【キャットケアスペシャリストが解説】シャムとは違ったオリエンタルの特徴や飼育法とは?

シャムの血を受け継いでいるオリエンタルは、シャープな体と豊富な被毛パターンが魅力の猫種です。

今回は、そんなオリエンタルの特徴や飼育法を詳しくご説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

オリエンタルってどんな猫種なの?


オリエンタルは、シャムに深い関わりがある猫種です。

スリムなボディとカラフルな被毛は、エキゾチックな印象も与えてくれます。

 

オリエンタルの特徴

性格はシャムのように人懐っこい

オリエンタルはシャムの血を受け継いでいるので、とても人懐っこい性格をしています。

そのため、飼い主さんの膝の上でくつろぐのを好む子も多いでしょう。

そして、シャムとのような賢さも兼ね備えており、手先が器用です。

こうした特徴を持つオリエンタルは活発な性格で社交性が高いので、他の動物や小さな子どもとも仲良くできるでしょう。

性質は?

シャムとの最大の違いは、被毛パターンの豊富さです。

オリエンタルはポインテッド(顔や耳、尻尾、四肢にだけ色がついている被毛のこと)を持つシャムとは違って、ポインテッド以外の模様が被毛に表れます。

そして、模様だけでなく、被毛のカラーもバリュエーション豊かです。

ブラック・ホワイト・シナモン・ブルーなどといったすべてのカラーが誕生します。

現在、オリエンタルで見られる毛色と模様の組み合わせは280種類以上ともいわれています。

さらに、オリエンタルは毛の長さによって、オリエンタルショートヘアとオリエンタルロングヘアに分けられ、ロングヘアを含めると毛色と模様のバリュエーションは300種類以上にもなるといわれているのです。

ちなみに、オリエンタルはシングルコートで、ロングヘアもアンダーコートを持っていません。

また、サファイヤブルーの瞳しか認められていないシャムとは違って、オリエンタルはサファイヤブルーとアクア以外のアイカラーが表れます。

オリエンタルはグリーンの瞳をしていることが多いものですが、被毛がホワイトの場合はブルーや左右で瞳の色が違う、オッドアイを持つこともあるでしょう。

大きさや平均体重は?

スリムな体のオリエンタルは、オリエンタルタイプに分類される猫種です。

細長い体はチューバーボディとも呼ばれ、顔や首、四肢も細長く見えます。

平均体重も3~4kgほどで、それほど大きくなりません。

しかし、全身の筋肉は見た目の細さからは想像できないほど発達しています。

引き締まった胴体は触ると、硬さを感じるでしょう。

 

オリエンタルの歴史とは?


オリエンタルの誕生秘話を知るためには、まずシャムの歴史を理解する必要があります。

シャムはもともと、タイの王国で王族からとても大切にされていた猫種でした。

しかし、第二次世界大戦が始めると、シャムに絶滅の危機が訪れます。

この現状に危機感を持ったイギリスのブリーダーたちはシャムをロシンアブルーや短毛のイエネコと交配させることで、頭数を増やそうとしました。

こうした異種交配のおかげでシャムは絶滅の危機を脱しましたが、ポインテッドを持たないシャムが増えてしまったのです。

こうしたシャムは当初、カラーごとで違う猫種だと認識されていましたが、1980年代になるとフォーリンと呼ばれていたソリッド以外は、オリエンタルというひとつの猫種として認識されるようになりました。

また、アメリカではシャムのブリーダーであったピーター&ビッキー・マークスタイン夫妻がイギリスで出会ったオリエンタルショートヘアに心を奪われ、1972年にオリエンタルを輸入し、ブリーディングを開始したことが誕生のきっかけです。

その2年後、オリエンタルは初めてキャットショーに出陳され、1977年にはCFAに公認されました。

そして、1970年代の終わりには、オリエンタルショートヘアとバリニーズの交配で、オリエンタルロングヘアが誕生し、1985年にはTICAに、1988年にはCFAに公認されるようになったのです。

