2017年12月3日更新

初心者でもよく分かるカメの飼い方【獣医師が解説】

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カメには「水にすむもの」「水と陸にすむもの」「陸にすむもの」がいます。

それぞれに様々な種類がいますし、甲羅の模様や色も派手さはありませんが独特の魅力があります。

種類や原産地によって餌の種類や最適な環境が異なり、体調は環境が左右すると言われています。

元気で長生きできる環境や気をつけたい病気などについて解説します。

 

カメとはどんな生き物か?

カメの特徴

カメの特徴は以下のようになっています。

  • 分厚く丈夫な甲羅がある
  • 首、手足が甲羅の中に入り込む
  • 首は縦にS字状に曲げて引っ込めるものと、横に曲げるものがいる
  • 卵を産む
  • 長生き
  • 陸、水の中、陸でも水の中でも生活できる種類がいる

など

どんなところに住んでいるか?

カメが住んでいるところ3種類に分類した表です。

水棲 海や川に生息しています
半水棲 流れの緩やかな川や、湖・池・沼などに生息しています。
陸棲 比較的気温の高い地域で湿度の高くないところを好みます

食べ物

水槽ガメの代表であるミシシッピーアカミミガメなどは、「配合飼料」をメインにする方が栄養バランスなどを考えると楽です。

それ以外には「ミミズやイトミミズ、赤虫、ミルワーム、エビなど」も好みます。野菜や果物を食べる個体もいます。

ニンジンや小松菜、リンゴなどは食べますので時々上げるとよいでしょう。

陸ガメの代表、ロシアリクガメなどは、「配合飼料」を中心にしましょう。

ドライフードの状態で販売されていますが、ドライのまま与えるのではなく水で適度にふやかしてあげることが大切です。

野菜や果物も好きで、小松菜、チンゲンサイ、ニンジン、カボチャ、バナナ、リンゴなどを食べますのでドライフードのみではなく与えるようにしましょう。

亀の体臭

水槽ガメのクサガメ、ニオイガメは独特の臭いを分泌します。

飼育下ではあまりないといわれていますが、自然界では敵から身を守るために、威嚇したりするときにこの臭いを発します。

また、水槽ガメは水質が悪化しやすく、掃除の間隔があいてしまったりフィルターの機能が働かないと悪臭が出ることがあります。

水の中で糞や尿をするので、悪臭はいたしかたない部分もあります。

しかし水質が悪くなると、健康状態に影響しますので、こまめに水槽の掃除は行いましょう。

カメの性質

適正温度

水槽ガメの場合は、水温を24~29度に保つ必要があります。

冬になり水温が下がると動きが悪くなり、食欲が落ちますのでできるだけヒーターを入れて水温を保ちましょう。

陸ガメの場合は、水槽内全体の温度は28~30度位が適温です。ホットスポット部分は32~35度必要です。

夜間は10度くらい下げます。

知能

飼い主のことは認識できる個体が多いようです。

また、ご飯の時間も大まかに認識していますし、配合飼料の入れ物を同じものを使えば餌がもらえるとアピールする場合もあります。

亀の成長

カメの体格は様々です。飼育状況によって大きさも変わりますが、成長時の平均的な大きさは以下です。

リクガメ

リクガメの平均的な大きさは以下のようになっています。

ロシアリクガメ 20㎝
アカアシガメ 40~50㎝
ケヅメリクガメ 70㎝
水槽ガメ

水槽ガメの平均的な大きさは以下のようになっています。

ミシシッピーアカミミガメ 20~30㎝
クサガメ 25㎝
イシガメ 15~20㎝

亀の寿命

平均的に30年前後が多いようですが、大型のカメになると100年近く生きるという報告もあります。

亀の発情行動

カメの発情行動は種類によって少し異なります。

ミシシッピーアカミミガメはメスの前で手を小刻みに振り、アピールします。

クサガメは首を伸ばし頭を左右に振る動作を行いますし、イシガメはメスの頭をつつくようにするなど様々なアピール方法があります。

亀の飼い方

必要なグッズ

水棲・半水棲の場合

水棲、半水棲のカメを飼育する際に必要なグッズです。

参考にしてくださいね。

  • 水槽(カメが無理なく方向転換できるサイズ)
  • サーモスタット
  • ヒーター
  • ホットスポット
  • 陸になるようなもの(岩・流木・低めの植木鉢・レンガなど)
  • 口に入らないサイズの砂利

