子猫を飼うなら知っておきたい、子猫の体の成長過程

猫は成長が早く、子猫の時期はあっという間。すぐに大きくなってしまいますよね。

具体的に猫は生後から大人になるまで、どんなふうに成長していくのでしょう。

体重の増え方、歯の生え変わり、避妊・去勢手術のタイミングなど、成長における体の変化と注意点についてご紹介いたします。

 

子猫の成長とその特徴

猫は一般的に1年ほどで成猫に達し、メスよりもオスのほうが体重も重く、大きくなる傾向があります。

また個体差が大きく、同時に生まれた兄弟でも体格差がつくことがあります。

1)~生後2週間


体重:

生まれてすぐの体重は100g前後で、栄養状態が良好であれば、1日10gくらいずつ体重が増えていき、生後1週間で150~200g、2週間で250~300gとなります。

人の新生児が1日30gずつ増えるのに比べると、いかに子猫の成長が早いかがわかります。

感覚:

生後1週間までは目が見えず、匂いが頼りです。1週間を過ぎると目が開き始め、2週間までには完全に開きます。

子猫時代の瞳の色は、みんな灰色がかった青色をしています。

キトンブルーと呼ばれますが、これは子猫の瞳(虹彩)には、色素がその表面にしか沈着していないためです。

成長するにしたがって虹彩の中にも色素が沈着し、大人の瞳の色へと変化します。

聴覚は未発達ですが、2週目ごろから音がする方向がわかるようになります。

歯:

1週目までは歯がまったくなく、1~2週間で乳歯が生え始めます(生えそろうのは生後2か月くらい)。

乳歯は永久歯よりも数が少なく、切歯が上あご・下あごの左右に各3本ずつ、犬歯が1本ずつ、臼歯が上あごに3本ずつ、下あごに2本ずつの、計26本です。

2)2週間~1か月

体重:

この時期も引き続き1日に10g程度増加し、1週間で100gほど増えます。

生後3週目で300~400g、1か月で400~500gくらいになります。

感覚:

視覚が徐々に発達し、生後2週以降で物の動きや、奥行きが認識できるようになります。

聴覚も発達し、他の猫や飼い主さんの声が聴き分けられるようになります。

爪:

生まれたばかりの子猫は、腱や筋肉が未発達のために爪が出っぱなしですが、生後3週目くらいから出し入れできるようになります。

3)1か月~2か月

体重:

生後1か月から2か月にかけて体重は倍に。2か月目でだいたい800g~1.0㎏程度になります。

歯:

この時期になると乳歯が生えそろってくるので、6週目くらいから離乳の時期となります。

2か月目までには徐々に子猫用ドライフードが食べられるようになります。

ワクチン接種:

母猫から子猫へと受け継がれた抗体は生後2~4か月で消失してしまうため、2か月目くらいに1回目のワクチン接種が必要となります。

その後、2~4週間ほど間隔をあけて2回目(もしくは3回目を設定する場合も。獣医師の指示に従ってください)を接種します

(母親からの移行抗体が完全に消失する時期には個体差があるため、時間差をつけて2~3回行います)。

4)2~6ヶ月

体重:

生後3か月で体重は1.0~1.5㎏、6ヶ月くらいまでには2.5~3㎏となります。

歯:

生後3か月を過ぎる頃から、人間と同じように猫も乳歯から永久歯へと生え変わりが始まります。

6ヶ月齢くらいまでには完全に永久歯に。

永久歯になると、一番奥の歯の臼歯(後臼歯)が上下左右に1本ずつ増え、計30本となります。

乳歯が抜けると出血することがありますが、たいていは数分ですぐに止まります。

もし、いつまでも出血がとまらないようなら病院に連れて行きましょう。

5)6ヶ月~12か月


体重:

生後6ヶ月を過ぎると、成長はだいぶ緩やかになってきます。

12か月までにだいたい3~5㎏程度になり、一般的な大きさの猫種であれば12か月で成長はほぼ止まります。

歯:

歯は、完全に永久歯に生え変わっています。

しかし、ときに乳歯がいつまでも抜けなかったり、抜けていないのに永久歯も生え、歯列が二重になることがあります。

歯が正常に生え変わっているか、7か月齢くらいのときに獣医師に診てもらうとよいでしょう。

性成熟と去勢・避妊手術:

