セルカークレックスの特徴や歴史・飼育法とは?【キャットケアスペシャリストが解説】

セルカークレックスは被毛がくるんとカールしているのが特徴的な巻き毛の猫種です。

しかし、日本ではまだ出会える機会が少ない猫種でもあるので、具体的な性格や飼育法が分からないと思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、飼い方をご紹介しながらセルカークレックスがどんな猫種であるのかを解説していきます。

 

セルカークレックスの特徴

性格は優しくて我慢強い

セルカークレックスはブリティッシュショートヘアやペルシャ、エキゾチックショートヘアなど血を受け継いでおり、優しくて陽気な性格をしています。

飼い主さんだけでなく、来客にもフレンドリーに接してくれるので、周りに笑顔を与えてくれるでしょう。

また人間だけなく、他の動物とも仲良くできるので多頭飼いにも向いています

しかし、我慢強い一面もあるため、飼い主さんが気づかないうちにストレスを溜めてしまう可能性があるでしょう。

セルカークレックスは人間や他の動物と一緒にいることを好みやすい猫種なので、ひとりで長時間お留守番をすることがストレスに繋がることもあります。

セルカークレックスの性質

セミコビータイプのセルカークレックスは全体的に丸みを帯びており、頬がふっくらとして見えます。

額は他の猫種より、やや広く見えるでしょう。

また、目は少し離れてついているのがポイントです。

大きくて丸い瞳は

  • グリーン
  • ゴールド
  • サファイヤブルー

などすべてのアイカラーが表れるとされており、中にはオッドアイを持つ子もいます。

そして、最大の特徴でもある巻き毛は胸元と尻尾のカールが特に強くなっています。

ゴージャス感を与える被毛は全体的に見るとカールがゆるく、密生しているでしょう。

被毛は

  • ブラック
  • チョコレート
  • ライラック
  • ブルー
  • シナモン
  • フォーン
  • レッド
  • クリーム
  • ホワイト

といったすべてのカラーが表れますが、目色との関連性はありません。

セルカークレックスは短毛種と長毛種のどちらも誕生しますが、長毛種の場合はセルカークレックスロングヘアと呼ばれることもあります。

ただし、長毛種のセルカークレックスの毛はセミロング程度です。

大きさは中型

長方形のボディをしているセルカークレックスは、筋肉質な体型をしています。

そのため、見た目に反して、抱き上げるとずっしりとした重みを感じるでしょう。

一般的な猫の平均体重が3~5kgであるのに対し、セルカークレックスは4~6.5kg程度だとされており、中型な猫だといわれています。

 

セルカークレックスの歴史とは?


セルカークレックスは人の手が加えられず、突然変異で誕生した猫種です。

1987年、アメリカのモンタナ州にあるリビングストンでペルシャのブリーダーをしていたジュリー・ニューマンはある動物保護施設から巻き毛の子猫の里親を探しているという連絡を受けました。

その子猫じゃ一般的な猫とは違い、被毛だけでなくひげにもカールが見られ、ニューマンの好奇心を刺激したのです。

そこでニューマンは里親になり、子猫を家に迎え入れることにしました。

「ペスト」と名付けられたこの子猫にニューマンは新しい猫種の可能性を感じ、より体格のいい猫種を作り出そうと考え、チャンピオンに輝いたことがあるペルシャと異種交配させたのです。

すると、ペストが産んだ6匹の子猫のうち、3匹がペストを同じ巻き毛を持っていました。

この事実により、ペストの巻き毛はコーニッシュレックスやデボンレックスのような劣性遺伝によって引き起こされているものではないということも明らかになりました。

その後、ニューマンは産まれた巻き毛の子猫の中でも、特に体格がどっしりとしていたオスをペルシャやブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘアと交配させ、母親であるペストとも戻し交配をさせたりし、4匹の子猫(うち3匹が巻き毛)を誕生させました。

