2017年12月6日更新

ストレスによる猫の「ハゲ」。心因性脱毛症の特徴と対処法

NEKOCLIP



ペットシッター、愛玩動物飼養管理士2級

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。

 

ある日愛猫の可愛いお腹にハゲを見つけてしまったら、「どうしたんだろう、病気だろうか?」と不安になりますよね。

猫は、皮膚病など身体的な病気以外にもハゲをつくることがあります。

その原因は心因性、つまり不安や恐怖によるストレスです。このような脱毛を「心因性脱毛症」と言います。

今回はその特徴と対処方法についてご紹介いたします。

 

心因性脱毛症の診断は?

もし愛猫にハゲをみつけたら、まずは病院に行って原因を調べることが大切です。

ハゲをつくる原因はさまざまあり、よくあるのが寄生虫やカビ、細菌の感染による脱毛や、アレルギーによる脱毛です。

ホルモン分泌の異常が原因になることもあります。

このような身体的な原因が診察で見つからなかった場合に、精神的な原因による「心因性脱毛症」を疑います。

心因性脱毛症は、皮膚そのものには問題がなく、ストレスが引き金となって起きる脱毛です。

どのようなストレスがハゲの引き金に?

猫はもともと神経質な動物で、環境の変化を好みません。

しかしどんなに注意をしていても、人と生活をしていれば、家族に増減があったり、室内を改装したり、なにかしらの環境変化はおきてしまうもの。

猫の性格にもよりますが、このような変化から猫が受けるストレスは人が考える以上に大きく、脱毛症を引き起こすことも。

もし猫がハゲてしまったら、大きなストレスを受けるようなことがなかったか、診断や治療の目安にもなりますので、よく思い出してみましょう。

ストレスの具体例

  • 引っ越しをした
  • 家族や同居猫に変化があった(赤ちゃんが来た、懐いていた人がいなくなった、新入り猫が来た、仲の良かった猫が亡くなったなど)
  • 家の中や、近所で大きな工事があった
  • 家に知らない人がたくさんやってきた
  • 他の猫からいじめられるようになった
  • 飼い主がしつこくかまい過ぎ
  • 飼い主の愛情がほかに移った

 

どうしてストレスで脱毛するの?

強いストレスを受けると、体の毛細血管が委縮して血行が悪くなり、毛が抜けてしまいます。

これは人の円形脱毛症と同じメカニズムです。

しかし猫の場合はもう1つ大きな原因があります。それは、過剰にグルーミング。

猫はしばしば気分を落ち着かせるためにグルーミングを行いますが、強いストレスを受けると、同じところを執拗にグルーミングしてしまい、舐め続けることで毛が抜けたり切れたりして脱毛してしまうのです。

症状の特徴

心因性脱毛症は、皮膚そのものは問題がないため、基本的に脱毛した部分の皮膚は、湿疹や腫れなどの炎症は見られません。

血行不良によって毛根が死んで抜けるため、つるつるのきれいな皮膚です。

炎症がないため、痒かったり痛かったりすることもなく、気にするそぶりを見せないところが心因性脱毛症の特徴です。

ただし、過剰グルーミングによる脱毛の場合は、猫のザラザラの舌によって皮膚が傷ついて血がにじんだり、唾液でかぶれてしまったりすることがあります。

また無理に毛をむしるので、切れて短くなった毛が産毛のように生えていることも。このような場合は他の皮膚炎と区別しにくいため、動物病院でしっかり診断してもらうことが必要です。

対処方法

1.ストレスを軽減する

心因性脱毛症を治療するには、まずストレスの原因をつきとめ、それを解消してあげることが第一です。

とはいえ、来客や工事など一過性のものならまだしも、家族構成が変わったり、同居猫からのいじめがあるなどは、ストレスの原因は変わらず存在し続けるため、ストレスをなくすことは容易ではありません。

よく遊んであげる、スキンシップを増やす、静かで落ち着けるその猫専用の場所を用意するなど、暮らし方そのものを改善し、時間をかけて変わってしまった環境に猫自身が慣れていくようサポートする必要があります。

2.過剰グルーミングの場合はカラーなどをつける

同じ場所を舐めさせないように、毛が生えてくるまでエリザベスカラーを装着したり、服を着せたりして、脱毛部分を保護する方法もあります。

しかし、ストレスを軽減する対策と同時に行わなければ、カラーや服を外したとたんに、またハゲてしまいます。

しかも、カラーや洋服に慣れていない猫は余計ストレスを感じるので、いきなり長時間使用せず、少しずつ慣らしていくよう注意してください。

3.精神安定剤などを使う

あまりにもストレスが強い場合は、獣医さんの判断で抗不安剤や精神安定剤を使用することもあります。

しかしこれはあくまで対処であって、原因を取り除かなければ脱毛は完治しませんし、ストレスも取り除けません。あくまでストレスを解消する1つのサポート的な手段です。

まとめ

猫は大変ストレスを感じやすい動物です。大丈夫かな、と飼い主が思っていても、ある日突然、ハゲをつくっていることもあります。

日ごろからストレスを感じさせないように、遊びやスキンシップの時間を十分にとり、安心できる場所をつく

 
 

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