性成熟を迎える時期には個体差がありますが、オスでだいたい生後9~12か月、メスで3~9か月とされています。

基本的に最初の発情前に手術をするほうが良いとされ、6ヶ月以内に去勢・避妊手術をすることが推奨されています。

したがって子猫が6ヶ月齢になったときに獣医師にまず相談し、手術の予定を立てるようにしましょう。

 

大型種は1才を過ぎても成長する

大型の種類の猫(メインクーン、ノルウェージャンフォレストキャット、ラグドールなど)は、他の猫と成長のしかたが異なります。

大型種の猫は、成猫で6~11㎏にもなり、その成長期は一般的な猫に比べてずっと長く、1才を過ぎても成長を続け、種類によっては成猫に達するまで3年以上かかることもあります。

 

子猫の時期の肥満は太りやすい体質に

生後6ヶ月前に過体重や肥満になることはあまりありませんが、6ヶ月を過ぎる頃から成長も徐々に緩やかになってくるので、肥満に気をつけなければなりません。

肥満細胞の数は子猫の時に決まるとされていて、太らせてしまうと、肥満細胞の数が増加してしまい、その猫は一生太りやすい体質となってしまいます。

食べたいだけ食べさせるのではなく、決められた食事量(販売されているフードの袋には表示があります)を守るようにしましょう。

おやつを与える場合は、おやつの量を1日の食事量から差し引くようにしましょう。

おやつの量は、1日に必要なエネルギー量の20%までとされています。

 

子猫の体重が増えない、大きくならないときには

子猫の成長には個体差がかなりありますが、たとえば

  • 十分な食事量と栄養を与えているにも関わらず体重が増えない
  • 食が細くて体重が増えない
  • 体が大きくならない場合

は、病気の可能性があります。

考えられる主な病気は次のようなものです。

寄生虫症

消化器系に寄生虫がいると、よく食べているのに栄養が吸収されず、体重が増加しない、または減少することがあります。

下痢やおう吐を伴うこともあります。子猫にとって寄生虫症は衰弱の原因となり、命に関わることもある病気です。

特に野良生活をしていた経歴がある場合は、必ず動物病院で寄生虫の有無を確認するようにしましょう。

ウイルス感染症

母親からの移行抗体が消える頃からワクチンを接種する前の期間は、感染症にかかりやすい時期です。

感染症にかかると発熱し、食欲が低下、元気もなくなって体重も増加しません。感染症にはさまざまあり、死に至るものも。

子猫に元気がない、食欲がないなどの症状が見られたら、すぐに病院へ連れていきましょう。

先天的な奇形

口蓋裂(上あごに穴があいている状態)や巨大食道症(食道が拡張し、食べ物を胃へ送り込む働きが低下する)など消化器官に奇形があると、お乳を吸ったり、食べたりすることが困難になり、食べても吐いてしまうことがあります。

他に、門脈体循環シャント(腸から肝臓へ吸収された栄養を運ぶ血管の奇形)があると、栄養吸収が阻害されて成長が遅れます。

また、割合としては少ないですが、先天的に心臓に欠陥があると体がなかなか成長しないことがあります(もちろん、呼吸が荒いなどの主要な症状があります)。

ホルモンの異常

ホルモンは、内分泌腺から分泌されるさまざまな種類の化学物質です。

その中で特に成長を促す「成長ホルモン」が正常に分泌されない異常があると、十分に成長することができません。

健康な子猫は、毎日必ず体重が増加し、特に生後2か月までは1日に10gも増えます。

このくらいの月齢までは、毎日体重を計測し、子猫がちゃんと成長しているか確認することが大切です。

なにか病的な問題があれば体重が増加しない以外にも、元気がない、下痢やおう吐がある、熱があるなどの症状が伴います。

子猫の様子に注意し、そのような症状が見られたらすぐに動物病院へ連れていくようにしましょう。

まとめ

子猫の時期は、大人の健康な体をつくるための土台作りの期間でもあります。

食事管理、体重管理をしっかり行い、子猫の健やかな成長と大人になってからの健康を守ってあげてください。

関連記事

 
 

ABOUTこの記事をかいた人

NEKOCLIP

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。