2017年11月2日更新

ハリネズミの特徴や飼い方は?正しい知識を獣医師が解説します!

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大人気のハリネズミ。警戒するとすぐ丸くなり、気になるけれどなかなか見せてくれなくて困ることもあります。

検査するためにも麻酔をかけなくてはならないこともあり、できるだけ病気にならないでほしいハリネズミ。どのようなことに気をつければよいのでしょうか?食べ物からかかりやすい病気のことまで解説します。

 

ハリネズミとはどんな生き物?

食べ物

ハリネズミの食生活は野生では、無脊椎動物(ミミズなど)、甲虫、蝶や蛾の幼虫、ナメクジやカタツムリなどが主食です。

時には、動物の死骸や畑の野菜や果物も食べます。突き出た鼻で、餌を探し前足を使って掘って見つけます。

臭い

ハリネズミはほとんど体臭がしません。糞はペレットを中心に食べていれば、細長く茶色い便でつまめる硬さの便をします。

尿は透明の黄色で、それほど強いにおいではありません。

適正温度

ハリネズミの体温は犬や猫に比べて低く、35~37度ぐらいです。高温の環境下では熱の放散がうまくいかずストレスがかかりますし、そのような条件で長時間たつと熱中症を起こします。

反対に気温が17度以下になると冬眠します。理想温度は24~30度で、夏はエアコンがで温度管理し、冬はペットヒーターなどの暖房器具でしっかり保温する必要があります。

特徴

ハリネズミは夜行性で、短い足でヨチヨチした感じで歩くが、かなりすばしっこい。基本的に臆病で警戒心が強い。

嗅覚が発達しているのであちこちをかぎまわり、周囲の情報を集めます。

嗅覚同様に聴覚も優れていて、特に高周波の音には敏感です。背中側には針が生えているが、まっすぐ同じ方向に生えているのではなく互い違いに生えています。腹部は短い毛が生えていて柔らかいのが特徴です。

驚いたり警戒すると「シュシュシュ」という威嚇するような鳴き声を出して、背中を丸め頭を腹部に入れ込み背中の針を立て丸いボールのようになります。

特にハリネズミに特徴的な行動は「泡つけ」です。

見慣れないもの、強い臭いをかいだ時に、唾液を口にたくさん溜め手針に塗りつける行動を「泡付け」といいます。

行動の目的は不明ですが、天敵の嫌がる匂いを塗りつけ身を守るという説、異性をひきつけるフェロモン説、害虫駆除のための衛生説など様々です。

原産国

ヨツユビハリネズミ 中央アフリカのセネガルからエチオピア、南はザンビアまで
オオミミハリネズミ リビアからモンゴル、インド北西部

かかりやすい病気

1.皮膚糸状菌症

全身にフケや脱毛、脱針がみられる。免疫が低下しているときに発症しやすい。

2.ダニ

ヒゼンダニ類・キュウセンヒゼンダニ類の寄生が原因になります。

背中に大量のフケが出て、脱毛や脱針が起こり痒みが激しいのが特徴です。キュウセンヒゼンダニは耳に寄生するのが特徴ですが、顔や体にも寄生します。

3.肝疾患

カロリーの過剰摂取や運動不足が原因になります。脂肪肝や肝臓への細菌・ウイルス感染なども原因になる。初期は特に症状が出ないが、重篤になると食欲不振、やせる、下痢、黄疸が出ます。

4.歯周病

歯石や歯肉炎が発生しやすい。

5.扁平上皮癌

ハリネズミは、口の中に扁平上皮癌が多発します。

局所浸潤性が強く、骨融解が認められ、採食困難から体重が激減します。

6.脱髄性麻痺

ハリネズミ特有の致死的な病気です。進行性の運動障害が後肢から始まり、進行すると食欲不振・削痩が起こり、だんだん歩行困難になります。

寿命

野生下の寿命は3~5年、飼育下の寿命は6~10年といわれています。

知能

においや声で認識することは可能なようですが、言葉の理解は難しいようです。

鳴き声

攻撃・威嚇 鼻の穴から勢いよく息を吐く「シューシュー」や「シュッシュ」という音を立てる
苦痛・恐怖 「キーキー」「キュッキュ」と鋭く鳴きます
求愛行動・母親が子供を運ぶ時 「クックッ」「コッコッ」

発情

性成熟はオスが5~8ヶ月、メスが2~3ヶ月です。繁殖させたい時にはオスメス番で飼ったほうがよいですが、相性が合わなければメスが針を立ててオスを攻撃します。

ヨツユビハリネズミは周年繁殖動物で交尾排卵なので、オスとメスを一緒にしておくと子供がどんどん増えますので、基本的にオスとメスは離して飼います。

妊娠期間は34~37日です。

ハリネズミの飼い方

必要なグッズ

ケージ

柵の隙間に足を挟んで骨折することもありますので、水槽のほうが良いでしょう。

水槽は保温性はよいのですが、夏は蒸れやすいので糸状菌症やダニに注意してください。

給水器

水はお皿に入れるとひっかけてこぼしてしまうので給水器が向きます。

小屋

ハリネズミは夜行性なので、隠れる場所が必要です

フードボール

フードボールは床が平たく安定しているものを選びましょう。安定が悪いとひっかけてこぼしてしまいます。

回し車

運動不足になると便秘になることがありますので、運動ができるように回し車があったほうがよいです。

専用フード

ペレット状のハリネズミ専用のフードを与えましょう。副食でミルワームなども与えます。

床材

様々な床材がありますが、間違って食べることもあるので食べても大丈夫なものを選びましょう。

住環境

ケージの中

  • 床材
  • 小屋(隠れるためのもの)
  • 給水器
  • 回し車(ケージ内に入れるならばケージはかなり大きなものが必要です)

