猫の鳴き方はさまざまあります。まるで独り言をしゃべっているように鳴いたり、年に何度か、要求があるときだけ鳴いたり。
そして、飼い主が困ってしまうくらい、鳴き続ける猫も。今回は、猫の鳴き声の種類とそのときの気持ちと、鳴きやまないときの対処法についてお話します。
猫の鳴き声にはたくさんの種類がある
猫の鳴き声は、人と同じようにその時の気持ちによって変わります。
喜怒哀楽はもちろん、もっと微妙な感情が鳴き声に反映されていて、声のトーン、抑揚のつけかたによって、その種類は20通りとも100通りともいわれます(どう分類するかによって違います)。
猫はもともと単独で生活をしていたので、実は基本的にはあまり鳴かない動物です。鳴くときは発情期やケンカの時など限られた場合だけ。
しかし、人と暮らすようになってから、個性の幅がでて、コミュニケーションをとるために頻繁によく鳴く猫も登場するようになったのでしょう。
鳴き声と猫の気持ち
鳴き声以外に、そのときの状況や態度・仕草などを合わせて考えれば、猫の気持ちがよりわかるように。猫がどんな場面でどんなふうに鳴くのか、その代表例をご紹介します。
飼い主さんに対して話しかけているような鳴き方をするとき
1.「ニャッ」「ニャン」「ウニャ」:語尾を短く、軽く鳴く
飼い主や知っている人から話しかけられたとき、名前を呼ばれたときの「挨拶」。「やあ、なに?」という感じです。
2.「ニャーン」:語尾を伸ばして、甘えるように繰り返し鳴く
要求を伝える鳴き声。基本的に人に対してしかこのような鳴き方をしません。「お腹減った!ごはんください!」「ドアを開けて!」「膝にのせて!」といった気持ちを表しています。
このとき、声がでていないこともあります。猫好きの間では「サイレントニャー」と呼ばれている鳴き方で、これも飼い主さんに対して甘えや要求の気持ちを表します。
独り言のように鳴くとき
1.「カカカカカ」:下顎を小刻みに振るわせて連続で鳴く。
窓の外にスズメなど獲物を見つけたときに、思わずこのような声がでます。「これから襲い掛かるぞ!」という気持ち、捕りたいのに捕れないもどかしさを表します。
2.「フゥ」:人のためいきのように鳴く
緊張が解けるときにもれる、鼻息のような声です。必ずしも、人のため息のように呆れたり、イライラする感情があるのではありません。
3.「ゴロゴロ」「グルグル」:声というより喉を鳴らす音
主に、幸せで嬉しい気持ちのときに出す音で、どのように出しているのかはわかっていません。よく聞くと猫によって個性があります。ただし、具合がとても悪いときにもこの音を出すので、猫の状態に気をつけましょう。
強く激しく鳴くとき
1.「シャー!」「フシャー!」:息を激しく吐くように鳴く
知らない人や知らない猫など敵と思った相手に対して出す声。「怖い、やめて!」「こっちにこないで!」という不安と警戒の気持ちがあります。病院で嫌なことをされるときにも聞くことがあります。
2.「ギャー!」「ギャッ!」:大きな声で悲鳴のように鳴く
しっぽや足を踏まれるなど、痛みに伴って出る叫び声。怪我がないか確かめましょう。
3.「アオー」「アニャー」:必死な感じで鳴き続ける
例えば病院に行くなど、知らない所に連れていかれるときにキャリーケースの中で叫ぶように鳴きます。「ここから出して!」という気持ちです。
鳴き続ける場合は、要求やストレスがある
主に夜中に、大声で「ニャーン」「アニャーン」と延々と鳴き続けることがあります。そんな時は、猫になにか強い要求やストレスがあるのかもしれません。
例えば、飼い主さんに構ってほしいという強い要求や、場所になじめない、寂しい、仲間からいじめられている、トイレが汚いなどストレスや不満があるときです。
このような場合、飼い主の生活に支障がない範囲でできるだけ要求にこたえてあげれば鳴きやみます。
しかし、ストレスがとくに強いと習慣的になっていることもありますので、その場の対処だけでは終わりません。根気よくストレスの原因を取り除いてあげましょう。
例えば、昼間や寝る前に十分に遊んだり、撫でてあげたりする時間をしっかりつくり、くつろげる場所(高い場所にベッドを置くなど)を増やすなどして生活環境を改善するのも1つの方法です。
ただし、あまりにも鳴き続ける場合は、病気の可能性もありますので病院を受診しましょう。
まとめ
私たち飼い主が、鳴き声のメッセージをきちんとキャッチできれば、より細かく愛猫の気持ちをわかってあげられるはずです。ふだんから愛猫鳴き方、声の調子を注意深く聞くようにしましょう。