2017年12月2日更新

猫の皮膚トラブルや術後の傷口保護に「術後服」。メリット・デメリットと上手な使い方

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ペットシッター、愛玩動物飼養管理士2級

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。

 

皮膚のトラブルや、手術後の傷口を舐めさせたくないときは一般にエリザベスカラーを使いますが、食事がしづらく、体幅の感覚が狂ってあちこちにぶつかるため、嫌がる猫も多いようです。

最近は、カラーの代わりに術後服という、洋服型の傷口ガードが知られるようになりました。

今回は術後服のメリット・デメリット、使用の注意点についてお話します。

 

術後服とは

術後服とは、皮膚の炎症や手術後の傷口を舐めて悪化することを防ぐ、洋服型の傷口ガードです。

基本的にはエリザベスカラーと同じ役割を持っています。エリザベスカラーが苦手で、服を着ることにあまり抵抗がない猫には術後服がおススメです。

術後服のメリット

全身を保護することができるので、術後の傷口保護だけでなく、腫瘍などの広い患部の保護や過剰グルーミング防止にも使えます。

エリザベスカラーと違い、ものにぶつけたり、食事がしにくかったりなど、生活上困ることはありませんし、カラーより脱ぎにくいので傷口をしっかり保護できます。

 

術後服のデメリット

服に慣れていない猫、服が嫌いな猫には向きません。

体を覆われる面積が広いので、ストレスが大きくなることも。特に全身を覆うタイプはグルーミングができないため、強いストレスを感じる猫もいます。

たくさんある術後服の種類

術後服は、基本的に体に優しいソフトな素材(ガーゼやスウェット生地)を使っていますが、形状や着用方法などはいろいろな種類があります。

患部の状態によって適した服を選びましょう。

「形」の種類

患部の位置、広さによって選びますが、服を着慣れていない猫には、できるだけ布面積の少ないものがよいでしょう。

  • Tシャツ型(袖の長さはいろいろ):上半身の患部の保護、過剰グルーミングに
  • オールインワン型:避妊手術などの開腹手術、患部が広い場合に
  • パンツ型:下半身の患部の保護、過剰グルーミングに
  • マント型:首周りの患部の保護に
  • 帽子型:頭周辺の患部の保護に

着用方法の種類

患部の位置によって選びます。

  • お腹あきタイプ:患部が背中にある場合
  • 背中あきタイプ:患部がお腹にある場合
  • 頭から被るタイプ:患部が背中、お腹どちらにあっても大丈夫ですが、猫も人も馴れていないと着せにくいかもしれません。猫が嫌がることも

留め方の種類

  • ファスナー:柔軟性に欠けるので違和感が出やすいが、はずされにくい
  • 面ファスナー:比較的動きやすい。ファスナー部分が小さいとはずされやすい
  • ボタン:ボタンとボタンの間隔が広いと脱げやすい。ボタンを噛む猫も
  • リボン:ほどけやすい。リボンのひも部分を噛む猫も

術後服を着せる際の注意点

サイズがぴったり合うものを選ぶ

猫は体が柔らかいので、あまりぶかぶかだと脱げてしまいますし、かといって窮屈すぎるとストレスの原因に。

首回り、胸回り、胴回りなどをできるだけ正確に測り、サイズの合う服を選びましょう。

ストレスに注意する

服を着せることでストレスがたまり、かえって症状が悪化するようでは本末転倒です。

手術の予定が決まっているようなら、あらかじめ慣らしておくとよいでしょう。

介護服的に長期間使う場合も、いきなり一日中着せるのではなく、徐々に着用時間を伸ばすなど、少しずつ慣らすようにしてください。

室温に注意する

被毛の上に着るわけですから、特に夏場は暑くなりすぎないよう室温に注意しましょう。

手作りする際の注意点

愛猫の患部の部位、広さにぴったり合ったものを着せてあげられることが、手作りの良い点です。

しかも、オールインワン型であれば、伸縮性のある人間用の服の長袖部分や、タイツ、靴下に手足を通す穴をあけるだけで、お金をかけず簡単に作ることができます。作る際は、次のことに注意してください。

  • 首回り、手足の動きを制限しないように、かつ脱げないようにする
  • 留め具がある場合は、患部側に当たらないようにする
  • 留め具は、噛んではずしたり、誤飲しない素材を選ぶ
  • 病中は体重や体型が変わって合わなくなることもあるので、長期間使用する場合は作り直すか、適宜調整できるようにする

まとめ

避妊手術は一時的なものなので手作りしたほうが安上がりですが、病気などで長い期間使用する場合は、品質の良い市販品を利用してもよいと思います。

ただし、治療の妨げになることもあるので、獣医師に相談して使い方や服の形状をよく検討したうえで使用するようにしてくださいね。

 
 

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