2017年11月18日更新

犬は牛乳を飲んでも大丈夫?下痢の可能性も…【獣医師が解説】

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牛乳はカルシウム補給には優れている、というイメージがありますね。

しかし、牛乳には炭水化物、タンパク質、脂質だけでなく、ビタミンやミネラルもバランスよく含まれて、私たちにとっては優れた飲み物です。

それでは、犬にとってはどうなんでしょうか。

今回は犬と牛乳についてです。今まで犬に牛乳を与えていた方もそうでない方もぜひ参考になさってください。

 

犬は牛乳を飲んでも大丈夫?

牛乳を飲んでも大丈夫?

牛乳は牛の乳汁です。つまり、牛が子牛を育てるための母乳のことです。

母乳なんですからそれは栄養に優れているものですよね。しかし、乳汁といっても、生乳から、乳脂肪分や乳糖を除いたものなど様々な種類があります。

牛乳には、カルシウムだけでなく、三大栄養素と言われる、炭水化物、タンパク質、脂質が含まれています。

この中の炭水化物、いわゆる糖質ですが、牛乳に含まれる糖質は乳糖といいます。

私たち人間でも、乳糖を分解するための酵素が欠損している方がおり、そういった方が牛乳を飲むと消化不良を起こしてお腹を下してしまいます。

これを乳糖不耐と言います。犬では生まれつきこの乳糖を分解する酵素が欠損していることが多く、牛乳を飲むと消化不良を起こして、お腹を下して下痢をしてしまいます。

そのため、牛乳を与えることは好ましくないとされているのです。

読者さんの中には

「あれ、うちの犬は牛乳をあげているけど、下痢にはならないよ…」

などという方もおられると思いますが、消化酵素を持つ犬もいるため、消化不良を起こさないこともあるのです。

しかし、一般的には、消化不良による下痢をしやすいため、飲ませない方がよいとされており、乳糖を分解した犬用の牛乳が市販されているのです。

また、牛乳にはタンパク質が含まれるため、牛乳でアレルギーを起こす場合もあります。

我が国の犬では、牛乳を含む乳製品は、牛肉、豚肉、鳥肉、大豆、小麦などと並び抗原として重視されています。

危険な量はどれくらい?

牛乳を飲ませて中毒を起こすというわけではありませんが、乳糖不耐がある場合には、少しでも与えればそれは消化不良の原因となり得ますので、たくさん与えれば与えるほど症状もひどくなる可能性があります。

また、アレルギーはall-or-nothingです。つまり、少しでもアレルギーの原因物質が体内に入れば症状が出てしまいます。

そのため、牛乳に対してアレルギーがある場合には、量の多少に関わらずアレルギー症状が出る恐れがあるのです。アレルギー症状は多岐に渡ります。

犬の場合、多いのは皮膚炎です。

アレルギー性の皮膚炎が疑われる犬を飼われている方は、食物アレルギーの可能性もあり、その場合、乳製品がアレルゲンになっていることもあります。

その場合には、牛乳はもちろんですが、ヨーグルトやチーズ、バター、アイスクリーム、それらを使ったパンやおやつなどの加工品に対してもアレルギーを示してしまう場合もあります。

犬が牛乳を飲んだ時の対処法

経過を観察する

犬が牛乳を飲んだからといっても、慌てる必要はありません。

消化不良を起こしてしまった場合には、様子を見てもらっても良いですが、動物病院へ行き治療をした方が早く治ると思います。

下痢など、消化不良を疑うような症状がみられる場合には、動物病院へお連れいただいた方が安心ですね。

乳製品に対するアレルギーでは、人のようにアナフィラキシーを起こすようなことは稀です。

もし、乳製品の摂取後、30分以内にぐったりする、舌の色が真っ白になる、嘔吐するなどの急性症状がみられた場合には、アナフィラキシー症状が疑われますのですぐに動物病院へ行くようにしましょう。

動物病院に行く

動物病院へかかる場合には、どんな場合でもそうですが、次のようなことに答えられるようにしておいてください。診断の一助になり、診察もスムーズに進みます。

  • 牛乳を与えた時間
  • 与えた牛乳の量
  • 症状が出始めた時間帯
    与えた直後、与えてからの時間経過が分かると良いです。なお、数日以上の経過では関係ないことが多いです。
  • どんな症状なのか
    下痢、嘔吐、食欲減退
    体を痒がる(体のどの部分に痒みが出ているのか)
  • 症状に変化はあるのか
    良くなっている、変わらない、悪化している
 

犬が牛乳を飲みたがる?

牛乳をあげないようにするための注意点

牛乳は、適度な甘さがあり、タンパク質、脂肪も含まれているため、犬も好むことが多いものです。

一度でも与えてしまえば、与えられた時のことを覚えて簡単に条件づけされます。

例えば朝食時に牛乳をもらえば、その後の時間帯を覚えていて毎日同じように欲しがります。

また、牛乳パックを見ると反応して近づいてきたり、冷蔵庫に入っていることもお見通しになります。

もちろん、牛乳に限らずそのようなことは起こりますし、牛乳が絶対に禁止というわけではないですが、もし、消化不良を起こした時のことを考えれば、飲ませない方がベターですよね。

まとめ

いかがでしたか?

牛乳を摂取したからと言って、命に関わるようなことにはなりません。しかし、消化不良を起こすことは珍しくなく、それは、犬にとってもつらいものです。

中には牛乳を飲ませてもなんともない事もありますが、積極的に与えましょう、とは言い難いものであることがお分かりいただけたでしょうか。

どうしても与えたい場合には犬用の牛乳、犬用のアイスクリームなどが市販されていますので、できればそちらを利用したいですね。