2017年10月19日更新

【体重別に解説】飼い猫が求める1日の適正フード量の出し方とは?

古川諭香



キャットケアスペシャリスト

キャットケアスペシャリストの資格を活かし、さまざまな猫メディアにて猫情報を分かりやすく配信中。自身も猫サイトを立ち上げ、愛猫と楽しく暮らしていくための秘訣や猫に関する知識などを分かりやすく解説。猫と一緒に暮らせる猫仕様の家も建設し、人と猫が快適に生活していくための方法も伝授している。

 

飼い猫の健康を維持していくためには、まず毎日の食事をしっかりと管理することが大切です。

しかし、飼い猫に必要な1日のフード適正量を知っている方は、まだまだ少ないのが現状なのではないでしょうか。

そこで今回は、猫が1日に必要とするフードの適正量を体重別にまとめてみました。

飼い猫の寿命を延ばすためにも、ぜひこれを参考に正しい食事管理を行っていきましょう。

 

餌の適正量を守らないとどんなデメリットがあるの?

1.肥満体型になる

餌の適正量を守らず、欲しがるだけ猫にフードを与えていると、飼い猫が肥満体型になってしまう可能性があります。

特に、完全室内飼いで育てられている猫は、外に自由に出られる子よりも1日の運動量が少なくなくなっていますよね。

そのため、フードを食べ過ぎてもエネルギーを発散できず、脂肪として体に蓄積されてしまうのです。

猫はもともと運動神経が優れている動物ですが、肥満体型になると、運動能力が落ちていくため、できないことが増えていきます。

こうした生活が続くと、ストレスを感じてしまったり、飼い主さんにも負担がかかってしまったりするので注意が必要です。

2.糖尿病や心臓病のリスクがあがる

1日に与える餌の適正量を守らないと、飼い猫が病気になってしまうリスクも高まっていくといえるでしょう。

中でも、糖尿病や心臓病は肥満が原因で引き起こされることが多い病気だといわれているので、注意が必要です。

例えば、糖尿病は毎日の早食いやドカ食いが原因となることが多いといわれていますし、「拡張型心筋症」という心臓の病気は、日々の食事でのタウリン不足が原因となって引き起こされる可能性も指摘されています。

糖尿病や心臓病は一度発症すると、完治させるのが難しい病気です。

さらに、治療によっては猫の体に大きな負担を与えてしまうこともあったり、治療費が高額になったりして、飼い主さんの悩みも増えていってしまうでしょう。

3.食べ残したフードを腐敗させてしまう

適正量以上のフードを与えてしまっていると、猫が食べ残しをしてしまうことも多くなります。

もともと猫は一気食いではなく、ちょこちょこ食べのようなムラのある食べ方をするものです。

だからこそ、1日に必要な量以上のフードを与えていると、その分食べ残しも多くなり、フードの腐敗や酸化も進んでいきます。

中でもウェットフードは一度開封してしまうと、保存がしにくく、夏場は特に注意が必要です。

また、ドライフードの場合も放置時間が長いと、においがなくなってしまったり、酸化してしまったりするので、猫の食欲をそそれなくなってしまいます。

一般的な成猫が1日に必要とする餌の適正量は?


猫が1日に必要とするフードの適正量は、キャットフードに記載されている「給与目安」を参考にしましょう。

パッケージに記されている適正量を1日の食事回数で割った値が、1回分の適切フード量になります。

また、一般的な運動量を維持できている成猫の場合は、1日に必要なカロリーを80で計算して、適正なフード量を出すのもよいでしょう。

こうしてはじきだされた1日の必要カロリー量を1日の食事回数で割れば、1回分の適正フード量が出せます。

80カロリー必要な場合

猫の体重 × 必要なカロリー(80カロリー) = 1日に必要な総カロリー量
1日に必要な総カロリー量 ÷ 100gあたりのカロリー = 1日に必要なフードの量
1日に必要なフードの量 ÷ 2回(一般的な成猫の食事回数) = 1回分の適正フード量

100gあたり350カロリーの成猫用ドライフードの場合

必要な総カロリー量 1日に必要なフード量 1回分の適正フード量
3kgの猫 240カロリー 70g 35g
4kgの猫 320カロリー 90g 45g
5kgの猫 400カロリー 110g 55g
 