しかし、1996年からCFAではオリエンタルショートヘアとオリエンタルロングヘアは同じ猫種として扱われるようになりました。

 

飼育するときの注意点

室内環境

オリエンタルはシャムのように手先が器用なので、ドアや引き出しを開けてしまったり、危険な場所に立ち入ってしまうこともあります。

中でも、お風呂場やトイレのような水場は思わぬ事故を引き起こす可能性があるので、大変危険です。

さらに、収納していた紐やゴムなどを誤飲してしまうこともあるので、家を留守にするときは危険な場所に入らせないよう、突っ張り棒でドアを固定するなどして対策をしていきましょう。

家具の配置

オリエンタルは遊び好きな性格なので、キャットタワーを設置したり、十分に走り回れるようなスペースを用意したりしましょう。

キャットタワーを置くスペースがないときは、ドアや壁から吊り下げられるタイプを選んでみるのもおすすめです。

上下運動できるアイテムがひとつあるだけでも、活発なオリエンタルの好奇心は満たされます。

また、窓ガラスに張り付けられるウインドウベッドで刺激を与えてあげるのもよいでしょう。

吸盤で張り付けられるウインドウベッドはスペースとらないので、集合住宅の方にもぴったりです。

オリエンタルのケア方法

ブラッシング

オリエンタルは毛の長さによって、ブラッシングの頻度が変わってきます。

オリエンタルはシングルコートなので、抜け毛もそれほど多くありません。

ショートヘアの場合は1日に1回のブラッシングで、十分に美しい被毛をキープできます。

しかし、ロングヘアの場合はセミロングの被毛を持っているので、朝夕1日2回のブラッシングが必要です。

アンダーコートを持たないオリエンタルロングヘアは、他の長毛種より抜け毛が少ないものですが、ケアが不十分だと感じるときは2週間に1回程度、シャンプーを行うのもよいでしょう。

