【桃のような産毛は生えている】毛がないスフィンクスの特徴や歴史・飼育法とは?

猫は猫種によって異なる特徴がみられるものですが、中でもそれが顕著に表れているのが「スフィンクス」です。

スフィンクスは他の猫種とは違って、毛が生えていません。

今回はそんなスフィンクスの特徴や歴史、飼育法などを詳しくご紹介いたします。

 

性格はフレンドリー!


スフィンクスは、怖そうに見えてしまうことも多いものですが、実際はとても優しくフレンドリーな性格をしています。

人間のことが大好きなので、来客者にも物怖じせず、愛くるしい姿をたくさん見せてくれるでしょう。

飼い主さんの視線を集めることが大好きなので、イタズラ好きな一面を見せることもあります。

また、スフィンクスは知性が高くて賢いため、しつけがしやすいでしょう。

人間好きですが依存心はそれほど高くないため、他の動物とも仲良く過ごしてくれます。

運動神経も高いため、アクロバットな動きをたくさん見せてくれるでしょう。

 

性質は?


スフィンクスは、他の猫種のようなふわふわとした被毛が生えていません。

しかし、完全に毛がないわけではなく、桃の表面に見られるような産毛が生えています。

他の猫種と違って、ひげが生えていないのもスフィンクスの大きな特徴です。

そして、スフィンクスは顔の大きさに比べて大きめの耳が付いています。

大きな耳は根元が広く、立ち上がって付いているように見えるでしょう。

また、目色は

  • グリーン
  • ヘーゼル
  • イエロー
  • ゴールド
  • オレンジ
  • カッパー
  • サファイヤブルー
  • ブルー
  • アクア

といったすべてのカラーが見られ、中にはオッドアイを持つ子もいます。

そして、スフィンクスは猫の中では珍しくB型の子が多いという特徴があります。

だからこそ、出産後には子猫の血液型を調べることが大切になってきます。

血液型の違う母猫の初乳を飲んでしまうと「新生猫溶血現象」が起き、赤血球が破壊されて命を落としてしまう危険性が高いからです。

中でもこの現象は、B型の母猫の初乳をA型の子猫が飲んでしまった場合に起きやすいといわれているので、交配を考えている方は気を付けましょう。

 

大きさや平均体重は?


スフィンクスはセミフォーリンタイプなので、スリムな体型をしていますが、筋肉質でもあるので持ち上げると、ずっしりとした重みを感じるでしょう。

しかし、大型猫のように体重が重いというわけではありません。

スフィンクスの平均体重は3~5kg程度で、一般的な猫種と同じくらいの重さをしています。

 

歴史は?


そもそも、スフィンクスのような無毛の猫種は古くから存在していましたが、血筋が受け継がれにくかったのではないかといわれています。

そんな状況を打開しようと、カナダのオンタリオでは1966年に「プルーン」いう無毛猫の繁殖が開始されました。

この繁殖は結果的に失敗に終わりましたが、1975年から1978年にアメリカのミネソタ州やカナダのトロントでも無毛猫が誕生し、計画交配が進められるようになりました。

「エピデルミス」、「パンキー」、「パロマ」と名付けられた3匹の子猫はデボンレックスとの異種交配によって、改良されていったのです。

プルーンの子孫はスフィンクスという猫種が確立する前に絶滅してしまったため、現在のスフィンクスのもとは、こうした1970年代に発見された無毛猫だといわれています。

こうしてスフィンクスはCFAやTICA、GCCFに公認されるまでになりました。

しかし、デボンレックスとの異種交配結果があまりよくなかったため、現在CFAではアメリカンショーとヘアや土着(その土地にもともと生息している)の短毛種との異種交配のみが認められています。

一方でイギリスのGCCFではロシンアブルーとの交配が許可されているため、公認団体によって交配のルールが違っているのです。

スフィンクスは猫アレルギーを引き起こしにくい?