陸棲の場合

陸生のカメを飼育する際に必要なグッズです。

参考にしてくださいね。

  • 水槽(カメが無理なく方向転換できるサイズ)
  • サーモスタット
  • 保温球
  • ホットスポット用ライト
  • ナイトライト
  • 紫外線ライト
  • 陸になるようなもの(岩・流木・低めの植木鉢・レンガなど)
  • 口に入らないサイズの床材、または食べても消化される床材
  • 底の平らな餌入れ・水入れ

住環境

水棲・半水棲

水中で暮らすカメの場合は、陸地と水場を作ります。

幼少期は半水槽ガメの場合水場を広く、深くしてしまうと溺れることがあるので浅くします。

甲羅が隠れる程度の水で十分です。成体になるとだんだん深くしていきましょう。

水中で排尿排便をしますので水がすぐ汚れます。

あまり凝ったレイアウトにしてしまうと掃除が大変になります。

掃除が楽にできるレイアウトにしたほうがよいかもしれません。

水温が下がると動きが悪くなりますので、水中ヒーターを入れサーモスタットで管理しましょう。

ヒーターは熱くなりますので、踏んで火傷にならないようにヒーターカバーは必須です。

また、甲羅干しができるように陸地は必要で必ずホットスポットを作りましょう。

水質悪化と水温や環境の温度が低いことが病気の原因になりやすいので十分注意してください。

陸棲

リクガメの場合、温度管理と紫外線が大切です。

ライトは「保温球」「ホットスポット用」「ナイトライト」「紫外線ライト」の4種類が必要です。

紫外線ライトには蛍光灯タイプの横に長いものと、白熱ランプのような丸いものなどいろいろあります。

しかし紫外線を放射させるためのもので、保温する能力は低いです。

温度管理は重要で厚い甲羅に覆われている分、熱が中まで届きにくく、一度冷えてしまうと体温が上がるのに時間がかかります。

保温は上からも下からも行うことが大切で、水槽の底に底面ヒーターを入れましょう。

前面に敷くと熱くなった時に避難できませんので、半面に敷きます。

床材を選ぶときには間違えて食べてしまうことを念頭に置いて選んでください。

異物の呑み込みが非常に多く、消化できないものの場合は腸閉塞を起こします。

食生活

水棲・半水棲

配合飼料、生餌(ミミズ、イトミミズ、ミルワーム、赤虫 など)を中心に与えます。

餌は沈んでしまうと見つけにくいので、浮き餌をお勧めします。

臭いをかぎながら餌を見つける傾向が強いです。

食べきれる量を与えることも大切で、浮き餌も時間がたつと水分を吸収して沈み水が汚れる原因になってしまいます。

陸棲

配合飼料、小松菜、チンゲン菜などの緑の濃い野菜を与えるようにしましょう。

冬は保温をしていても食欲が落ちる傾向があります。

夏から秋はしっかり食べさせて冬の食欲不振時に痩せないように気を付ける必要があります。

また、野菜ばかりあげるとカルシウムなどのミネラル不足を起こします。

カメは、大きな甲羅に覆われていてカルシウムを必要とします。必ず配合飼料をメインで与えましょう。

カルシウムを利用するためにはビタミンDと紫外線が欠かせません。

紫外線ライトは必要ですが、野外での日光浴に勝るものはありません。

リクガメは想像以上に水を飲みます。

水入れの中に入り込んで飲むカメもいますので、水入れはひっくり返らない安定したトレイタイプをお勧めします。

また、温水浴の時に飲むことも多いですので、温水浴は欠かさないようにしましょう。

接し方

さわるときには手足を持つのではなく、甲羅を両側から挟むようにしっかり持ちましょう。

意外と、手足が伸びますのでひっかかれた拍子に落としてしまうことがあります。

カメは甲羅に覆われていますが、硬いところに落ちてしまうと甲羅が割れることがあります。

さわった後はしっかり手を洗いましょう。

カメはサルモネラ菌を持っています。抵抗力の弱い子供さんは特に注意です。

カメのストレス解消方法

カメなどの爬虫類は過度のコミュニケーションを嫌います。

常に見られる、常に触られることは大きなストレスになりますので注意してください。

お手入れ方法

水槽ガメの水槽の掃除はこまめに行うのが一番です。

日を決めるよりは、濁りが出てきたら掃除をしましょう。

陸地用の岩や、底敷の砂利などもぬめりが出たり、細菌やカビの繁殖の温床になりますのでしっかり洗います。

リクガメの便はかなり大きく、尿の量も多いです。

便は踏まないようにこまめに片づけ、尿は床材が吸収しますので、部分的な交換は毎日行います。

全体的な床剤の交換は最低1週間に1回は行いましょう。

 

