猫草がわりに食べることも。猫は白菜を食べても大丈夫?

白菜を買ってきたらいつの間にかレジ袋に顔を突っ込んで愛猫がかじっていた、ということはありませんか?

それほど多くいるわけではありませんが、なかには白菜を好んで食べたがる猫もいるようです。

白菜は猫にとって良い食べ物なのでしょうか。食べたがる猫にはどのように対処すればよいのでしょう。

 

白菜ってどんな食べ物?


白菜の95%は水分と聞いて納得される人は多いのではないでしょうか。

確かに白菜は水っぽいイメージがありますが、たいていの野菜は水分が90%以上あり、実は果実よりも野菜のほうが水分量が多く含まれています。

例えば、水気の少なそうなにんじんでも水分が90%もあり、これはスイカと変わらない値です。

つまり、白菜だけが特別水分が多い野菜というわけではありません。

白菜には、100g当たり炭水化物が3g、タンパク質0.8g、脂質0.1gが含まれており、カロリーは14㎉と控えめです。

白菜(葉部分)に多く含まれる栄養素とその役割

1)ビタミンC:コラーゲン合成したり、ミネラルの吸収を促進したりする

多くの哺乳類がそうなのですが、猫もビタミンCを体内で合成することができるため、猫にとってビタミンC は必須の栄養素ではありません。

しかし、合成する能力は他の哺乳類に比べるとかなり低く、また、ビタミンCには抗酸化効果を高める作用があるため、キャットフードにはある程度の量のビタミンCが含まれています。

2)ビタミンK:血液を凝固させ、酵素の補助因子として働く

猫は、腸内細菌によってビタミンKを体内で合成することができます(犬も)。

しかし、その働きだけでは一日の必要量に達しないため、食べ物からも摂取する必要があります。

3)カルシウム:神経伝達、骨や歯の形成

カルシウムは骨や歯の形成に必要なミネラルですが、たくさん与えればよいというものではありません。

過剰に与えると、尿路結石のリスクを高めてしまいます。

4)カリウム:利尿作用、細胞の働きを正常に保ち、筋肉の働きを調整

心臓病で投薬を受けている猫の場合、薬の種類によっては低カリウム血症または高カリウム血症を引き起こすことがあります。

そのため、心臓病の猫はカリウムの摂取量に気をつけなければなりません。

 

白菜を好む猫がいる理由はよくわかっていない

白菜は特別強い匂いがある野菜ではないですし、食感もシャリシャリしていて食べやすいのかもしれません。

猫草を好む猫がいるのと同じでしょう。

猫が時々植物を食べることに対しては、

  • 毛玉を吐くために食べる
  • ビタミンを補充する
  • 便秘予防のために食べる

といった説がありますが、なぜ食べるのか明確な理由は、実はよくわかっていません。

 

猫にとって白菜は良い食べ物?悪い食べ物?

白菜には、猫が中毒を起こすような成分は含まれていませんので、多少食べたからと言って特別注意する必要はありません。

ただし、猫はあくまで雑食をしない肉食動物ですので、植物の栄養を消化・吸収することは苦手ですし、食物繊維をたくさん食べると下痢をすることもあります。

食べてしまってもかまいませんが、飼い主さんが積極的に毎日与えるような食べ物でもありません。

確かに白菜にはビタミン、カリウムなど猫にとっても有益な成分が含まれてはいます。

しかし、わざわざ植物から摂取する必要はありません。

もし総合栄養食(成長段階に合わせて健康を維持できる十分な栄養バランスでつくられたフード)をきちんと与えているうえで白菜をさらに常食してしまうと、かえって栄養バランスを崩す可能性もあります。

もちろん大量に食べさせれば、ですが…

甲状腺機能低下症の猫は特に注意

白菜などアブラナ科の野菜(他にキャベツ、ブロッコリー、水菜、小松菜など)には、ゴイトロゲンという甲状腺を肥大させ、甲状腺腫を引き起こす物質が含まれています。

この作用が臨床的に人でも猫でも確認されているわけではありませんが(動物実験でのみ)、もともと甲状腺機能低下症を持っている猫には食べさせないほうがよいでしょう。

特に生の白菜にはゴイトロゲンとして作用する別の物質も含まれていますので食べさせないよう注意が必要です。

 

食べ物に関して、猫と人は同じではない

私たちは、つい人の基準でものごとを考えがちですが、猫は人とはまったく違う食性であることを理解しなければなりません。

もっといえば、犬ともちがいます。

犬はむしろ人に近く、肉食動物であっても雑食性が高く、植物の栄養分を消化吸収することができます。

しかし猫は、雑食をまったくしない、完全な肉食動物。動物性タンパク質や脂質を豊富に摂取する必要があり、植物をそのまま食べるような消化システムを持っていません。

さらに、人にとって有益な野菜でも、猫にとっては体に害となることも多いのです。

つい、「肉ばかりだと体に悪いのでは」と思いがちですが、それは人の基準。

猫にとって必要な食べ物と栄養素は人と大きくちがうことを念頭におき、人の食べ物を与えることは基本的に避けるようにしましょう。

白菜を欲しがる猫への対処法

どの食材もそうですが、白菜を買ってきたらすぐに戸棚の中や冷蔵庫の中に入れて保管しましょう。

調理中に出たごみも、すぐにフタつきのごみ箱に入れるようにしてください。

ちなみに、白菜の芯部分のほうが、葉部分よりもカリウムが多く含まれていますので、盗み食いにはより注意する必要があります。

どうしても欲しがる場合は、単にお腹が減っているだけかもしれませんので、いつも食べている主食フードを代わりに与えるようにしましょう。

猫が食べてしまったら

白菜は基本的に猫にとって無毒ですので、少しくらい食べたからといって中毒を起こすわけではありません。

しかし、食べ過ぎると水分や食物繊維によって下痢を起こす可能性もありますので、食べた後は便の様子をよく観察して軟便や下痢になっていないか確かめましょう。

万一下痢がずっと続く場合は、動物病院に連れて行くようにしてください。

まとめ

白菜もそうですが、どうして猫草など植物を好む猫がいるのか、その理由はよくわかっていません。

野生のネコ科動物でも、ときどき草をわざと食べることがあるようですが、必要な栄養を植物から摂ろうとしているわけでもなさそうです。

キャットフードだけだと、心情的に可哀そうに感じてしまうかもしれませんが、野菜や果物は猫にとって必須の食べ物ではありません。

無害と考えられているものでも、日常的に与えないほうがよいでしょう。

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NEKOCLIP

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。