産毛しか生えていないスフィンクスは、猫アレルギーの方でも飼いやすい猫種であるとされています。

しかし、まったくアレルギー反応がでないわけではありません。

そもそも、猫アレルギーの原因となるアレルゲンは唾液や皮脂腺から分泌されるタンパク質であるといわれています。

こうしたアレルゲンはスフィンクスの唾液にも含まれているため、猫アレルギーを引き起こしてしまう可能性があります。

スフィンクスは無毛でアレルゲンをばらまく可能性が他の猫種よりも低いとはされていますが、アレルギー反応がまったく引き起こされないというわけではないので、注意しましょう。

飼育時の注意点

室内環境

スフィンクスを飼育するときは、完全室内飼いを徹底していきましょう。

室内飼いでストレスを溜めさせないためには、ペットハウスや爪とぎを設置してあげることも大切です。

ペットハウスは猫によって好みが分かれやすいので、屋根のあるドーム型かオープン型のどちらなら使ってくれやすいのかを知っておきましょう。

また、爪とぎも猫によって好む素材が違います。

そのため、飼い猫がどういった素材が好きなのか分からない場合は、どの子でも使ってくれやすい段ボール製の爪とぎを選ぶのがおすすめです。

こうした猫グッズをお部屋に設置することは、猫の居場所作りにも繋がります。

自分のにおいが感じられる居場所があれば、完全室内飼いでもストレスが溜まりにくく、安心して生活できるでしょう。

毛がないことで他の猫と違う?

猫の皮脂は一般的には被毛に吸収されますが、スフィンクスは毛がない分、皮脂の分泌が活発です。

皮膚の上に皮脂が溜まると、皮膚病などを引き起こしてしまう可能性があるので注意が必要しましょう。

さらに、被毛がないため紫外線や暑さ・寒さによるダメージを受けやすいのも無毛猫ならではの特徴だといえます。

紫外線によるダメージは窓にUVカットフィルムを貼ることで対処していきましょう。

そして、皮膚が被毛によって守られていないので、ささいなことが原因で怪我をしてしまうこともあるので、多頭飼いするときは同じ品種を選ぶようにしましょう。

家具の配置

スフィンクスは運動神経が高く、とても活発な猫種です。

だからこそ、上下運動がしっかりと楽しめるような室内環境にしてあげましょう。

スフィンクスは体重がそれほど重くありませんが、運動量が多いので天井につっぱらせるタイプのキャットタワーを購入するのがおすすめです。

また、集合住宅などで部屋のスペースに限りがある場合は、ドアに設置できる吊り下げ式キャットツリーを購入してみましょう。

こうしたアイテムなら、壁や床などを傷つけてしまう心配もありません。

スフィンクスのケア法

ブラッシング

スフィンクスは無毛なので、ブラッシングは必要ありません。

しかし、皮脂が溜まりやすいため、お手入れをしてあげないと体が茶色く汚れてきてしまいます。

そのため、定期的にシャンプーを行ってあげなければなりません。

シャンプーの頻度は2週間に1回程度を目安にしましょう。

汚れは猫用のシャンプーよりもベビーシャンプーや低刺激で弱酸性のボディソープのほうが落ちやすいといわれていますが、アロマ成分が配合されていると中毒症状に陥ってしまうので注意が必要です。