亀飼育の注意点

飼う亀の特徴を事前に知り準備する

カメを飼う前に、事前に以下のことは調べておきましょう。

カメの種類によっても違いますので注意です。

  • 寿命
  • 成長したときの大きさ
  • 原産地の環境
  • 電気代(保温にかなりの電気代がかかります)
  • 食べ物
  • 病気のこと
  • 診察してくれる動物病院があるかどうか

臭いについての注意点

リクガメはそれほど臭いが強くないのですが、水槽ガメ・半水槽ガメは水の汚れが原因で臭いが強くなります。

カメは水の中で排泄しますが、水を保温するので余計臭います。

水がにごると体調を崩しますので、臭いのためだけでなくしっかり水かえをしましょう。

亀の脱走

カメは水槽からの脱走も多く、岩などに登りふちに手がかかると登って転がるようにして水槽の外に出てしまいます。

水槽に岩を入れたり陸地を作るときには手足の長さと甲羅の長さを確認し手が水槽のふちにかからないか確認してください。

また、以外に走るのが速く目を離すといつの間にかいないこともありますので注意してください。

温度に注意

カメは変温動物で環境の温度によって体温が変化します。

意外と知られていないのが熱中症です。

外で直射日光で日光浴をするときに陰を作らないと熱中症になりますので、避難できる陰は必ず作ってください。

温度が低くなると活動が止まります。

甲羅の背側は肺が広がっていますので上から暖めないと冷えた空気が体内に入り体が冷えます。

カメの生活環境を温める理由のひとつです。

基本的に放し飼いにすることはないはずですが、室内で行方不明になってしまった場合は暖かい場所に入り込みますので、冷蔵庫の裏やコタツの中はチェックポイントです。

診察する獣医が少ない

カメは検査や治療が難しく診察できる獣医師が少ないので、カメを買う前に通院可能な病院が近隣にあるかどうかを確認しましょう。

平均寿命

カメの種類と飼育環境に寿命の長さは左右されますが、大型のカメは100年ほど生きるものもいます。

ロシアリクガメも平均寿命が20年と言われています。

「鶴は千年、亀は万年」と言われるように非常に長生きですので、年齢の問題で自分が万が一飼えなくなった時にどうするのかもよく考えたうえで飼いましょう。

特定外来生物法

外来生物法という法律で飼育に規制がかかる動物がいます。

このような動物を「特定外来生物」といい、指定される動物には以下のような規定があります。

「特定外来生物とは、外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、または及ぼす恐れのあるものの中から指定されます。(以下省略)」

出典:環境省ホームページ (https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/outline.html

カメの仲間ではミシシッピアカミミガメ、ワニガメなどが指定されています。

規制される事項は「飼育、運搬、保管、輸入、野外へ放出、許可を受けていない者へ譲渡」です。

このようなカメを飼育する際には飼養などの許可の申請を行い許可を得てから飼育しなければなりません。

自分が飼いたいカメの種類が特定外来生物法で指定されていないかを確認したうえで飼うようにしましょう。

選定する時

カメを飼うときには以下の点に気をつけましょう。

  • 大きさ、寿命などを考慮し最後まで飼育可能かどうか
  • 甲羅が割れていないか
  • 甲羅の模様がずれていないか、模様の幅が均一かどうか
  • 水槽ガメ、半水槽ガメは甲羅や皮膚にカビが出ていないかどうか
  • 甲羅を押したときにへこまないか
  • 眼が腫れていないか
  • 動きがあるか

