猫は寒さに弱いって本当?特に子猫や高齢猫は要注意!【獣医師が解説】

 

“♪〜雪やこんこ 霰やこんこ 〜犬は喜び庭かけまわり 猫はこたつで丸くなる”

童謡の歌詞にあるように猫は寒がり、の代表的な動物です。

もちろん寒がりな犬もいますが、雪が積もる中遊んでいる猫はあまり見かけませんよね。

猫は本当に寒がりなのか、また、寒がりな猫にしてあげられることはあるのだろうか…

今回は猫と寒さについてお話しをしたいと思います。

 

猫は寒さに弱い

有名な話なのでご存知の方も多いと思いますが、猫の祖先はリビアヤマネコだと言われています。

リビアは北アフリカの国で、エジプトの西隣りに位置しています。赤道直下、ではありませんが、決して寒い国ではありません。

リビアヤマネコはリビアの砂漠地帯で暮らしていたと言われており、このため、猫は寒さに弱いと言われています。

しかし、一方で、ノルウェージャンフォレストキャットはノルウェーのスカンジナビア半島を中心とした地域の原産の長毛種です。

このように寒冷な気候に対応した品種もあります。

猫が寒さを感じている時の行動

では猫が寒さを感じている時にはどういった行動を取るのでしょうか。

猫が生活している環境が室内か屋外かにもよりますが、代表的なものを挙げたいと思います。

  • 丸くなる
  • 人にくっつく、膝などに乗ってくる
  • 猫同士がくっつく
  • 日なたぼっこをする、日の当たる場所で寝る
  • こたつの中に入る
  • 家電の上にのる

猫は快適な場所を探す天才です。どの猫も温かい場所を探して上手に寒さを凌いでいますね。

ご家庭内で、パソコンの上に乗ったり、冷蔵庫や炊飯器の上に乗ったりする猫もいますし、太陽の動きとともに変わる日なたを追って移動していますよね。

また、屋外では温かい日なたで猫がお昼寝をしている姿も見かけますが、注意したいのは、車のエンジンの中に入り込むことがあることです。

車のボンネットの中は風を避け、特にエンジンを切ったばかりの車では温かく、猫が入り込み寝てしまうようです。

そのため、再度エンジンをかけた時に、エンジンに猫が巻き込まれてしまう、という事故がよく起こります。

特に屋外に駐車した車に再度エンジンをかける際には、エンジンをかける前に軽くボンネットを叩いて、中にいる猫にエンジンから退くように注意をしてあげてください。

寒さによる体調不良

寒冷はストレスです。寒さによって免疫力の低下を起こし、さまざまな感染症の原因になり得ます。

また、日本の冬は空気が乾燥しているので、気道が乾燥します。気道は粘膜です。

粘液で覆われ、感染から身を守っていますので、空気の乾燥により粘膜が炎症を起こすと感染の機会を作ってしまうことになります。

具体的には、猫伝染性鼻気管炎(FVR)、通称ねこちゃんカゼは、ヘルペスウイルスやカリシウイルスが原因となっています。

一度感染すると猫の体内に残り、免疫力が落ちるとウイルスが悪さをして症状が出ます。

急に寒くなったり、気温が安定しない季節の変わり目に増える感染症の一つです。

この他にも、パルボウイルス感染症など、ウイルスが原因となる感染症は冬場に流行することが多いです。

 

寒さを防ぐには

室内飼育

猫は寒さに弱いとされながらも環境には順応しています。

その証拠に、野良猫でも屋外で立派に生きています。東北や北海道など寒い地域にも野良猫はいます。

とは言うものの、やはり、猫は寒さが苦手。

ご家庭で飼われる場合にはできれば室内で飼ってあげたいものです。寒さ対策だけでなく、事故やケンカにも巻き込まれずにすみます。

外に出るクセがついてしまうと、外に出たがるものです。

子猫の頃から室内飼育にし、室内の環境に慣れさせてあげる工夫をしてあげてください。

室内の注意

室内にいても暖房器具を使用しないと寒さに耐えられないか、と言うわけではありません。

繰り返しになりますが、寒い地域でも猫はいますし、野良猫は屋外でも生きていっています。

大切なのは環境への順応です。室内で飼われて暖かいところで生活をしている猫たちはそのような環境に慣れてしまっていますので、やはり屋外の気温でも大丈夫!

とは言えませんし、室内では真冬でもそれほど室温が下がることは考えにくいですが、気温の急激な変化には注意をしてあげてください。

例えば、極端な話になりますが、飼い主さんといるときは暖房器具を使い、こたつに入ってぬくぬくとしているのに、飼い主さんがお出かけするときには暖房器具を切って、日の当たらないケージに入れてしまう…

寒さや暑さを感じるのは、温度差です。冬場に外から室内に入ると暖かく感じますが、しばらく室内にいるとその温度に慣れてだんだん寒くなってきますよね。

体を動かせば暖かくなるし、じっとしていれば寒くなります。

猫が室内で快適に過ごすには、私たちが寒くないと感じる環境温を保ってあげることです。

また、猫は私たちと違い洋服の着脱による調節ができませんので、温度調節のため、それより少し暖かい場所と少し涼しい場所を作ってあげることです。

ケージ飼育をされている方は、ケージ内にペットヒーターを入れてあげたり、潜り込めるような毛布やベッドを入れてあげるとよいでしょう。

ペットヒーターもケージの床全面には必要ありません。猫が自分で温度調節できるようにヒーターの無い部分も作ってあげてくださいね。

 

子猫や高齢猫の体温調節

環境に順応することはできますが、子猫はまだ体温調節機能が未熟ですし、高齢猫は体温調節機能が衰えています。

そのため特に環境温には気を使って急激な温度変化はさけるようにしてあげましょう。

高齢猫が弱ってしまう冬

冬季は人でも高齢者の体力が落ちたり、病気への罹患が多くなる時期です。

それは猫にも言えることです。室内ではできるだけ暖かくしてあげていても、空気が乾燥し、体にとってもベストな環境とは言えません。

寒さによるストレスや乾燥によって粘膜が弱れば、抵抗力が弱まった高齢猫では若い猫に比べて病気のリスクも増えますし、感染症も重篤化しやすく、治りにくい傾向にあります。

高齢猫にとっては寒さと乾燥にさらされる冬場は危険な季節です。

子猫も注意が必要な冬

まだ体温調節機能や免疫力が未熟な子猫にも注意が必要です。

体力もまだ十分ではないので、感染症にかかると重篤化しやすく、命を落としてしまうこともあります。

感染症にかからないようにすることが大切ではありますが、もし感染症にかかってしまったら、できるだけ早く病院へかかり、治療に入ることが大切です。

 

まとめ

猫は寒さに弱い動物で、寒さによりストレスを受けると、抵抗力が落ちて病気になってしまうことが多いのですね。

高齢猫、子猫では特に寒さに弱く、成猫よりも注意して温度調節をしてあげることが大切です。

猫は自分が快適に過ごせる場所を見つけることが上手ではありますが、できれば私たちも猫たちのために工夫をして、できるだけ快適な環境を作ってあげることが猫に対する愛情だと思います。

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