また、日々のケアとしては、蒸しタオルで全身を拭いてあげましょう。

蒸しタオルの代わりとして、セーム皮や使うのもよいです。

その際は、雑菌が繁殖しやすいしわの部分を重点的に拭きながらマッサージを行ってあげましょう。

爪切り

爪切りは、爪の先端の尖っている部分を少し切るだけで大丈夫です。

猫の爪を見るとピンク色をしている部分があり、そこには神経や血管が通っています。

「クイック」と呼ばれるその部分は切ってしまうと、猫に強い痛みを感じさせてしまうので注意しましょう。

暴れてしまい、なかなか爪切りができないときはタオルで体をくるみながら行うのがおすすめです。

ふわふわとしたタオルでくるまれると猫は安心感を覚え、爪を切らせてくれやすくなります。

初めて爪切りを行うときはひとりだと難しく感じてしまうので、爪を切る人と猫を押さえる人に分かれて行うのもよいでしょう。

耳掃除

スフィンクスは皮脂の分泌が活発なので、耳掃除も定期的に行うようにしましょう。

他の猫種よりも茶色い耳垢が見られやすいため、耳がベタついていないか、耳垢に異常はないかをこまめにチェックしましょう。

皮脂汚れをケアするには、イヤークリーナーや耳掃除用シートを使います。

ただし、香料が付着している耳掃除用シートだと猫が嫌がる可能性もあるので、なるべく無香料のものを使用してください。

猫の耳掃除は、自己判断で奥のほうまで行わないようしましょう。

猫の耳の中はL字型になっているため、綿棒などでも掃除がしにくく、怪我に繋がってしまう危険性もあります。

ですから、お家で耳掃除を行うときは目で見える範囲に留めておきましょう。

それでも耳垢や炎症が見られる場合は、皮膚病や真菌症などの病気にかかっている可能性があるので動物病院へ連れて行く必要があります。

目のお手入れ

スフィンクスは、顔周りも皮脂で汚れやすいものです。

耳と同じで目の周りも茶色く汚れたり、目やにが見られたりすることが多いので、蒸しタオルや目やにとりシートなどで毎日顔を拭いてあげましょう。

また、茶色い目やにではなく、緑色や粘着性のある目やにが見られたときは体調不良である可能性が高いので、病院で診てもらう必要があります。

歯磨き

他の猫種を同じようにスフィンクスにとっても歯磨きは大切です。

猫は上顎の奥にある臼歯に一番歯垢が溜まりやすいので、歯磨きをするときは意識的にケアをしてあげましょう。

歯磨きに慣れさせるには、まず歯ブラシに対する警戒心と解くことが大切です。

スフィンクスは好奇心が旺盛なので、歯ブラシで遊ばせたり甘噛みをさせたりすることでブラシの感触になれさせていきましょう。

歯磨きは毎日行うのが理想的ですが、歯垢は約1週間程度で歯石化するため、難しい場合は週に3回程度行うだけでも効果があります。

子猫期の注意点

室内環境

スフィンクスは被毛がないため、子猫期は特に温度管理を徹底していきましょう。

抵抗力がない子猫期は気温の差から、猫風邪などを引き起こしてしまうこともあります。

室内の温度を一定に保てるようにしてあげましょう。

子猫が嫌がらない場合は短時間であれば、服を着せて防寒対策をしてあげるのもおすすめです。

病気

スフィンクスは無毛の遺伝子を持っているため、呼吸器に感染症が見られることがあるともされています。

こうした症状は生後3ヶ月までに見られることが多いので、子猫期は注意が必要です。

そして、スフィンクスは心臓が見られやすい猫種でもあります。

一説によれば、30%以上のスフィンクスはなんらかの心疾患を抱えているともいわれており、中でも「肥大型心筋症」や「僧房弁閉鎖不全症」が見られること多いとされています。