などを確認してください。

健康状態が甲羅に反映しやすいので必ずチェックしてください。

健康なカメの場合は甲羅がへこむことはあり得ません。

また、模様は年輪と同じで成長してきた過去の状態を表します。

甲羅を触るとギザギザした線が入っていますので、この間隔がまちまちの場合は順調に成長できなかった時期があることを表します。

かかりやすい病気

呼吸器疾患

細菌感染、栄養不良、ストレスなどが原因になり起こります。

特に低温環境の場合引き起こされやすいので環境の温度には十分注意してください。

症状は、鼻汁、開口呼吸、鼻水が絡むような苦し気な呼吸音などが主な症状です。

適切な温度環境で飼育し、抗生物質とビタミン剤などを投与します。

ビタミンA欠乏症

ビタミンAは皮膚や粘膜の機能維持に重要で、不足すると眼瞼腫脹、上皮の角化、日和見感染などを起こします。

特に多い症状は眼瞼腫脹で、二次感染が起こり結膜炎を併発すると眼瞼同士が癒着し目が開かなくなることもあります。

ビタミンAの経口投与や注射を行います。

ヨード欠乏症(甲状腺腫)

草食性のカメにみられることがあり、飼料に含まれるヨードが不足していることが原因になります。

カルシウムの過剰投与は腸管からのヨード吸収を阻害するので必要以上にカルシウム剤を投与するのはやめましょう。

首の周りが腫れ、粘液水腫を付随することもあります。飼料にヨウ素を添加し治療します。

代謝性骨疾患

幼若なカメに見られ、カルシウムの不足、リンを過剰に含む飼料を与えた場合、ビタミンD3の欠乏、日光浴の不足などから起こります。

低カルシウム血症からカルシウムを補うために骨の破壊が起こり甲羅が軟化し、変形を起こすこともあります。

レタスやトマトなどの栄養の不足する食べ物を食べている個体で起こしやすいのですが、配合飼料を食べている個体ではほぼ見られない。

カルシウムをビタミンD3とともに与え治療します。日光浴も必要です。

寄生虫

淡水産のカメにはヒルなどの寄生虫が確認されることもあります。

これは住血吸虫と呼ばれる寄生虫の中間宿主になりますので注意してください。

内部寄生虫で確認されるのは、回虫や蟯虫、糞線虫、原虫類もよく確認されます。

さわった後はよく手を洗い、傷が入っている素手ではさわらないようにしましょう。

真菌感染症

水槽ガメや半水槽ガメでよく見られ、ミズカビ症とも呼ばれます。

水性真菌の感染症です。頭部に白い斑点が生じ、次第に全身に広がります。伝染力が非常に強いのが特徴です。

日光浴をしっかり行い、消毒します。水替えをまめに行い水槽内の環境をよくすることが大切です。

そのほかにも多くの疾患がありますが代表的なものを取り上げました。

亀の人気の種類

クサガメ

性格

クサガメの幼体はゼニガメと呼ばれます。

比較的攻撃的ではないため飼いやすいですが、驚くと臭腺からくさい臭いを発します。

特徴

黒いつやつやした甲羅を持ち、甲羅と首に黄色い縞模様が入っています。眼に黒い線が入っているのも特徴です。

ミシシッピニオイガメ

性格

水槽カメの中でも比較的温和で飼いやすいのが特徴です。

同じ水槽内で魚や貝とも混泳できます。

特徴

成長しても10㎝前後で小さく、日光浴を必要としないので室内外に向きます。

寒さに強いので、冬場の冬眠も問題なくできます。

陸地をあまり必要とせず水場がほとんどです。

成長期には日光浴が必要ですが、成長期を過ぎれば徐々に減らします。

ヘルマンリクガメ

性格

おとなしくい性格で人に慣れやすく飼いやすいカメです。

リクガメの中では小型で丈夫なので初心者に飼いやすいカメです。

特徴

日本によく似た気候に生息しているので温度管理、湿度管理がしやすいカメです。

とはいっても冬場の低温は苦手なので温度管理は大切です。

水をよく飲みますが、新鮮な水を好みますので毎日こまめに水を変えることが大切です。

ニホンイシガメ

性格

イシガメは神経質で臆病です。まずは環境に慣れてもらうことが先決で、慣れれば餌を与えるときに寄ってくるようになります。

特徴

イシガメはメスのほうがオスより大きくなります。甲羅の色は茶色です。

クサガメの目には黒い線が入りますが、イシガメは黒い線が入りません。

比較的寒さに強く、きれいな水を好みます。

水質が悪化すると皮膚病などになりやすいので水替えをこまめに行いましょう。

まとめ

カメにはたくさんの種類がいます。

見た目はほとんど変わりませんが、原産地によって適する環境が異なります。

お迎えする前に成長後の大きさ、餌の種類、最適環境などをしっかり確認しましょう。