爪切り

爪切りを嫌がってしまうときは、洗濯ネットが大活躍してくれます。

洗濯ネットに猫を入れ、網目の隙間から爪を出して爪切りを行えば、活発な性格のオリエンタルでも大人しくしてくれるでしょう。

また、オリエンタルは甘えん坊な性格なので、2人がかりで協力しながら爪切りを行うのもおすすめです。

膝の上や抱っこを好みやすいので、片方がスキンシップを取って抑えている間に、もうひとりが爪切りを行っていきましょう。

爪切りができた後は、大好物のおやつをあげるのもおすすめです。

こうすることで、いい思い出が結びつき、大人しく爪を切らせてくれるようになっていきます。

耳掃除

大きな耳は、綺麗に保たれていることも多いものですが、完全室内飼いでも耳ダニと呼ばれるヒセンダニには気を付けていきましょう。

ヒセンダニは人間の衣服や手にくっついて家の中に入り込むこともあります。

そして、ヒセンダニに感染している猫を触ったことが原因で、飼い猫が耳ダニになっていしまうことも少なくありません。

こうした病気を防ぐためには、帰宅時に手洗いやアルコール消毒をきちんと行うことが重要です。

また、定期的に猫用の耳ふきクリーナーを使用し、飼い猫の耳を清潔に保ってあげましょう。

目の手入れ

オリエンタルの美しい目を守っていくためには、日頃から目やにをこまめに拭いてあげることも大切です。

ガーゼやコットンを使って目元を拭くときは、ぬるま湯で濡らしてから行うのがポイントです。

目元はデリケートな部分でもあるので、ゴシゴシとこすらず、優しく拭き取ると嫌がられません。

そして、お手入れをするときは目に異変がないかもチェックしましょう。

例えば、片目だけ開けずらそうにしていたり、ねばっとした目やにが見られたりするときは結膜炎や角膜炎にかかっている可能性があります。

カリシウイルス感染症なども目に症状が表れやすいので、体調を見ながら診察を検討しましょう。

歯磨き

オリエンタルに限らず、猫は子猫のうちから歯磨きになれさせることが大切です。

子猫期は受容性が高く、初めて行うことにも抵抗を示しにくいので、歯磨きを習慣化させていきましょう。

初めて歯磨きを行うときは、口元に歯ブラシを当てることから始めるのもおすすめです。

ブラシの感触に猫が慣れてきたと感じたら、少しずつ歯ブラシを歯に当てていきましょう。

飼い猫がどうしても歯磨きを嫌がる場合は、ガーゼを指に巻きつけて歯茎や歯を拭くだけでも、歯の健康を保つことができます。

歯磨きはウェットフードを食べる機会が多い猫には特に必要なお世話です。

ウェットフードはドライフードよりも歯石が付きやすいため、食後のケアをしっかり行っていきましょう。

子猫期の注意点

気を付けたい病気とは?

オリエンタルの先天性疾患としてあげられるのが、大動弁狭窄症やアミロイドーシスです。

大動弁狭窄症は、大動脈の一部が細くなることで血液の流れが悪くなってしまう病気だといわれています。

この病気はシャムによく見られ、シャムの血を受け継ぐオリエンタルも発症しやすいとされているのです。

そして、アミロイドーシスはアビシニアンに発症することが多い病気で、アミロイドという異常なたんぱく質が体中の様々な臓器や組織の細胞に沈着することが原因だといわれています。

アミロイドーシスは慢性腎不全と同じように多飲多尿、体重減少といった症状がみられ、まれに糖尿病を引き起こすこともあるでしょう。

こうした先天性疾患は遺伝子の関係で引き起こされることも多いので、具体的な予防策はありません。

しかし、定期的に健診を受けたり、猫の様子をこまめにチェックしたりして早期発見を目指していきましょう。

気を付けたいケガとは?

オリエンタルは運動量が多い分、飼い主さんが目を離した隙に高い場所から落下してしまうこともあります。

猫は高い場所から降りたり、着地がすることが苦手だったりするので、危ないと感じたときは手を差し伸べてあげましょう。

そして、好奇心が旺盛なオリエンタルは電気コードを噛んでしまうこともあります。

こうした遊びは感電死や誤飲にも繋がってしまうので、電気コードは猫の手が届かない場所で保管したり、カバーをつけたりしておきましょう。

シニア期の注意点

気を付けたい病気とは?

オリエンタルは、糖尿病になりやすい猫種であるとされています。

糖尿病は肥満が原因で発症することも多いので、日頃から適正量のキャットフードを与えたり、十分な運動をさせたりして肥満を予防していきましょう。

そして、オリエンタルはとても甘えん坊なので、シニア期は今まで以上に甘えさせてあげることが大切です。

シャムと同じで、飼い主さんへの依存心が高い子も多いオリエンタルは孤独を感じると、ストレスを溜めこんでしまうこともあります。

ストレスはさまざまな病気を引き起こす原因にもなるので、免疫力が低下しているシニア期はスキンシップを増やすことで解消させていきましょう。

気を付けたいケガとは?

