2018年1月8日更新

肛門腺も要チェック!飼い猫が臭い原因とは?

古川諭香



キャットケアスペシャリスト

キャットケアスペシャリストの資格を活かし、さまざまな猫メディアにて猫情報を分かりやすく配信中。自身も猫サイトを立ち上げ、愛猫と楽しく暮らしていくための秘訣や猫に関する知識などを分かりやすく解説。猫と一緒に暮らせる猫仕様の家も建設し、人と猫が快適に生活していくための方法も伝授している。

 

猫は自分の体についたにおいを舐めて消すため、体臭がきつくないといわれています。

だからこそ、猫を飼っている方の中には飼い猫の臭いの原因が分からず、悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、飼い猫が臭う原因や対処法などを詳しくご説明いたしますので、これを機に対策法を考えていきましょうね。

 

飼い猫の臭いは何が原因?

体臭がくさいときは?

飼い猫の臭いがきついと感じたら、真っ先にチェックしてほしいのが「肛門腺」です。

肛門腺は、肛門の左右にある「肛門嚢」と呼ばれる袋の中にあります。

猫のお尻が臭うと感じたときは、肛門腺から分泌物が出ている可能性が高いといえるでしょう。

例えば、スカンクも、この分泌物を出すことで強烈な臭いを発していているのです。

また、分泌物の臭いは猫ごとに違いがあるので、猫たちは相手の臭いを嗅ぐことでコミュニケーションを図っています。

この分泌物は便と一緒に出されることが多いため、気にならないことが多いものです。

しかし、まれに肛門腺がつまってしまい、強い臭いがしてしまうことがあります。

肛門腺がつまると、臭いが強烈になるだけでなく、化膿したり、手術が必要になったりするケースも少なくありません。

飼い猫がお尻を引きずって歩いたり、お尻を気にして舐め続けていたりする場合は肛門腺が詰まっている可能性が高いとされているので、日頃からこまめに飼い猫の行動をチェックしておきましょう。

口臭がするときは?

猫の口から強い臭いがしてくるときは、歯肉炎や歯周病にかかっている可能性が高いでしょう。

猫は人間のように、虫歯になることはありません。

その代わり、歯肉炎や歯周病にかかると、完治させることが難しくなるでしょう、

猫の場合は、まず歯石が歯につくことで歯肉炎が発症し、ピンク色の歯茎が赤くなります。

歯肉炎が重症化してくると、口臭がきつくなったり、出血が見られたりします。

ここまで進行すると、猫も食事のときに痛みを感じ、噛むときに首を振ったり、口に周りを気にする仕草を見せるようになります。

そして、重度の歯肉炎が進行すると、歯が抜け落ちてしまったり、嘔吐をしてしまったりするでしょう。

ここまで来ると、歯以外にも問題が出始め、鼻炎が見られるようにもなります。

便や尿の臭いが強いときは?

まず、便の臭いが強いときは普段与えているキャットフードをチェックしてみましょう。

猫の便は人間と同じで、多少の臭さがあるものですが、耐えがたいほどの臭いを感じる場合は消化不良を起こしている可能性もあります。

そして、尿が臭い場合は病気にかかっているケースも少なくありません。

例えば、膀胱に細菌が入り込むことで起こる「細菌性膀胱炎」にかかっているときは、鼻につくようなツンとした臭いがします。

そして糖尿病を患っているときは、リンゴが腐ったような甘酸っぱい臭いがするのが特徴です。

この場合は尿だけでなく、口臭も同じような臭いがするのが特徴だとされています。

また、去勢をしていないオス猫の尿が臭いときは、スプレー行為をしている可能性が高いでしょう。

スプレー行為は、オスが自分の存在を他のオス猫やメス猫に尿の臭いでアピールする行為のことです。

だからこそ、普段よりもキツい臭いの尿が排出されます。

年齢によって臭いやすさに差はあるの?


猫は基本的に無臭ですが、年を重ねると臭くなってしまうこともあります。

老猫になると、運動量だけでなく、グルーミングの回数も減っていくものです。

日々のグルーミングが少なくなっていくと、その分、体臭も強くなります。

また、老猫の場合は長年蓄積した歯石が原因で、歯周病を患っていることも多いものです。

こうした状況でグルーミングをすると、体に生臭いような臭いがついてしまいます。

そのため、老猫は子猫や成猫に比べて臭いがキツくなりやすいといえるでしょう。

 