そして、その中にいた1匹の巻き毛の子猫はフランスの猫雑誌に掲載され、大注目を亜ぎるようになったのです。

この猫はその後、フランスでキャッテリーを営んでいたレジーヌ・ロールに引き取られ、フランスやドイツでセルカークレックスの礎を築いていきました。

こうしてセルカークレックスは1992年にTICA、2000年にCFAで公認され、2003年にはGCCFからも認められるようになったのです。

ちなみに、セルカークレックスという猫種名の由来は諸説あり、ニューマンが、自身の継父の名字であった「セルカーク」と巻き毛の猫を示す「レックス」を併せて名付けたものだといわれたり、保護されていた動物保護施設の近くにあった「セルカーク山脈」とカールした被毛を持つ「アストレックス・ラビット」からつけられたといわれたりしています。

 

飼育時の注意点

Vasiliy-753 / Pixabay

室内環境

少し寂しがり屋でもあるセルカークレックスは、孤独が苦手な猫種です。

そのため、子猫期から事前に多頭飼いを検討していくのもよいでしょう。

多頭飼いをするときは「オス×メス」や「子猫×子猫」のように、相性のいい組み合わせを選ぶよう、配慮が必要です。

また、単独飼いでストレスを軽減させるには、ひとり遊びができるような猫用おもちゃを用意してあげましょう。

例えば、電動でうごくおもちゃやボール遊びが楽しめるようなおもちゃがおすすめです。

ひとり遊びようのおもちゃは留守中に誤飲してしまわないよう、大きめなサイズやリアルファーを使用していないものを選ぶようにしましょう。

家具の配置

セルカークレックスは、極端に運動量が多い猫種ではありません。

しかし、食事量は一般的な猫よりも多めなので、肥満対策を兼ねるためにも上下運動ができるキャットタワーやキャットウォークを設置してあげましょう。

キャットタワーを用意するときは、セルカークレックスの体型に合わせて、つっぱり棒で天井に固定できるタイプを選ぶのがおすすめです。

また、飼い主さんがいないときに気を紛らわせられるような工夫も必要です。

例えば、窓に取り付けられるハンモックを設置してあげれば、外の景色から刺激を受けることもできます。

 

