2017年10月7日更新

猫の1日の活動パターンを考える。猫はほんとうに夜行性なの?

NEKOCLIP



ペットシッター、愛玩動物飼養管理士2級

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。

 

猫を飼っているなら必ず経験する夜の大運動会。寝不足になってしまう人も少なくないでしょう。マンション住まいのわが家でも、夜中の3時くらいに運動会が勃発し、いつ苦情がくるかとビクビク暮らしています。

夜になると活発になる印象から、多くの人が猫は夜行性動物であると信じていますし、世間一般でもそのようにとらえられています。

ところが最近はちがう見解が出てきたようです。

 

動物の一日の活動には4つのパターンがある

「夜行性」や「昼行性」という言葉は、動物をあつかうニュースなどでもよく使われ、知られている言葉だと思います。

これらは、本来は動物生態学の用語で、文字通り夜の時間帯に活発に活動することを「夜行性」、昼間の時間帯に活動することを「昼行性」といいます。

しかし生態学において、動物の一日の活動パターンは他に「薄明薄暮性(日の出、日の入りの時間帯に活動)」と「一日中性(ほぼ一日中活動)」というパターンもあり、陸上生活する哺乳類の日周活動は「夜行性」「昼行性」「薄明薄暮性」「一日中性」の4パターンがあると考えられています。

日周活動の線引きは難しい

ただし、これらの分類は人間が区分けしたものであって、実際の動物の生活が線を引いたように分かれるわけではありません。

同じ種類の動物でも、住んでいる地域の環境や季節によっても変わることがあるのです。

しかも野生動物の生態を観察することは簡単ではありません。かつては、それこそ一日中動物を追跡しなければいけませんでした。かかる時間と労力は相当なものです。

また、人間が近くにいることで動物の行動に影響がでる可能性もあります。最近は赤外線カメラという強い見方ができたことでだいぶ楽にはなりましたが、それでもきちんと調べられている動物は多くありません。

そういう意味でも、今まで信じられていたことが、詳しく調べたらちょっと違った、ということはありうることなのです。

 

猫は「夜行性」ではなく「薄明薄暮性」に区分される

従来、ペットの猫は、他のネコ科動物の多くと同じように夜行性といわれてきましたが、最近は「薄明薄暮性」と再認識ようになりました。

今まで夕方から明け方まで活動するとざっくり考えられて夜行性とされていたのが、生態学の知識が浸透し、厳密には薄明薄暮性であるとわかったからだと考えられます。

祖先であるリビアヤマネコにも「薄明薄暮性」のものがいる

ネコ科の多くは夜行性とされていて、猫の祖先であるリビアヤマネコも一般には夜行性だといわれています。しかし野生ネコの専門家によると、リビアヤマネコは基本的には夜行性ですが、暑い気候の地域では薄明薄暮性となるようです(※)。

気温が高い地域では、夕方や明け方が涼しく活動しやすいからです。もしかしたら、ペットの猫もそのような薄明薄暮性の素質をリビアヤマネコから受け継いだのかもしれません。

猫は人にあわせて活動パターンを変える

さきほども述べたように、動物の日周活動のパターンの線引きは難しく、とくにペットの猫は流動的です。

飼い主の生活に合わせるようになったからです。つまり飼い主の暮らし方がちがえば、猫の暮らしも変わるということです。

農場など自然環境の多い外で暮らす猫たちは、おそらく獲物のネズミと同じ薄明薄暮性を貫いているでしょうし、反対に都会の猫は、例えば会社員の飼い主の生活に合わせて夜には飼い主と寝てしまう子が多いでしょう。

猫は人に合わせて生活のリズムを変えてくれるのです。

結論として、猫は基本的に薄明薄暮性ではあるものの、飼い主のライフスタイルにあわせてそれぞれの猫が夜行性になったり、昼行性になったりする、フレキシブルな性質をもつ動物であるといえます。

夜の運動会をやめてもらうには

猫が夕方と明け方の時間帯に大運動会をするのは、もちろん本来の活動時間でもあるからですが、運動不足も大きな理由の1つです。

そのため、寝る前に人が30分ほど十分に遊んであげれば、猫は夜寝てくれるようになるでしょう。走るだけでなく、ジャンプするような遊びを取り入れると効果的です。

集合住宅の方は、布団やベッドなど分厚いマットの上で遊んであげれば下の階に気兼ねなく遊べます。

まとめ

猫と一緒に眠るのは飼い主冥利につきる、嬉しいひと時です。それができるのも猫が人に合わせてくれるから。

でも猫にばかり合わせてもらうのではなく、私たち飼い主も一緒に遊ぶ時間を増やしてストレスを解消し、猫も楽しく生活を送れるようにしてあげたいものです。

 
 

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