室内飼い猫は必要カロリーを控えめに計算しよう


十分に運動ができている成猫の場合は、1日に必要なカロリー数を80で計算してもよいでしょう。

しかし、運動量が少ない外飼いの猫や、室内で飼われている子に関しては70カロリーを1日の必要カロリー量として、計算式に当てはめるのがおすすめです。

このようにあらかじめ与えたいカロリー数を落として計算しておけば、飼い猫を肥満体型にさせてしまう心配もありません。

またこのときは、与えるフードも「インドアキャット用」という、室内飼い猫専用のものを選ぶとよいでしょう。

70カロリー必要な場合

猫の体重 × 必要なカロリー(70カロリー) = 1日に必要な総カロリー量
1日に必要な総カロリー量 ÷ 100gあたりのカロリー = 1日に必要なフードの量
1日に必要なフードの量 ÷ 2回(一般的な成猫の食事回数) = 1回分の適正フード量

100gあたり350カロリーの成猫用ドライフードの場合

必要な総カロリー量 1日に必要なフード量 1回分の適正フード量
3kgの猫 210カロリー 60g 30g
4kgの猫 280カロリー 80g 40g
5kgの猫 350カロリー 100g 50g

成長期の子猫は必要カロリーも多めに!


子猫の場合は成長期ということもあり、消費カロリーが激しくなるのが特徴です。

そのため、キャットフードの「給与目安」に書かれている1日の適正フード量をしっかりと確認しながら、与えていきましょう。

また、計算で適正フード量を出したい方は、1日に必要なカロリー量を200カロリーで計算していきます。

子猫の場合は1日の食事回数が3~4回なので、1日分の総カロリー数を食事回数で割ったグラム数を1回分として与えていきましょう。

そして、子猫は成長のためにも高カロリーのフードを必要とするので、与えるときは必ず子猫用のキャットフードを与えるようにしてくださいね。

子猫の場合

猫の体重 × 必要なカロリー(200カロリー) = 1日に必要な総カロリー量
1日に必要な総カロリー量 ÷ 100gあたりのカロリー = 1日に必要なフードの量
1日に必要なフードの量 ÷ 4回(一般的な子猫の食事回数) = 1回分の適正フード量

100gあたり370カロリーの子猫用ドライフードの場合

必要な総カロリー量 1日に必要なフード量 1回分の適正フード量
200gの子猫 40カロリー 11g 11g÷4回=2.75g
300gの子猫 60カロリー 16g 16g÷4回=4g
500gの子猫 100カロリー 27g 27g÷4回=6.75g
2kgの子猫 400カロリー 111g 111g÷4回=27.7g

ただし、子猫の時期はカロリー消費が激しく、何度もフードを欲しがることもあるため、適正量はあくまでも目安として頭にいれておきましょう。

十分な発育には多くのエネルギーが必要になりますし、子猫の時期は肥満の心配がないので、フードを求めてきたときは欲しがるだけ与えてあげましょうね。

また、計算式で適正フード量を導き出している方は、生後半年をすぎたら、1日に必要なカロリー量を200から100にして計算をしていきましょう。

そして、体重が成猫の平均である3㎏になったら、子猫用フードから成猫用フードへの切り替えを検討していくことが大切です。

老猫の場合は60カロリーで計算しよう


老猫になると運動量が減り、寝ている時間が多くなるものですよね。

こうして体が衰えてくると、1日に必要な総カロリー量も若い頃より減っていきます。

そのため、計算で適正フード量を出したいときは、必要カロリー量を60で計算するのがおすすめです。

また、老猫になると一度にたくさんのフードを食べることも難しくなってくるため、1日の食事回数を3~4回にしていきましょう。

老猫の場合

猫の体重 × 必要なカロリー(60カロリー) = 1日に必要な総カロリー量
1日に必要な総カロリー量 ÷ 100gあたりのカロリー = 1日に必要なフードの量
1日に必要なフードの量 ÷ 4回(一般的な老猫の食事回数) = 1回分の適正フード量

100gあたり350カロリーの老猫用ドライフードの場合

必要な総カロリー量 1日に必要なフード量 1回分の適正フード量
3kgの老猫 180カロリー 50g 50g÷4回=12.5g
4kgの老猫 240カロリー 70g 70g÷4回=17.5g

肥満猫は40カロリーで計算し、体型改善を!