セルカークレックスのケア方法

ブラッシング

セミロングな長毛種のセルカークレックスには、朝晩1日2回のブラッシングを行ってあげましょう。

短毛種の場合は1日1回のブラッシングで十分です。

セルカークレックスの被毛はカールしているため絡まりやすいので、ブラッシングの前には必ずコームでとかしてあげるようにしましょう。

また、セルカークレックスのような巻き毛の猫種は、被毛がオイリーです。

そのため、ブラッシングだけでなく、2週間に1回はシャンプーを行ってあげることが大切になります。

シャンプーをしっかりと行ってあげれば、皮膚病を防ぐこともできるでしょう。

全身を洗うときは、必ず猫用のシャンプーを使うことも大切です。

爪切り

人に構ってもらうことが大好きなセルカークレックスは比較的、爪切りを行いやすい猫種です。

より爪切りタイムを楽しんでもらうには、爪切り後に大好物のおやつを与えて「いいことがある」と学ばせてあげましょう。

爪切りを行うときは「クイック」と呼ばれるピンク色の部分を切らないように注意が必要です。

クイックには神経や血管が通っているため、誤って切ってしまうと猫に痛みを感じさせたり、出血がみられてしまいます。

万が一、クイックを切ってしまい、出血してしまったときは、血が出ている部分を強く圧迫しながら止血を行いましょう。

爪切りに慣れないうちは事前に、動物病院で止血剤を処方してもらうのもおすすめです。

爪切りは先端の鋭い部分だけ切るように意識すると、思わぬ事故も防げるでしょう。

耳掃除

セルカークレックスはオイリーな被毛をしているため、定期的に耳掃除をしてあげましょう。

皮脂の分泌が多いセルカークレックスは「真菌症」という病気にかかりやすいので、耳掃除シートなどで耳の皮脂を拭くことがポイントです。

耳掃除シートを使うときは強くこすらず、優しく拭いてあげましょう。

また、猫の耳の中はL字型になっており、奥まで耳掃除を行うことが難しいので、無理に奥まで掃除しようと思わないことも大切です。

綿棒を使って耳掃除をしてあげたいときは、突然猫が動き出す可能性も考え、綿棒の先端にある丸い部分がすっぽりと入る程度にとどめておきましょう。

目のお手入れ

大きくて丸いセルカークレックスの目を守るには、日頃から健康状態をチェックしておくことも重要です。

ねばっとした緑や黄色の目やには出ていないか、左右で目の大きさが違わないか、目を頻繁にこすっていないか、涙は出ていないかなどを見ておきましょう。

セルカークレックスはペルシャやエキゾチックショートヘアと同じように、短い鼻をしているので、目の病気にかかりやすいものです。

そのため、少しでも目に異変を感じたら、コットンを使って目元を清潔にしてあげましょう。

デリケートな目元はきめの粗いティッシュだと痛みを与えてしまう可能性があるので、コットンを使用するのがおすすめです。

ぬるま湯で濡らしたコットンなら、固まった目やにも取りやすくなります。

歯磨き

食欲が旺盛なセルカークレックスには、1日1回の歯磨きを行ってあげましょう。

そもそも、人の口腔内は弱酸性ですが、猫はアルカリ性をしているため、虫歯菌は存在できません。

しかし、虫歯にはならなくても歯周病にはかかります。

歯周病は歯についた歯垢が歯石化することで引き起こされる病気です。

歯垢は1週間程度で歯石化するので、歯周病を防ぐには毎日の歯磨きが効果的だといわれています。

しかし、歯磨きはいきなり行おうと思っても、なかなかうまくいかないものなので、最初は指にガーゼを巻きつけて、歯や歯茎を拭くことからはじめていきましょう。

こうすることで歯の表面についた歯石を取ることができますし、口元に触られることにも慣れさせていけます。

ガーゼでの歯磨きに抵抗感を示さなくなったら、歯ブラシを噛ませることから慣れさせていきましょう。

1日1回の歯磨きは理想的ですが、難しい場合は1週間に3~4回程度行うことから始めていってくださいね。

子猫期の注意点

セルカークレックスは人間に対して深い愛情を示してくれますが、子猫期は構いすぎないように心がけましょう。

人に対して依存しやすい猫種は小さな頃に飼い主さんから四六時中構われていると、「分離不安症」を引き起こしてしまう可能性があります。

「分離不安症」とは、飼い主さんと離れることを極度に不安だと感じてしまう心の病気です。

完全室内飼いが増えてきている近年は、飼い主さんと猫の距離が近くなっているので、適度な距離感で飼育をしていくことも大切になります。

距離感を保つためには、別室で眠る習慣をつけることもよいでしょう。

子猫期からひとりで過ごす時間に慣れさせておけば、成猫になってからも安心してお留守番を任せられます。

シニア期の注意点

食事量が多いセルカークレックスはシニア期に肥満体型にならないよう、注意していきましょう。

肥満は糖尿病などの深刻な病気を招いてしまうだけでなく、飼い主さんに負担を与えてしまう可能性もあります。

体力や筋力が衰えたシニア期は、介護が必要になることもあるかもしれません。

そんなとき、飼い猫が肥満体型だと介護もより大変になってしまうのです。

そうならないためには、年齢に合ったキャットフードを選択していきましょう。

