして、猫界のルールを教えていくのもおすすめです。

生後2~3ヶ月の時期は、猫も他の猫や動物を受け入れやすいため、多頭飼いも成功しやすくなります。

さらに、小さい頃、きちんと社会性を学んでいれば、成猫になって、新入り猫を迎えた時、新入り猫に社会性を教えてくれることもあるのです。

オス猫の「ネックグリップ」は去勢で解決させよう

発情期に見られるオス猫のネックグリップはしつけでなかなか解決できないため、去勢手術を行って対策を取っていきましょう。

ネックグリップは交尾のときに見られる行為だからこそ、去勢を行えば改善することが多いとされています。

しかし、中には去勢後もじゃれあっているときに本能で、ネックグリップを行ってしまうこともあるので、100%解決するとは言えません。

こうした事実はありますが、去勢によってネックグリップの頻度は少なくなっていくので、ぜひ対処法として検討してみてくださいね。

甘噛みを教えるために大切なこととは?

1.飼い主さんの手や足をおもちゃにしない

飼い猫の甘噛みに困っている方は、これまでどうやってスキンシップをとってきたのかを思い返してみることも大切です。

例えば、子猫のときから飼い主さんの手や足をおもちゃ代わりにしてはいなかったでしょうか。

小さい頃から人間の体をおもちゃ代わりにしていると、猫にとって飼い主さんの手や足は「遊んでもいい獲物」に見えてしまいます。

そうなると、飼い主さんの手足にいきなりじゃれついたり、甘噛みをしたりするようにもなってしまうのです。

こうした行動を防ぐためには、まず子猫のうちから人間の体をおもちゃに見たてて遊ばないようにしましょう。

すでに成猫の場合は、飼い主さんの手や足よりも夢中になれるおもちゃを発見していくことが甘噛みを解決するカギとなります。

2.柑橘系のスキンクリームを活用しよう

飼い主さんへの甘噛みがなかなか治らない場合は、猫が苦手な柑橘類の力を借りてみましょう。

猫はみかんやレモン、ゆずなどの柑橘類の香りが苦手です。

猫は嗅覚が鋭いため、においで安全性を判断します。

だからこそ、柑橘類のようなすっぱいにおいを嗅ぐと「危険だ」と認識するので、近寄らなくなるのです。

噛み癖対策としては柑橘系のスキンクリームを肌に塗ってみましょう。
その際は、万が一猫が舐めても体に害が及ばないよう、アロマ成分を配合していないものを選ぶのがポイントです。

猫が嫌いなにおいを身にまとえば、甘噛みされる機会もグっと減っていくでしょう。

3.遊びで狩猟本能を満たしてあげる配慮を!

甘噛みをストレスなくしつけるには、猫の狩猟本能をしっかりと満たしてあげることも大切です。

構ってほしかったり、遊んでほしかったりする気持ちから甘噛みをする猫に対しては、しつけで無理やり甘噛みをやめさせようとすると、逆に粗相などの問題行動が引き起こされてしまうケースもあります。

甘噛みの悩みを他の問題行動へ発展させないためには、飼い猫が抱えているストレスを遊びで思いっきり発散させてあげましょう。

飼い主さんの努力で飼い猫を噛まない猫に!


飼い猫を噛まない猫に育てるには、飼い主さんの接し方も重要になってきます。

子猫のうちにかわいく見える甘噛みは、成猫になれば深刻な悩みになってしまうものです。

噛み癖を治すにはしつけを行うだけでなく、ぜひ猫の狩猟本能を満たせるような環境づくりを同時に行い、飼い猫のメンタルにも配慮をしていきましょうね。

 
 

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