2017年10月14日更新

臭いから気づくかも!愛犬のおならは病気なの?【獣医師が解説】

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愛犬のおならに気づいたことはありますか?犬のおならも、私たち人のおならと同じように、音が出たり出なかったりします。

音が出ず、突然にくさい臭いが漂ってきたり、また、音が出た時の犬の反応もそれぞれで、びっくりしたり、気まずそうな顔をしたり、思わず笑ってしまうこともありますよね。

おならの臭いはくさいものですが、その臭いは腸の健康のバロメーターになることもあります。今回は犬のおならをテーマにして少しお話をしていきたいと思います。

 

犬のおなら

おならの原因

消化管、つまり、胃や腸の中にもガスが存在します。胃に溜まっているガスはゲップとして口から出ますが、腸に溜まっているガスはおならとしてお尻から排泄されます。

胃や腸の中のガスはなぜ溜まるのでしょうか。まずは空気を飲み込んでしまうことが原因として挙げられます。食事の時に食べ物と一緒に飲み込んでしまったり、炭酸飲料の摂取などです。

犬に炭酸飲料を飲ませている方はあまりいらっしゃらないと思いますが、急いでガツガツと食べることで空気を一緒に飲み込んでしまうことや、運動をして息が切れたりすることはよくありますよね。

このようして口から入ったガスがげっぷとして排泄されなければ、腸に流れ、おならとしてお尻から体の外に出ます。

また、犬にも腸にはたくさんの腸内細菌が存在しています。この腸内細菌がガスを作るのです。

腸内細菌が作り出すガスの量や成分の違いは、食べ物に依存することもありますし、その時の体調によっても変わってきます。

腸の動きが良くない時にもガスが発生します。

消化管の動きは自律神経の支配を受けていて、副交感神経が優位になった時には消化管の動きが活発になります。副交感神経は夜の神経とも呼ばれ、夜休む時やゆっくり食事を摂る時などに優位になります。

もし、常に緊張状態にあり、ゆったりとした気持ちで休めないと、交感神経が優位になり消化管の動きも悪くなってしまいます。

このため、ストレスなどによる自律神経の乱れが原因で消化不良を起こしたり、腸の動きが悪くなることもあります。

また、腸に炎症があったり、腫瘍ができていても消化機能や運動機能を落とすため、おならが増える可能性もありますね。

どれくらいが標準

では、どのくらいおならが出るのが普通なのか…これはなかなか難しいのですが、飲み込んだ空気の量や食べ物によっても異なります。

しかし、おならが多い!と感じるのは、普段とは違うためにその変化に気づくのだと思います。

一般的な「標準」を考えるより、愛犬にとっての「標準」を見つけ、その標準と比べて、多いのか少ないのか、臭いが強いのかそうでないのかを考えたらよいと思います。

おならが出やすい犬

おならが出やすい犬種

パグやフレンチ・ブルドッグ、シーズー、ペキニーズなどの短頭種では鼻が短く、気道も短くて呼吸があまり上手ではありません。

そのため、短頭種ではそれ以外の犬種よりも呼吸の際に空気を飲み込みやすく、理論的におならが多くなると考えられます。

おならが出やすいフード

さつまいもイコールおならのイメージがありますが、食べたらおならが出やすい食べ物はあるのでしょうか。

消化があまり良くなくて、大腸まで流れて腸内細菌に消化されるものは、消化の際にガスが発生しておならが出やすいと言われています。

具体的には糖質が多い食べ物、甘いパンやクッキー、果物など。また、食物繊維が多い食べ物、野菜、果物など。タンパク質を多く含む食べ物、大豆類、お肉、ジャーキーなどです。

とくにタンパク質はスカトール、インドール、硫化水素ガスが発生するために、においも臭くなります。

さつまいもは糖質も食物繊維も多く含みますので、さつまいもイコールおなら、はイメージだけでなく、きちんとした根拠もあるといえますね。

もちろん、これは犬にも当てはまります。犬は雑食ですが、どちらかというと肉食に近い雑食です。

そのため炭水化物、繊維質の多い食べ物の消化は特に苦手になりますので、ダイエットのためにお野菜を与えられているとおならが増えるかもしれませんね。

ダイエット用のドッグフードでも繊維質は増やしてありますので、ダイエット用のドッグフードを食べていてもおならが増える可能性はあります。

もちろん、おならが出ることは悪いことではありませんので、極端に制限する必要はありません。

 

健康チェックの目安

おならが臭い感じたり、多いと感じたら

普段と変わらない食生活なのにおならの臭いが強いと感じる時には、腸内細菌が乱れているかもしれません。

犬にも腸内細菌が存在しており、善玉菌と悪玉菌のバランスが取れています。このバランスが崩れてしまうと腸内環境が変わり、おならの臭いにも変化が出ます。

また、消化不良を起こしている時にもおならのにおいは臭くなります。おならの変化以外に特に症状が無いのであれば、おやつを含めて食べ物の見直しをしたり、ストレスがかかっていないかなどに気をつけてあげてください。

おならが出ている時にありがちな症状

消化不良を起こしている時には下痢がみられたりします。その時には便のにおいも臭くなります。また、腸の動きが遅くなり、ガスや便が停滞しやすい状況では便秘も起こるかもしれません。

おならが多いと感じたら

特に健康にも問題ないが多い時

病気が原因ではなくても、おならが多いと気になってしまいますね。そのような時には食事を見直してみましょう。おやつを与えすぎていませんか?過剰なタンパク質はおならの臭いがきつくなります。

同じ頻度でおならをしても、臭いが強いと余計に気になると思うので臭い対策も大切なポイントです。腸内細菌のバランスも大切です。バランスが崩れて悪玉菌が増えるとおならも増え、臭いもくさくなります。食生活の見直しと同時に、乳酸菌サプリメントを取り入れても良いかもしれません。

改善できるかもしれない生活習慣

腸の健康な状態を保つにはやはり食事が大切になりますね。毎日に決まった時間にフードを食べさせていますか?食べないからといっていつまでもフードを置きっ放しにして好きな時に食べる、というのは腸にとってはあまり良いことではありません。

食べ物の消化は、フードを目で見て臭いを嗅いだ時から始まっています。そして、ある程度の量を食べないと胃も腸も動き出しません。ちょこちょこと少しずつ食べていると、きちんと消化管が動いて消化をしてくれない可能性があり、消化不良を起こしてしまうかもしれません。

決まった時間にフードを与えても食べてくれなければ、ある程度の時間がきたら食器をさげてしまい、次の食事時間まで何も与えないようにしましょう。お腹が空けばちゃんと食べてくれるはずです。

また、おやつの与えすぎもよくありませんね。愛犬が喜んで美味しそうに食べてくれることは嬉しいことですが、食事時間にフードを食べなかったり、肥満につながったりします。

もちろん、きちんと消化をできずにおならにもつながります。

ストレスも自律神経の乱れを招き、消化管の機能を落とす原因になってしまいます。適度な運動はストレス解消にもつながります。散歩に連れていってあげたり、一緒に遊んであげたり、愛犬によっては抱っこして一緒にテレビを見ることもストレスの軽減につながるかもしれません。

さいごに

おならが出るということには、いろいろな原因があって、おならが増える原因も1つではなく、重なっているのだと思います。とはいうものの、中には病気が隠れていることも無いわけではありません。おならだけでなく、他の症状を伴う時には、生理現象で片付けず、動物病院で診察を受けることも大切です。