高カロリーなキャットフードを与えている方は、飼い猫が7歳を過ぎた頃から徐々に低カロリーフードへ切り替えていくのもよいかもしれません。

その際は、認知症予防として効果のあるDHAやEPA、クランベリーなどが配合されているキャットフードを選ぶのもおすすめです。

季節ごとの注意点

春は猫にとって、発情の季節でもあります。

そのため、完全室内飼いであっても、外から発情中の猫の声が聞こえてくると、ストレスを感じてしまうので、注意しましょう。

知らない猫の声を聞いたり姿を見たりしてしまうと、なわばりを荒らされるかもしれないと不安になってしまうのです。

不安な気持ちが強くなると、粗相などの問題行動が始まってしまう可能性もあります。

だからこそ、もしも、家の外に知らない猫がやってくるようであれば、姿が見えにくくなるよう、レースのカーテンを引いておくのもおすすめです。

巻き毛のセルカークレックスは比較的、冬の寒さには強い猫種ですが、逆に夏の暑さには弱いという特徴があります。

だからこそ、セルカークレックスを飼育するときは必ず適温な環境で過ごせるように、エアコンをかけてあげましょう。

猫が夏に適温だと感じるのは28℃前後だとされているので、人間の体感温度を基準にして室内を冷やしすぎないようにしてください。

また、エアコンをかけるときは寒くなったら暖まれるよう、近くに毛布などを置いてあげることもポイントです。

部屋数に余裕があるならば、エアコンをかけていない部屋へいつでも自由に行けるよう、キャットドアなどを設けてみるのもよいでしょう。

換毛期である秋は、毛がいつもより抜けやすくなります。

抜け毛はブラッシングの頻度を増やすことでも対処できますが、皮脂の分泌が多いセルカークレックスの場合はシャンプーの頻度を増やしてあげることもおすすめです。

例えば、いつもは2週間に1回シャンプーをしているのであれば、1週間に1回シャンプーをするようにしてみるのもよいかもしれません。

ただし、あまりにも頻繁にシャンプーを行うと、逆に皮膚病を招いてしまうこともあるので、不安な方は体拭き用のシートで抜け毛をケアしてあげるのもよいでしょう。

セルカークレックスは先ほどもご説明したように、冬の寒さには強い猫種です。

しかし、子猫や老猫の場合は免疫力が弱く、冬の寒さが原因で体調を崩してしまうことがあるので、年齢に合わせながら寒さ対策をしてあげましょう。

猫が快適だと感じる冬の温度は20~23℃ほどだといわれているので、暖房はこうした温度を目安にかけてあげるのがポイントです。

ただし、生後間もない子猫の場合は体温調節がうまくできないので、湯たんぽなどを使って全身を温めてあげましょう。

湯たんぽの代わりにホッカイロを毛布の裏側に貼るのも効果的ですが、こうした場合は低温やけどをさせないためにも、こまめなチェックが必要です。

健康に過ごすためのボディチェック

体全体のチェック

セルカークレックスは飼い主さんとのスキンシップを好むので、実際に触れ合いながらボディチェックを行っていきましょう。

ボディチェックを行うときは部位ごとに、触ったときどんな反応をしたのか覚えておくことも大切です。

いつもとは違い、特定の部位に触れたとき、怒ったり噛みついたりしてくるときは、怪我や体調不良の可能性があります。

また、セルカークレックスはペルシャの血を受け継いでいるため、肥大型心筋症を引き起こす可能性が高い猫種であるとされています。

心臓病は早期発見が難しいものですが、運動後に息切れをしていないかチェックすることも習慣化させていきましょう。

顔周りのチェック

真菌症を招きやすいセルカークレックスは、外耳炎にかかることも多いものです。

そのため、特に耳まわりのチェックを習慣化させていきましょう。

例えば、黒い耳垢が見られたり、かさぶたのようなものがポロポロと落ちてきたりする場合は耳の病気にかかっている可能性が高いものです。

耳の病気を発見すると、耳洗浄剤などで掃除を行いたくなりますが、逆に症状を悪化させてしまう危険性があるので、速やかに動物病院へ連れて行くようにしましょう。

また、セルカークレックスは鼻が短いので、目に涙が溢れてしまうこともなります。

しかし、目の周辺が湿ったまま放置してしまうと、雑菌が繁殖することもあるので、清潔に保ってあげられるようにしましょう。

個性的な巻き毛を大切に

セルカークレックスのゆったりとした巻き毛には、コーニッシュレックスやデボンレックスとは違った魅力があります。

見た目だけでなく、性格もかわいらしいセルカークレックスはしつけがしやすい猫種です。

おうちに迎えたいと思っている方は、ちょっぴり甘えん坊な一面も含め、セルカークレックスをたっぷりと愛していきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

古川諭香

キャットケアスペシャリストの資格を活かし、さまざまな猫メディアにて猫情報を分かりやすく配信中。自身も猫サイトを立ち上げ、愛猫と楽しく暮らしていくための秘訣や猫に関する知識などを分かりやすく解説。猫と一緒に暮らせる猫仕様の家も建設し、人と猫が快適に生活していくための方法も伝授している。