オリエンタルはもともと活発な性格なので、年をとっても成猫期のような運動を好むこともあるかもしれません。

しかし、シニア期は筋力が衰え、骨ももろくなってきて、ちょっとした落下が骨折の原因になってしまうこともあります。

こうした事故をさけるためには、いままで使っていたキャットタワーに階段を設けたり、部屋の中ある段差を少なくしていったりすることが大切です。

キャットウォークを設置している方は側面に板を取り付け、落下を防止していきましょう。

季節ごとの注意点

春は、食欲も増加する季節です。
オリエンタルはスリムなボディが魅力の猫種なので、肥満体型にならないように配慮していきましょう。

例えば、毎日置きエサで食事を与えているという方は時間を決めてキャットフードを与えていくのが効果的です。

置きエサは腐敗したフードを口にしてしまう危険性があるので、ぜひ改善させていきましょう。

オリエンタルはシングルコートなので暑さにさほど弱くはありませんが、気温の高い日は冷房をつけて快適に過ごせるようにしてあげましょう。

もともと猫の祖先は砂漠のような乾燥地帯に生息していたため、暑さに耐えられると考えている方も多いかもしれません。

しかし、日本のように湿気が多い気候は猫にとって辛いものなので、湿気対策のためにも、冷房をかけてあげましょう。

猫が快適だと感じる夏の温度は、27~29℃くらいだとされています。

そのため冷房は、人間が快適に過ごせる温度よりも少し高めに設定しておきましょう。

オリエンタルはもともと、よく鳴く猫種です。

秋は発情期もあり、未去勢のオスは特に激しく鳴くようになるので、近隣住民の迷惑にならないよう、配慮しましょう。

発情期特有の鳴き声は、去勢手術を行うことでほぼ解決できます。

繁殖を望んでいない方はストレスを減らしてあげるためにも、去勢手術を検討していきましょう。

シングルコートであるオリエンタルは、寒さには弱い猫種です。

気温が低く、乾燥している冬は体調を崩しやすい時期でもあるので、室温管理を徹底していきましょう。

数ある暖房機器の中でもおすすめなのが、暖房やペット用のこたつです。

ペット用のこたつは人間用のこたつとは違って赤外線ランプを使用していないので、猫の目に悪影響を与える心配もありませんし、低温やけどや脱水症状も引き起こしにくいでしょう。

こうした暖房機器は石油ストーブやファンヒーターよりも安全に使用させられるため、思わぬ事故も招きにくくなります。

暖房をかけるときは猫が冬に快適だと感じる20~23℃を目安にし、水分をこめめに補給できるような環境をつくってあげましょう。

健康に過ごすためのボディチェック法

体全体のボディチェック

オリエンタルは長さによって、被毛の手触りが異なります。

ショートヘアの場合は被毛に光沢感があり、触るとシルクのような滑らかを感じ、ロングヘアは被毛が細いため、やわらかい手触りをしているのが特徴です。

こうした被毛の手触りは体調によっても変わるため、子猫期や成猫期にツヤを感じられなくなったときは注意が必要です。

猫は体調に異変を感じるとグルーミングの回数が減り、毛ヅヤが悪くなっていくので、被毛の美しさをひとつのバロメーターとしてチェックしてみるのもよいでしょう。

顔周りのチェック

健康を維持していくためには鼻や口、耳などに異変がないかもチェックしましょう。

オリエンタルはまっすぐ通った鼻筋や根元が太い大きな耳、つりあがったアーモンド型の目はオリエンタルの特徴です。

しかし病気になると、こうしたパーツにも異変が表れるようになるので、炎症などが見られないか確認していきましょう。

例えば、鼻の周辺が汚れていたり、耳をしきりに掻く素振りを見せていたりするときは病気にかかっているサインかもしれません。

顔周りをこまめに観察すれば病気も早期発見でき、飼い猫に負担も与えにくくなります。

甘えん坊なオリエンタルには魅力がたくさん

人間を思いっきり愛してくれるオリエンタルは、ベストパートナーにもなってくれます。

オリエンタルは「人馴れする猫がほしい」と思っている方にもおすすめな猫種です。

ぜひこれを機に、オリエンタルの魅力や特徴を愛せる飼い主になっていきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

古川諭香

キャットケアスペシャリストの資格を活かし、さまざまな猫メディアにて猫情報を分かりやすく配信中。自身も猫サイトを立ち上げ、愛猫と楽しく暮らしていくための秘訣や猫に関する知識などを分かりやすく解説。猫と一緒に暮らせる猫仕様の家も建設し、人と猫が快適に生活していくための方法も伝授している。