すでに飼い猫が肥満体型だという場合は、1日に与えるカロリー量を40で計算してみましょう。

その際は、与えるフードの量は変えずに、食事回数を1日3~4回に増やしていくことで満腹感を与えることができるようになります。

また、与えるフードも肥満猫用の低カロリーフードを選ぶのがおすすめです。

そして、ウェットフードよりもドライフードの方が噛む回数が増えるため、満腹中枢が働きやすくなります。

肥満猫の場合

猫の体重 × 必要なカロリー(40カロリー) = 1日に必要な総カロリー量
1日に必要な総カロリー量 ÷ 100gあたりのカロリー = 1日に必要なフードの量
1日に必要なフードの量 ÷ 4回(一般的な老猫の食事回数) = 1回分の適正フード量

100gあたり300カロリーの低カロリーフードの場合

必要な総カロリー量 1日に必要なフード量 1回分の適正フード量
6kgの猫 240カロリー 80g 80g÷4回=20g
7kgの猫 280カロリー 90g 90g÷4回=22.5g

妊娠中・授乳中のメス猫は140~300カロリーが必要!


1日に必要なフードの適正量は、猫の状態によっても変わってきます。

例えば、妊娠中や授乳中のメス猫は、通常よりも倍以上のエネルギーが必要になるものです。

そのため、体重1kgあたりに対し、140~300カロリー程度で、適切なフード量を計算するのが望ましいといえるでしょう。

また、妊娠中や出産後のメス猫は一度にたくさんのフードを食べられないことも多いので、1日の食事回数を4回程度に変更してあげましょう。

ちなみに、出産直後は必要となるカロリー量が一時的に減りますが、授乳中は妊娠中よりも多くのエネルギーを必要とするので、高カロリーな食事で健康を維持していくことが大切です。

妊娠中・授乳中のメス猫の場合

猫の体重 × 必要なカロリー(140~300カロリー) = 1日に必要な総カロリー量
1日に必要な総カロリー量 ÷ 100gあたりのカロリー = 1日に必要なフードの量
1日に必要なフードの量 ÷ 4回(一般的な老猫の食事回数) = 1回分の適正フード量

100gあたり350カロリーの成猫用ドライフードの場合

必要な総カロリー量 1日に必要なフード量 1回分の適正フード量
4kgの猫 560~1200カロリー 160g~340g 160g~340÷4回=40g~85g

ドライフードとウェットフードを混ぜて与えたい場合は?


飼い猫の誕生日や特別な記念日などにはドライフードだけではなく、ウェットフードを与えてあげたいと思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。

こうした場合も、年齢や運動量などに応じて、上記で説明してきたカロリー計算表に当てはめて、適正量を考えていきましょう。

その時に注意してほしいのが、ドライフードよりもウェットフードの方が低カロリーだということです。

ドライフードの場合は100gあたり、約300カロリー程度のものが多いかと思います。

しかし、ウェットフードは水分を多く含んでいるため、低カロリーとなっており、100gあたりで見てみると、50カロリー程度となっているものがほとんどです。

ただし、低カロリーである分、ウェットフードには毎日与えると下痢の原因になったり、歯周病を引き起こしやすくなったりするといったデメリットがあります。

水分が摂取できるウェットフードは水をあまり飲まない子にとっては、魅力的に見えるかもしれませんが、毎日与えるのではなく、2~3日置きに食べさせるようにしましょう。

食事管理で飼い猫の寿命を延ばしていこう!


飼い猫が1日に必要とするフードの適正量を知ることは、健康維持に繋がります。

1日の適正なフードの量は、年齢や運動量によっても違ってくるので、自身の飼い猫に合わせた量を与えられるようにしていきましょう。

食事管理によって健康が維持できていけば、結果的に飼い猫の寿命も延びていきます。

「1日でも長生きしてほしい」という気持ちは、猫を飼っている方なら誰もが抱く想いだからこそ、毎日の食事にも気を配れる優しい飼い主になっていきましょうね。