犬のマナーベルト。正しい選び方と使い方を理解しよう。【獣医師が解説】

犬のマナーベルトをご存知でしょうか?

マナーベルトは、オス犬に装着するとマーキングや交尾を予防でき、さまざまなトラブルを回避できる使い勝手の良い犬グッズの一つです。

建物内でおしっこをしてしまうと困る時や、ドッグランで遊ぶときでも安心できるマナーベルト。その使い方や選び方などを知っておきましょう。

 

マナーベルトとは

マナーベルトとは、オス犬の腰付近に巻くベルト状のアイテムです。

マナーベルトをペニスの先ごと巻き付けることで、尿を吸い取るオムツ代わりになり、また交尾を防ぐこともできます。

多くの人が使うマナーベルトは、市販の使い捨てアイテムであり、おしっこをしたら新しいものに取り替えます。

マナーベルトが活躍するシチュエーション

建物内などマーキングをされたら困るとき

雄犬は、自分のテリトリーを主張するために、外に出るとさまざまな場所でマーキングという行動を取ります。

マーキングはにおい付けの本能的な行動であり、それを完全にやめさせるのは不可能です。

外を散歩しているときは問題ないですが、建物内や公園の芝生などでおしっこをしてしまうと周りの人に迷惑となります。

そんなマーキングされたら困る時にマナーベルトを付けておくと、尿をすべて吸い取ってくれるため、尿をしては困るところにも安心して連れ出すことができます。

ドッグランなど交尾してしまうと困るとき

ドッグランなど複数の犬がいる場所で、交尾をしてしまうと困る場合にもマナーベルトを使うことができます。

交尾行動は妊娠だけでなく、感染症や喧嘩などの原因になる可能性があるため、マナーベルトでそれらのトラブルを防止しておくといいでしょう。

メスにもマナーベルトはある?

メスにもマナーベルトのようなものがあり、マナーパンツやサニタリーパンツと呼ばれています。

マナーベルトが腰に巻き付けて使うのに対し、マナーパンツやサニタリーパンツはパンツ型で、お尻を覆うオムツのようなものになります。

メスのマナーパンツは

  • 生理で床が汚れるのを防ぐ
  • 交尾で妊娠や感染症にかかってしまうのを防ぐ

などといった目的で使うことが多いです。

 

マナーベルトの選び方

マナーベルト選びのためのサイズ測定

マナーベルトは足の付け根付近の下腹部に巻きます。そのため、足の付け根付近の腰回りの長さを測り、サイズを決めるようにしましょう。

ただし、マナーベルトの多くはマジックテープ(面ファスナー)になっており、厳密なサイズ測定は必要のないことが多いです。

小型犬ならSS~S、中型犬ならM、大型犬ならL~LLという大まかなサイズ選びで問題ないケースが多いです。

マナーベルトの商品自体にも「どの犬種であればどのサイズ」という目安が記載されていることが多いので、そちらも参考にしてみてくださいね。

犬種によるマナーベルト選びの注意点

基本的には犬の大きさで選べば問題ないマナーベルトですが、犬種によっては多少選び方が異なります。

例えばミニチュアダックスフントやボルゾイなどの犬種では、体重の割に胴体が細いため、大きめサイズだとマナーベルトがぶかぶかになってしまうことがあります。

少し小さめのサイズを選んだ方がいいでしょう。

一方で、パグやフレンチブルドッグなどは、大きさの割に腰回りが太い体型です。

これらの犬種にマナーベルトを選ぶ場合には、少し大きめサイズを選ぶ必要があります。

 

マナーベルトの仕組み

マナーベルトの構造

マナーベルトは細長く、中央部分に吸水性の素材が、両端にマジックテープが付いた構造になっています。

中央の吸水性の部分をペニスの先に当たるようにして、背中でマジックテープをくっつけます。

ペニスの先がマナーベルトに隠れないと意味がないので、付けた後に必ず隠れていることを確認しましょう。

マナーベルトを手作りできる?

マナーベルトは市販のアイテムを使う人が圧倒的に多いですが、手作りは可能です。

ただし、市販のマナーベルトはそれほど高価なものではなく、尿をしたら使い捨てたり洗濯をしないといけないため、コストや手間を考えると手作りのメリットは多くはありません。

手作りをする場合は、腰回りの大きさに合わせて作った腹巻のようなものを巻いてあげてください。

その場合には尿をしたら必ず洗濯する必要があります。

洗濯するのが面倒な場合には、その腹巻の内側に小さめのペットシーツを入れておき、尿をしたら取り換えるという方法がおすすめです。

 

装着時の注意

装着時に気を付けること

マナーベルトを装着するときには以下のような点に気を付けてください。

きつく締めすぎない

マナーベルトをきつく締めすぎると、お腹が圧迫されてしまい、食欲が落ちたり犬がお腹を気にしたりします。

また、うまく力が入らず歩き方がおかしくなることもあります。

マナーベルトは、体にフィットするという程度に巻き、あまりきつく締めすぎないようにしてください。

ペニスの先をしっかり入れる

ペニスがしっかり入っていないとマナーベルトの意味がありません。

マナーベルトを装着したら、その後にペニスの先が出てしまっていないか注意してください。

緩すぎる場合もペニスが出てしまうことがあるので、体とベルトの間に隙間がないかどうかも見ておきましょう。

内股がこすれないように注意

マナーベルトを後ろの方に巻きすぎると、内股のひだの部分がこすれてしまい、ひどい場合には切れてしまいます。

巻いた後に歩く様子を見て、内股のひだがこすれていないかチェックしておきましょう。

もしこすれているようであれば、少し緩く巻いたり、巻く位置を少し前にずらしてあげましょう。

清潔なものを使おう

使い捨てのマナーベルトは、尿をした場合には再利用しないようにしましょう。

また、再利用できるマナーベルトであれば必ず洗濯をして清潔に保つようにしましょう。

汚れたり尿が付いた不潔な状態でマナーベルトを長時間使うと、陰部周りの皮膚が荒れてしまいます。

ペニスから菌が入り、尿道炎や膀胱炎を起こしてしまう可能性もあります。

マナーベルトを丸一日付けっぱなしにしたり、汚れたものを再利用するのは絶対にやめましょう。

マナーベルトは健康に悪くない?

健康被害は大丈夫?

マナーバンドは基本的に健康に悪いものではありません。

上記でお話しした通り、正しい付け方をしっかり守り、清潔なものを利用するようにすれば健康には問題ありません。

ただし、マナーバンドをしているとそれを気にして全く尿をしないという子も時々いるようです。

その場合には、数時間に一度は尿をしてもいい場所に移動して、マナーベルトを外すようにしてあげましょう。

まとめ

マナーベルトは、うまく利用することで不要なトラブルを避け、愛犬とのお出かけを不安なく快適にすることのできるアイテムです。

ただし、間違った使い方をしてしまうと、皮膚や尿のトラブルや、愛犬のストレスにつながってしまいます。

今回の記事を参考に正しいマナーベルトの使い方をマスターしてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

後藤大介

岐阜大学農学部・獣医学科(現応用生物科学部・共同獣医学科 ) 卒業。大阪・北海道の動物病院に勤務し、2018年、岐阜市にアイビーペットクリニックを開業。生まれ育った地元で、ペットと家族の幸せのためのお手伝いをしたいと考えています。病気の治療だけでなく、ペットの健康のための情報発信や、地域の飼い主さん同士が交流できるような動物病院を目指しています。