2017年11月8日更新

【獣医師が解説】猫のおならに要注目!その特徴と危険なおならってどんなもの?

後藤大介



獣医師

 

猫もおならをすること、ご存知ですか?猫は音の出るおならをすることが少ないため、おならをしていても気付かないことも多いですし、まったくおならをしない子もいます。

おなら自体は健康な子でも出ますが、体調不良からおならが出ることもあります。

今回は、猫のおならについて、その特徴を解説し、体調不良による注意すべきおならについてもお話しします。

普段の生活で「猫のおならにどうやって気付いたらいいの?」「これっておなら?」「このおなら大丈夫?」などと感じたことのある飼い主さんはぜひ参考にしてみてくださいね!

 

猫のおならの特徴

まず、猫のおならにはどのような特徴があるのか、人のおならと比べながら見てみましょう。

おならの音

猫のおならはほとんどが無音です。猫のおならに音で気付くということは多くはなく、知らない間に何かにおっているというケースが多いです。

「スー」という音が聞こえることは時々ありますが、「ブー」となるようなおならをすることは珍しいです。

おならのポーズ

猫にはおならをするときのポーズというのは特別ありません。うんこをきばった時に一緒に出ることがあれば、寝ている姿勢のまますることもあります。

おならのにおい

猫のおならのにおいは、人と同じようにその猫その猫で全く違います。おならのにおいは腸内の環境に左右されるため、体質や食べているフードの影響によってにおいは決まってきます。

我慢できないほどくさいにおいのするおならもあれば、ほとんど無臭のおならもあります。

肛門嚢のにおいとは違う

おならのにおいは、肛門嚢のにおいとは大きく異なります。

肛門嚢はかなり強烈なにおいを持つ分泌物を出す、肛門の脇についているにおい袋です。

肛門嚢は腸にはつながっておらず、腸の中の環境を反映しませんので、その匂いはウンコやおならとは全く違います。

肛門嚢のにおいを表現するのは難しいのですが、1度嗅いだら忘れられないような、とにかく強烈で強いにおいです。

また、肛門嚢の内容物はガスではなく液体ですので、それが肛門に付いていると、ずっとにおい続けることが多いです。

一方おならは腸で発生したガスになりますので、基本的にはウンコに似たにおいであり、数分すればニオイは消えます。

もし、猫の肛門付近から独特の強烈なにおいがずっと出ている場合は、肛門嚢の中身がお尻についている可能性があるので、お尻を拭いたり洗ったりしてあげましょう。

猫のおならの原因


猫がおならをするのは体質である場合もありますが、それ以外にいくつかおならを増やす要因が考えられます。

食べ方

おならは腸に溜まったガスがお尻から出るものです。基本的には大腸で発生したガスではありますが、飲み込んだ空気が腸を下降してそのままおならになることもあります。

そのため、がつがつと空気と一緒にフードを食べるような子の場合は、おならが増える可能性があります。

ただし、飲み込んだ空気は腸の中で吸収されることも多く、食べ方だけでおならが異常に増えることは多くはありません。

フード

食物繊維(特に不溶性繊維)を多く含むフードは、腸内の発酵を促進しガスを発生させるため、おならを増やすことがあります。ただし、高繊維食によるおならは、不快なにおいが少ないと言われています。

動物性たんぱく質を多くとると、たんぱく質の発酵によりくさいにおいのガスが出てきます。

草食動物は動物性たんぱくをあまりとらないので、おならをしてもにおいは強くはありません。

体調

腸の内容物の発酵が進みガスが産生されるような状態の場合には、おならが出ることがあります。

基本的に体調不良によるおならはにおいがきついケースが多いため、最近くさいおならが多くなってきたという場合には、少し注意が必要です。

その一つの原因が悪玉菌の増加です。

腸炎や消化不良などで消化管内の環境が悪化すると、腸の中の悪玉菌が増えてきます。

悪玉菌は腸内にある栄養分をガス発酵させる働きを持っており、悪玉菌が増えて来ると大腸にガスが溜まって、くさいおならが出やすくなります。

また、フードの消化不良が起きた場合も、栄養分が豊富な食べかすが大腸へ流れてきて、発酵する為の栄養素が多くなるため、ガスの産生が増加しておならが増えてきます。

 

体調の悪いおならの見分け方


おならをしていても、しっかりといつもと変わらない便が出ている場合には、それほど気にする必要はありません。ただし、

  • 胃腸環境の悪化
  • 胃腸の運動異常
  • 食べ物の停滞

などの体調の悪化によっておならが出ていることがあります。その場合には以下のような症状が出てきますので、こういった症状がないかどうか気を付けてください。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 元気の低下
  • お腹の張り
  • 腹痛
  • 頻度が増えて来る
  • 異常にくさい

こういった症状がある場合には、早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。

また、これらの症状がなくても食餌を変えてから急におならが増えてきたという場合には、一度フードをもとのものに戻した方がいい可能性があります。

フード変更によって腸内環境が急激に変わっている恐れがあり、そのまま続けると下痢や食欲不振などの体調不良が出てくる可能性があります。

おならを少なくする方法

体調不良によるおならでなければ、あえて減らす必要はありませんが、おならが気になるという場合や、くさいおならを減らしたいという場合は、以下のような方法を試してみましょう。

早食い防止

早食いをすると空気も一緒に飲み込んでしまい、そのガスがおならとして出て来ることがあります。

早食いは消化にも良くなく、また肥満の原因にもなりますので、できるだけゆっくり食べてもらうような工夫が必要です。

早食いの癖が取れない場合は、フードを1日3回以上に分けて与えたり、コングなどを使って遊び食べをさせるのもいいでしょう。

フードの変更

フードの種類もおならに影響を与えます。くさいおならが気になる場合には、食物繊維が有効です。

食物繊維がたくさん入ったフードを食べることで、腸内環境が整えられ、くさいガスを発酵して出す菌が減ってきます。

また、おなら自体の量や回数を減らしたい場合は、不溶性繊維が少なく、可溶性繊維が多いフードを選ぶのも一つです。

ただし、不溶性繊維が多いとおならは増えますが、不溶性繊維によるおならはあまりにおわず悪いおならではないため、無理に減らす必要はありません。

また、便秘気味の子の場合には、不溶性繊維を増やすことで便通が良くなり腸内発酵が減っておならが減る可能性もあります。

サプリメントの使用

腸の環境を整えるようなサプリメントも、おならを減らしたり、おならのにおいを弱める効果がある可能性があります。

おなら対策としては、ビオフェルミンやビフィズス菌、宮入菌などのプロバイオティクスや、オリゴ糖やビール酵母などのプレバイオティクスなどがおすすめです。

定期的な肛門嚢絞り

おならとは異なりますが、肛門嚢がにおう猫では、定期的に肛門嚢を絞っておくことでにおいが気にならなくなります。

肛門嚢絞りはお家でもできますが、無理に行うと炎症を起こしてしまうこともありますので、動物病院で絞り方を教えてもらってからやるようにしましょう。

まとめ

猫がおならをするということをご存知ない人も多いようですが、気付かないうちにしていることも少なくありません。

おならをすること自体は異常ではありませんし、逆におならをしないからと言って心配する必要はありません。

ただし、異常にくさいおならやおならの頻度が増えてくる場合は何らかの病気のサインである可能性もあります。愛猫をよく観察して、異常なおならをしていないかどうか早めに気付けるようにしておいてくださいね!