飼い猫を綺麗にする体臭対策4選

肛門腺を絞ろう

肛門腺から出る分泌物が体臭の原因になっているときは、肛門腺を絞って排出を促してあげる必要があります。

肛門絞りをする前には、ゴム手袋やトイレットペーパーを用意しましょう。

トイレットペーパーを肛門に被せながら肛門絞りを行えば、分泌物が周りに飛んでしまう心配もありません。

しかし、肛門はとてもデリケートな場所なので、触られるのを嫌がる子も多いものです。

そうしたときは無理に行おうとせず、獣医さんやトリマーさんにお願いしてみるとよいでしょう。

自信がない場合も、無理に行わず、プロの力を借りることがおすすめです。

ブラッシング

飼い猫の体臭を予防するためには、飼い主さんがブラッシングをしてあげることも大切です。

特に、グルーミングの回数が減った老猫は毛ツヤが悪くなっていることも多いので、ブラッシングで抜け毛対策をしながら、ツヤを良くしてあげましょう。

ただし、ブラッシングは元から体臭を対策できるわけではないので、効果が感じられにくいというデメリットもあります。

シャンプー

猫の体臭をいい香りにしたいときは、定期的にシャンプーをしてあげるのもおすすめです。

犬とは違って、猫はもともとシャンプーが必要ない動物ですが、長毛種の場合は抜け毛が多いため、ケアも兼ねてシャンプーを行ってあげましょう。

シャンプーを行うときは、人間用のものではなく、必ずペット用を選ぶのも大切なポイントです。

人間用のシャンプーにはアロマ成分が含まれているので、アロマを皮膚から吸収し、猫が中毒症状になってしまうこともあります。

また、猫の被毛は乾きにくいという特徴があるため、水に濡れることを嫌がる子も多いでしょう。

無理やりシャンプーを行ってしまうと、強いストレスを与えてしまったり、信頼関係が壊れてしまったりする可能性があります。

もしも飼い猫がシャンプーを嫌がる場合は無理強いせず、ドライシャンプーなどを使っていきましょう。

ちなみにシャンプーによって体臭が変わると、猫同士の仲が変化してしまうこともあります。

相性がよかったのに仲が悪くなってしまうこともあるので、多頭飼いをされている方はシャンプー後の反応をしっかりとチェックしましょう。

消臭剤を使うのはあり?

猫が臭うときやトイレの臭いを軽減させたいときは、家庭で使っている消臭剤を使いたくなる方もいるかもしれません。

人間用の消臭剤にはアロマ成分が含まれているため、舐めたり、皮膚から吸収したりすることで中毒症状に陥ってしまう可能性があります。

また、最近ではトイレにもまくタイプの消臭剤も発売されていますが、こうしたものは猫にストレスを与える可能性があるので注意しましょう。

猫にとってトイレは、自分の臭いを感じられる場所です。

そんな場所に違う臭いが混じることを不快に感じたり、不安に思ったりする子は少なくありません。

猫は人間よりも嗅覚が鋭いため、消臭剤の臭いにも敏感です。

消臭剤をまいたことがきっかけで粗相問題が起きてしまうケースも多いので、気を付けていきましょう。

気になる飼い猫の口臭対策

歯磨きは子猫のうちから

飼い猫の口臭は歯肉炎や歯周病が原因であることが多いので、病気にかからせないように飼い主さんが予防をしてあげることが大切です。

特にウェットフードは歯に歯垢が付きやすいので、食べさせる機会が多い場合は歯磨きでしっかりとケアしてあげましょう。

ただし、歯磨きは大人になってから習慣づけようとしても、なかなか難しいものです。

子猫のうちから食後の習慣にすれば、成猫になってからもすんなりとさせてくれますが、成猫の頃から飼い始めた場合はうまくいかない場合も少なくありません。

どうしても歯磨きができないときはガーゼを指に巻き、歯垢を取り除くのもおすすめなので、飼い猫がストレスを感じない範囲で口腔ケアを行っていきましょう。

獣医師に歯石を取ってもらおう

飼い猫が歯磨きをさせてくれない場合は、動物病院で定期的に歯石を取ってもらうことがおすすめです。

専門家に頼れば、口腔内を傷つけてしまう心配もありません。

しかし、無麻酔で行う歯石除去は猫にストレスを与えてしまいますし、歯肉ポケット(歯と歯肉の境目にある溝)に隠れた歯石を除去しづらいという問題があります。

対して、麻酔をかけながら歯石除去を行う場合は、猫の体に負担をかけるため、どちらを優先させるかは飼い主さんによって意見が分かれるでしょう。

便臭や尿臭を和らげるには?

食生活の改善

食生活の改善は、飼い猫の便の臭いを軽減させることに繋がります。

改善させるには、まず普段与えているキャットフードの原料をチェックしてみましょう。

猫は穀物を消化しにくいという特徴があるので、穀物が主原料(パッケージの最初に記載されている原料のこと)のキャットフードを与えている場合は、見直しが必要です。

猫はタンパク質を重視する動物だからこそ、肉や魚を主原料にしたキャットフードをチョイスしていきましょう。

また、合成着色料や添加物などは猫の体に負担を与えてしまいます。

無添加のキャットフードなら消化しやすく、腸にも優しいため、飼い猫に安心して食べさせられるでしょう。

しかし、一気にキャットフードを切り替えてしまうと、吐き戻してしまう可能性があります。

キャットフードは飼い猫の様子を見ながら、1ヶ月ほどかけて徐々に変更していきましょう。

サプリメントを与えよう

いつもの食事を与えながら便や尿の臭いをケアしたい場合は、サプリメントを与えるのもよいでしょう。

便や尿の臭いを軽減したいときは、腸内環境が悪化している可能性が高いので、サプリメントで腸内のバランスを改善させるのがおすすめです。

しかし、中には「猫にサプリメントを与えるのは不安」だと思う方もいるのではないでしょうか。

そうした場合は、猫砂などを見直すだけでも便臭や尿臭は改善させることができるので、まずは身近なもので対処していきましょう。

日頃のお世話で臭いをケアしよう


猫は犬よりも体臭がしない動物だからこそ、臭うときはなにが原因なのかを探ることが大切です。

猫を飼っている方は、猫の臭いを吸う「猫吸い」を行う方も多いと思うので、こうしたスキンシップを通して、日頃から飼い猫の臭いをチェックしておきましょう。