肥大型心筋症は3歳ごろに発症しやすいとされていますが、子猫期から定期健診をするなどして早期発見できるようにしていきましょう。

シニア期の注意点

シニア期になると筋力が衰え、活動量も減ります。

そのため、自力でグルーミングをする頻度も減り、ボディが清潔に保てなくなることもあるでしょう。

そのため、飼い主さんは成猫期よりもさらにボディケアをこまめに行ってあげなければなりません。

シャンプーの頻度を1週間に1回に変更することもおすすめですが、老猫の体に負担をかけてしまうこともあるので、体調を見ながら行うことが大切です。

もし、シャンプーをこまめに行うのが難しいようであれば、蒸しタオルでボディを拭く時間を長くしたり、ドライシャンプーを検討したりしてみましょう。

季節ごとの注意点

気温が上がり始める春はスフィンクスにとって過ごしやすい季節でもありますが、朝晩の気温差が激しくならないよう、配慮してあげましょう。

気温が下がりやすい夜だけ、エアコンをかけてあげるのもおすすめです。

室温は19度前後を目安にしてあげましょう。

また、猫は春になると発情期を迎えるため、喧嘩っ早い行動を見せてしまうこともあります。

中には、去勢手術をしていても発情期になると、普段とは違った行動を見せる子もいるので、多頭飼いをしている場合は喧嘩で怪我を負わないように注意しましょう。

スフィンクスは暑さにも弱い猫種です。

だからこそ、夏はエアコンをしっかりとかけて熱中症対策を行ってあげましょう。

夏に猫が快適だと感じる温度は、28~30℃程度だといわれているので、室内が冷えすぎないようにしてみてください。

さらに、真夏の直射日光はスフィンクスの皮膚にダメージを与えてしまいます。

直射日光を避けるには縦型ブラインドを導入したり、遮光カーテンで陽射しを遮ったりするのがポイントです。

秋になると猫は食欲が旺盛になるものです。

しかし、欲しがるままに与えてしまうと、スフィンクスの特徴でもある細身体型が維持できません。

スフィンクスは運動量が多い猫種ですが、食事量はそれほど多くありません。

肥満を予防するにはスローペースな食事を心がけることも重要なので、早食い対策グッズを使用し、持ち前の好奇心をくすぐってみましょう。

ボールを転がせばフードが出てくるような早食い対策グッズなら、楽しみながら食事ができます。

スフィンクスは賢い猫種なので、こうした知育グッズはどんどん活かしていきましょう。

冬の寒さは、スフィンクスにとって大敵です。

犬のように服を着せることで防寒対策をするのもひとつの方法ですが、グルーミングができないことにストレスを感じてしまう恐れがあるので、基本的にはエアコンで対応してあげましょう。

設定温度は20~23℃くらいをキープしておきましょう。

ボディが被毛で守られていないため、湯たんぽやこたつは低温やけどの可能性が高くなります。

使用するときは、飼い主さんがこまめにチェックしてあげましょう。

また、暖房をかけていると部屋の中の空気が乾燥し、ウイルスが活発になってしまいます。

冬は猫風邪などの感染症を引き起こしてしまうことも多いので、加湿器で部屋の中の湿度50~60%に保てるようにしましょう。

健康に過ごすためのボディチェック

体全体のチェック

ボディチェックをするときはまず、皮脂汚れで体が茶色くなっていないか調べましょう。

特に足の裏の汚れは見落としてしまうことも多いので、飼い猫が歩いた後に茶色い汚れが付いていないかチェックしてみてください。

そして、スフィンクスも一般的な猫と同じで、下部尿路系の疾患を抱えやすいものです。

愛情深い性格だからこそ、飼い主さんに構ってもらえないことがストレスで膀胱炎などの病気を引き起こしてしまうこともあります。

下部尿路系の病気になるとトイレ中に泣き叫ぶようになったり、粗相が増えたりするので、日頃から飼い猫のトイレスタイルを知っておくことが大切です。

顔周りのチェック

顔周りをチェックするときは、各パーツに異変が見られないか確認していきましょう。

例えば耳であれば、変なにおいがしないか、耳を頻繁にかきむしっていないかということも重要になります。

目だと目やにだけでなく、充血や白濁が見られないかということも知っておく必要があるでしょう。

また体調不良のときは鼻水や涙が見られるので、そうした異変にも気づけるようになりましょう。

こまかな気配りで健康を守ろう

無毛のスフィンクスはお手入れが楽そうだと思われることも多いものですが、実際には皮脂汚れをしっかりとケアしてあげる必要があります。

しかし、その一方で人懐っこく愛情深い一面を持っているスフィンクスは大切なパートナーになってくれるはずです。

スフィンクスをおうちに迎えるときは事前にお世話ができるかも考慮した上で、検討してきましょうね。

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ABOUTこの記事をかいた人

古川諭香

キャットケアスペシャリストの資格を活かし、さまざまな猫メディアにて猫情報を分かりやすく配信中。自身も猫サイトを立ち上げ、愛猫と楽しく暮らしていくための秘訣や猫に関する知識などを分かりやすく解説。猫と一緒に暮らせる猫仕様の家も建設し、人と猫が快適に生活していくための方法も伝授している。