犬のあくびの理由と病気の可能性【獣医師が解説】

犬をよくよく観察すると、ヒトと同じような行動をとることに気付きます。

あくび、しゃっくり、寝言……ため息もその中の一つです。

では犬のため息がどのような時に出るかご存知でしょうか?

基本的には犬のため息は病的なものではありませんが、中には病気が原因で、ため息やため息のように見える動作をすることもあります。

そんな病気のサインになるかもしれない犬のため息について知っておきましょう。

 

犬のため息とは

犬もため息をつく

犬も人と同じくため息をつきます。よく観察すると、犬は意外とよくため息をつく動物であることに気付きます。ヒトのため息と同じく、息を大きく吸って、肩を上下させながら口から「ふー」と出すのが犬のため息です。特に遊んだ後にくつろぎ始める時にため息が出ることが多いので、一度愛犬の様子をじっくり観察してみてくださいね。

犬がため息を付く理由

犬がため息を着くシチュエーションは以下の通りです。

リラックスしている

寝る前やリラックスしたときに、「フーッ」と息が漏れるようにため息をつくケースは非常に多いです。

満足している

餌やおやつをもらった後や、遊んでもらって満足するとため息が出ることがあります。

不満がある・緊張している

不満や緊張があってもそれを吐き出すように溜息を吐くことがあります。

気持ちを落ち着けるための、一種の犬のルーティーンのようなものだと考えられます。

疲れた

走り回ったり長時間の散歩をした後も、一息つくためにため息をつくことがあります。

病気がある

以上のように、犬のため息は犬の精神状態に合わせて出てくることが多いのですが、病気のサインである可能性もありますので注意が必要です。

 

ため息(のような動作)が見られる病気

病気の症状との見分け方

ため息が単なる精神的なものなのか、病気からくるものなのかは、呼吸の仕方とため息の続き方に注意して見てあげるといいでしょう。

病気の時は、基本的に非常に苦しそうにため息をします。

呼吸数が速くなったり、お腹を大きく使って頑張って呼吸をする場合には、病気の可能性があります。

また、ため息のような呼吸を連続して行う場合にも、明らかな異常があります。

通常のため息は一回で終わりますので、それが続くようであれば病気を疑ってください。

動物病院にかかる前に観察すべき点

病気が疑われる場合には、早めに動物病院を受診することをおすすめしますが、その際に以下のような点をチェックしておくと診察がスムーズにいくことが多いです。

  • 呼吸数(1分間に何回胸が動くか?)
  • 舌の色(チアノーゼがないか?)
  • ため息が出る前のシチュエーション

可能であれば、ため息をついている状態の犬の動画を、携帯電話などで撮影して持って行ってもらうと診断の助けになることが多いです。

音声も大事ですので、音も一緒に撮るようにしてください。

ため息の原因として考えられる主な病気

僧房弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)

僧房弁閉鎖不全症は中年以降の小型犬に非常に多い心臓の病気です。

僧房弁閉鎖不全症では、運動不耐性(うんどうふたいせい)と呼ばれる、運動するとすぐに疲れてしまうという症状が出やすいです。

中年以降の小型犬で、運動後にため息を良く着くようになったという場合には、僧房弁閉鎖不全症に注意が必要です。

放置すると呼吸困難や失神などを起こし亡くなってしまうこともあるので、早めに動物病院で診てもらいましょう。

その他の心臓病でも運動不耐性が出ることがありますので、ため息が多くなった場合には心不全に注意が必要です。

胸水症

胸の中に水が溜まってしまう病気が胸水症です。胸水は心不全や胸腔内腫瘍などが原因となり出てくることが多いです。

胸水があるとはいを膨らませようと頑張って呼吸をするため、ため息のように肩を大きく動かして呼吸することがあります。

胸水によるため息はなかなか治まらず、何度も繰り返します。

また、舌の色が紫や白っぽくなったり、口を開けて呼吸することもあるので、そういったところもしっかりチェックしておきましょう。

鼻腔閉塞

いわゆる鼻詰まりです。鼻が詰まると、口で大きな呼吸をすることが多く、ため息のように見えます。

特にパグやチワワなどの短頭種では鼻腔が狭く、鼻腔閉塞を起こしやすいです。鼻炎や鼻腔内腫瘍などでも鼻腔閉塞を起こしてため息をつくようになることが多いです。

鼻腔閉塞のため息も胸水症と同じく、連続して起こることが多く、口を開けて呼吸することもあります。

鼻先にティッシュを当ててみて、動かないようであれば鼻腔閉塞の可能性が高いでしょう。

 

まとめ

犬は健康でもため息の多い動物です。ため息をしているときはさまざまな心理状態が考えられますが、不満やストレスのサインであることもあります。

不満やストレスが原因と閑雅られる場合は、どんな時にため息をついているのかを観察して、その不満を解消してあげられるといいですね。

また、心臓や呼吸器系の病気では、ため息のような呼吸をすることもあります。

特に急に増えてきたため息や、苦しそうなため息は病気のサインの可能性もありますので、早めに動物病院で診てもらってくださいね。

関連記事