ケージの外

  • 落ち着ける場所で、隙間風が入らず直射日光が当たらない場所
  • 適温は24~30度です

食生活

  • 野生のハリネズミは体重の1/3の餌を食べるといわれていますが、運動量が違うので同じ量をペットのハリネズミが食べると太ります。
  • ペレットのみを与えるならば、大さじに3杯程度ですが体格によります。
  • ほかにミルワームやコオロギも食べますが、あくまでも副食です。
  • 少量の野菜(ふやかしたニンジンやかぼちゃ)
  • 夜行性なので餌は夜食べます。基本的には夜1日分の餌を与えればよいでしょう。

性格

ハリネズミは基本的に警戒心が強く臆病です。
周囲のにおいをかぎ、音を聞き、安全を確認すると活動的に動き回ります。

特徴

ノーマル、アルビノ、プラチナ
大きさ 1.1~1.9cm
体重 200~900g(種類による)
前肢の指は5本、後肢の指は4本
全部で36本
盲腸がない

しつけ

しつけは難しいです。

接し方

  • 丸まる前に腹の下に手を入れてすくい上げるように持つことが可能ですがタイミングしだいです。
  • 長時間持つ場合は皮手袋やタオルが必要になります。
  • 昼は寝ている時間なので持ち上げたり、抱っこすることは難しいです。
  • なでるときには頭からおしり方向になでます。

ストレス解消方法

遊びに誘うことは難しいので、回し車や逃走されないように仕切りを入れた場所で自由に歩かせます。

お手入れ方法

ケージの掃除はこまめに行います。

特に高温多湿になる時期はダニなどの外部寄生虫も増えますので、床材もこまめにかえます。

シャンプーは特に必要ありませんが、腹部や針の間に汚れやふけがたまることもありますので目立つときにはぬるま湯で洗うことは可能です。

爪はほかの動物同様に伸びますので、定期的に行います。

 

ハリネズミの飼育の注意点

臭い

糞尿の臭いはそこまで強くないですが、こまめに掃除をしないと臭いが残るようになります。

また、足が短く背中側に針が生えているために便を踏んでしまったり、針の間に汚れが入り込むことがあります。

針は同じ方向に生えていないので、入り込んだ汚れを拭くことが難しいので、糞尿の処理は早め早めに行いましょう。

脱走

ハリネズミは油断すると脱走します。

柵を登ったり、小屋に上って脱走するなど以外に身軽です。また、脱走すると隅や狭いところに入りたがりますが、出てくることができないこともあります。

また、家の外で散歩しているときに行方不明になると夜行性なので探すことは困難です。

また、ハリネズミは外来種なので脱走後、繁殖し増えてしまうと生態系を壊してしまう可能性があります。

日本国内でも脱走したハリネズミが繁殖し野生化していることが問題になっています。脱走には十分お気を付けください。

暑さ寒さに注意

理想温度は24~30度で、反対に気温が17度以下になると冬眠します。窓辺や隙間風が入る場所にはゲージを置かないようにしましょう。

快適に生活できる温度の範囲が狭いので、エアコンやペットヒーターなどで温度調節をしっかり行いましょう。

換毛期

換毛期のハリネズミの抜け毛は腹部のやわらかい毛が少しずつ抜けますがかなりの量になります。

この抜け毛を食べてしまうこともありますし、足に絡んでしまうこともあります。

足に絡むと最悪の場合血行が途絶え指先などが壊死することもありますので要注意です。

背中の針も抜けますが、健康体のハリネズミで一気に全部抜けることはありません。

白癬菌

ハリネズミは白癬菌にかかりやすく、全身にかさぶたやフケが浮いたようになります。

重度になると脱毛や脱針が起こります。幼体やダニ・細菌感染などの皮膚免疫機能が低下することで発症することが多いです。

診察する獣医が少ない

ハリネズミを診察する獣医は少なく、また警戒すると針を立てて丸くなるため診察が十分にできないことがほとんどです。

診察するためには麻酔をかける必要があり、体調不良時の麻酔は危険を伴います。
ハリネズミをお迎えする前に近隣で診察可能な動物病院があるかの確認をしっかり行い、十分な診察を行うためには麻酔をかける必要があることも理解しておきましょう。

ハリネズミの種類とは

ヨツユビハリネズミの分類

ノーマル

針の先端がクリーム色、針の中央部には茶黒いろの縞があります
ノーマルは別名ソルト&ペッパー

プラチナ

針色は白色であるが、鼻や眼の周囲は黒色で、黒眼です。

アルビノ

針や皮膚の色は白で、鼻も白です。眼の色が赤色です。

ペットとして飼育されているハリネズミ

現在ペットとして飼育してもよいハリネズミは「ヨツユビハリネズミ」だけです。

以前はナミハリネズミやマンシュウハリネズミも飼育されていましたが、日本にいなかったマンシュウハリネズミが野生下で繁殖し日本に定着しました。

これをきっかけに2005年にマンシュウハリネズミ、ナミハリネズミなどのエリナケウス属を特定外来種として飼育・販売・生体移動を禁止しました。

ハリネズミの繁殖

本来日本にいなかったハリネズミが野生化し日本に定着してしまいました。

その結果、飼育を禁止されるようになりました。(上記)ハリネズミは、周年繁殖動物で交尾排卵動物ですので、交尾すると高い確率で妊娠します。

脱走や飼い切れなくなり捨てるなどが起きると、野生下で定着してしまい飼育禁止になりかねません。安易な繁殖はしないようにしましょう。